主演作『S.W.A.T.』への思いや、『クリミナル・マインド』とクロスオーバーの可能性は!?『S.W.A.T.』シェマー・ムーア直撃インタビュー

1970年代に放送されたTVシリーズ『特別狙撃隊S.W.A.T.』をリブートした新作ドラマ『S.W.A.T.』がいよいよ本日6月22日(金)22:00よりスーパー!ドラマTVにて独占日本初放送となる。ロサンゼルスを舞台に、強盗事件、テロ、刑務所暴動、麻薬取引、ギャング抗争といった凶悪事件の収拾に発動するロサンゼルス市警察所属の特殊武装戦術部隊、S.W.A.T.の活躍を描く本作で主人公ダニエル・"ホンドー"・ハレルソンを演じるのは、『クリミナル・マインド』のデレク・モーガン役でおなじみのシェマー・ムーア! 主演だけでなく製作も務める彼を直撃し、本作に込めたテーマや役作り、そして『クリミナル・マインド』への再出演、さらにはクロスオーバーの可能性についても語ってもらった。

シェマー・ムーアのインタビュー

――まず、本作に出演することになった経緯を教えてください。

『クリミナル・マインド』を去ったのはキャリアの新しい一歩を踏み出すためだったから、その時点で『S.W.A.T.』への出演が決まっていたわけじゃない。当時はとにかく自分の時間が欲しかった。降板後しばらくしてCBSから連絡があって、「新作ドラマ『S.W.A.T.』のホンドー役が君にぴったりだと思う」と言われ、キャラクターやストーリーについて説明されたんだ。

――本作の魅力は?

S.W.A.T.というのは警察に所属するエリートで、ほかの警察やFBIでは手に負えないような相手に対処するヤバい奴らなんだ。アクションたっぷりでワクワクする作品だけど、同時にリアルでもある。現在アメリカで起きていることを取り上げているからね。アメリカのドラマは普段作らないようなものに挑戦しているんだよ。僕らはこの作品を通して、人々に争うのではなく力を合わせるよう呼びかけたいんだ。そして楽しんでもらえればと思う。

――『クリミナル・マインド』のデレク・モーガンもタフガイでしたが、ホンドーはさらに大柄ですよね。どんな体作りをされたのですか?

ホンドー役のために体重を増やさないといけなかったから、長い時間ワークアウトして、たくさん食べたよ。友達によくこう説明しているんだけど、ホンドーはいわば"ステロイドを使ったデレク・モーガン"だから、そのために12~15ポンド(約5~7kg)増やしたんだ。

一つ付け加えたいのは、この肉体作りはあくまでもリアルに見せるためだということだ。撮影が始まる3ヵ月前からロサンゼルスとサンディエゴのS.W.A.T.チーム、S.E.A.L.のチーム6(S.E.A.L.チームの精鋭部隊)のトレーニングを受けたんだけど、彼らはみんな本当に鍛え上げられた素晴らしい肉体をしていた。本物の銃弾が飛び交う現場で誰かを救うために自らの命をかけて戦っている彼らへの敬意を込めて、僕らも肉体作りをしたんだよ。

――今回のあなたはチームリーダーということで、一歩引いて全体を統括しなければならない役ですよね。そういう意味では、『クリミナル・マインド』のデレク・モーガンよりもホッチやロッシに似ているキャラクターかと思いますが、リーダーを演じる上で彼らを参考にしたりされましたか?

これまで一緒に仕事をしたり、その演技を目にした多くの俳優を参考にしたよ。特に『クリミナル・マインド』に出演したことは、シリアスなドラマにおいて経験を積む上でとても役立った。シリーズ序盤に参加していた(ギデオン役の)マンディ・パティンキン、その後で加わった(ロッシ役の)ジョー・マンテーニャ、そして(ホッチ役の)トーマス・ギブソンは特に経験豊富だから、現場でみんなを引っ張ってくれたんだ。彼らの振る舞いを見たり、質問したり、一緒に演技をしたりすることで多くを学んだよ。同作の中で、ホッチがトラブルに見舞われてデレクが彼の代わりにチームの指揮を執ったことがあったけど、あれでボス気分を味わえたのは僕自身にとって素晴らしい機会だった。チームに指示を与え、メンバーに対して責任を持ち、ボスという重圧を感じることができたからね。

だからこれまでのキャリア、特に『クリミナル・マインド』に出演したことは、『S.W.A.T.』でホンドーというリーダーを務める上ですごく役立ったよ。

――ホンドーを演じるにあたって、『特別狙撃隊S.W.A.T.』や映画版で同役を演じたスティーヴ・フォレスト、サミュエル・L・ジャクソンを意識した点はありますか?

『特別狙撃隊S.W.A.T.』が放送されていた当時、僕は幼かったので内容はあまり覚えていないんだ。ただ、クールなオープニングタイトルは記憶しているよ。映画版はかなり前に観ていて、今回ホンドー役を演じることになった後であらためて見直したんだ。ただ、それは映画のスタイルがどんなものかを確認するためで、サム(サミュエル)と僕はまったくタイプが違うから、彼と同じことをしたり、逆に彼がやっていないことをするといったことはやりたくなかった。あくまでも僕にとってリアルなホンドーを作り上げたかったんだ。オリジナルシリーズや映画版と『S.W.A.T.』は、単にキャラクターの名前が同じフランチャイズ作品というだけで、それぞれはまったく別物なんだよ。

(企画・製作総指揮の)ショーン・ライアンをはじめ脚本家チームが描く『S.W.A.T.』のホンドーは、僕自身と似ているところも似ていないところもたくさんある。似ていないところがあっても、ホンドーの考えや気持ち、S.W.A.T.の隊員たちが暮らす世界のことは理解できるしね。だから過去の作品を懐かしく見てはいるけれど、まったく新しい作品を作ることを目指しているんだ。クリスチャン・ベイル主演の『バットマン』シリーズみたいにね。あの3部作は、マイケル・キートンたちが主演した過去のバットマン作品とはまったく別の世界観を築いているよね。だから僕らも『S.W.A.T.』の現代版を作りたいんだ。

――『S.W.A.T.』では白人であるS.W.A.T.リーダーに誤射された黒人少年レイモンドの件に象徴されるように、人種間の問題も色濃く描かれています。それについてあなたは過去のインタビューで、「あらゆる民族間における差別や恐怖を描くことで、それに対する理解や同情をもたらしたい」という旨のことをおっしゃっていますよね。プロデューサーを務めるあなた自身、少年時代などに複雑な生まれもあって大変だったといったことを「Shemar Moore Unplugged」という動画で話されていますが、こういうテーマの選出にあなたの意見はどのくらい生かされているのですか?

本作のオファーをもらって契約書にサインする前に、彼らがどんなものを作ろうとしているのかを確かめたよ。過去にあったような「単にクールな刑事ドラマ」にはしたくなかったし、オリジナルシリーズや映画版の焼き直しもしたくなかったからね。だからショーン・ライアンや(企画・製作総指揮の)アーロン(・ラサーン)・トーマスと話をして、自分の考えを伝えたんだ。楽しい作品を作って視聴者を楽しませたいけど、同時に現在アメリカで実際に起きていること、ニュースで報じられていることを取り上げたい、とはいっても重苦しい作品にしたいわけじゃなくて、そこに希望や人々の絆を描いて、市民と警察、あるいは異なる人種間の理解を深めるものにしたい、とね。僕自身が父親が黒人で母親が白人だから、人種問題には深い関心を持っているんだ。テレビ番組がこうした問題を解決できるとは思わないけれど、見た人たちに何かしらの影響を与えることはできるはずだ。それまでとは違う考えを持たせたり、視野を広げさせたりすることならね。そうすれば、僕らはもっと人を敬い、共感し、理解することができるだろう。

だからプロデューサーとして、いくつかアイデアを提供したよ。いい作品にしたいし、24年間ハリウッドで活動してきた経験を生かした知識や直感があるからね。この作品がビジョンに沿って作られているように気を付けていて、これからもっと大きく、深く、幅広いものにしていきたい。シーズンが進むごとにもっとキャラクターやストーリーを掘り下げていくつもりだ。ちょうど『クリミナル・マインド』でデレク・モーガンがどんどん興味深いキャラクターになっていったようにね。

――そんな本作は私も興味深く拝見したのですが、特にお薦めのシーンやエピソードがあれば教えてください。

どのエピソードも面白いし、ほかとは違っているんだ。そこがクールだと思う。アクションも毎回違うからね。S.W.A.T.のチームがその時々に追う相手がどんな犯罪者なのかにもよるんだ。オリジナリティにあふれたワクワクするようなアクションが見られるよ。ただし、いいストーリーを伝えることの方がより重要だ。善玉と悪玉、被害者が存在する世界で、キャラクターに感情移入させ、見終わった後に考えさせるような力強いストーリーがね。もしかしたらその話が気に入らないかもしれないし、悲しくなったり反発を覚えるような内容かもしれない。でも、何かを考えるきっかけにはなるはずだ。

それぞれのストーリーが異なるのには理由があるんだ。クールなアクションが見どころの回もあるよ。個人的に特に気に入っているのは、第7話の「家族の絆」。すごく感情にあふれたエピソードで、見たら共感を覚えたり理解できる内容だよ。あと第21話の「Hunted(原題)」ではモーガン...あの男を呼び戻してしまったね(笑) ともあれ、モーガンじゃなくてホンドーとディーコンが第1話から抱えていた問題が描かれるんだ。チームリーダーだったバックが更迭されることになった後、本来なら年長のディーコンが後釜に任命されるはずなのに、人種問題を考慮して年下のホンドーが選ばれたために、二人の間にはわだかまりが生じていたからね。このようにキャラクター同士の問題を長期的に描くのは非常にリアルだと思う。

お気に入りを一つだけ選ぶのは難しいけれど、第1話の「S.W.A.T. 緊急出動!」はシリーズ最初のエピソードということでやっぱり特別だね。第2話の「クチーヨ」も、ヘリコプターから吊られるアクションをしたということで思い出深い。とにかく、どのエピソードもアクション満載で、そして時に力強いストーリーが語られるんだ。

――アメリカドラマ界では近年クロスオーバーが増えています。『S.W.A.T.』と『クリミナル・マインド』はどちらもCBSの番組ですが、あなた自身が出るのはややこしいので無理としても、例えばS.W.A.T.のほかのメンバーであるストリートやディーコンが『クリミナル・マインド』に登場するといったことはあり得るでしょうか?

とりあえず僕はやらないな。『クリミナル・マインド』にホンドーとして関わるにはあまりにも同作と距離が近すぎるからね。先程も話したようにデレク・モーガンとして戻るのは可能だけどね。でも、もしストリートまで『クリミナル・マインド』に参加したりしたら、彼の横にいるのは一体デレクなのかホンドーなのか、視聴者を混乱させてしまうと思う。なんだかデレクは体型が変わったな、ってね。

『クリミナル・マインド』に11シーズンにわたって出演したデレクはファンから愛されていたから、その役として戻ることはあり得るよ。でも、僕がホンドーとして、あるいは『S.W.A.T.』のほかのキャストが『クリミナル・マインド』に出演することはないと思う。

――ホンドー役としてボクシングを披露しているあなたは、ほかにも野球やサッカー、バスケット、ダンスや水泳もできたりと運動神経抜群ですよね。スポーツ以外でもいいのですが、まだ挑戦していないこと、今後やりたいことなどはあるのでしょうか?

まだやったことがないことか...。1年前、オーストラリアで戦闘機に乗る機会があったんだ。素晴らしかったよ。あと、サメと一緒に泳いだことはまだないね。僕はスキンヘッドで肌が茶色いから、アシカと間違われて襲われたら大変だから(笑) ほかには...ヘビが嫌いだからヘビと絡むのは無理だな。スカイダイビングはやったけど、バンジージャンプを試すつもりはない。あとは何かな...。スリルを味わうのが好きなんだ。マジで死ぬ危険があるのはマズいけど(笑) なぜなら、僕が何かやるとしたら、誰かが付き添うだろう? 僕が死ぬことになったらその人も道連れだから、死にそうにないのを選ばないとね。高いところにいるのはあまり好きじゃないんだけど、崖から海や湖に飛び込むのは好きだよ。泳ぐのが得意だからね。ずっとやってみたいのは深海へのダイビングだな。とはいえ...海でサメやクジラに出会ってしまったら一巻の終わりだけど(笑)

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『S.W.A.T.』放送情報

スーパー!ドラマTVにて6月22日(金)22:00スタート
[二]毎週金曜 22:00~ ほか
[字]毎週金曜 24:00~ ほか
公式サイトはこちら

Photo:シェマー・ムーア 『S.W.A.T.』 (c) 2017 Sony Pictures Television Inc. and CBS Studios, Inc. All Rights Reserved.