シェマー・ムーアから『クリミナル・マインド』へのメッセージも!『S.W.A.T.』ジャパンプレミア

1970年代に放送されたTVシリーズ『特別狙撃隊S.W.A.T.』をリブートした新作ドラマ『S.W.A.T.』。ロサンゼルスを舞台に、強盗事件、テロ、刑務所暴動、麻薬取引、ギャング抗争といった凶悪事件の収拾に発動するロサンゼルス市警察所属の特殊武装戦術部隊、S.W.A.T.の活躍を描く本作で主人公ダニエル・"ホンドー"・ハレルソンを演じるシェマー・ムーア(『クリミナル・マインド』)が来日したジャパンプレミアの模様を、シェマーのコメント中心にたっぷりご紹介しよう!

ジャパンプレミア開始早々、シェマーが登場。舞台上のスクリーンが上がり、その奥から彼の姿がライトで照らし出されると会場を埋めたファンは大歓声。それを聞いた本人はサングラスを取るとニコニコ顔で、『クリミナル・マインド』でガルシアを呼んでいた時の台詞を彷彿とさせる言葉、「Where my baby girls are?」(僕のベイビー・ガールはどこかな?)と口にし、会場のテンションは早くも最高潮に。

アメリカのメディア取材やトーク番組出演でもおしゃべりなことで知られるシェマーは、この日もエンジン全開。「ハロー、ジャパン。コンニチハ! 素晴らしいよ。アリガトウゴザイマス。僕にわかる日本語はこれだけなんだけど、とにかくここにいられることに感謝しているよ。呼んでくれてありがとう。日本は本当に美しい国だ。都市もね。マジな話だよ。『クリミナル・マインド』のファンたちはどこかな?(会場から大歓声)つまり、君たちが僕の可愛い彼女(ベイビー・ガール)ってことだね。そして僕はチョコレート・サンダーだよ。ブラウン・シュガー・ベイビー・ボーイだ」と一気に語り、ファンたちを喜ばせた。

同プレミアに多数の応募があったと聞いた際には、「『クリミナル・マインド』を10年にわたって愛してくれてるんだね。応募して、雨の中で待ってまで来てくれたなんて。僕はそこまでしてもらえるほど特別な存在じゃないのに本当にありがとう」と謙虚なコメント。母親と仲が良いことで知られるシェマーは、母親からのアドバイスを胸に抱いているという。「母親からいつも言われているよ。自分を見失うな、ルーツを忘れるな、ってね。ファンのみんなにはすごく感謝してる。みんなのおかげで好きな仕事をできるんだからね。ただ、僕は昔も今も普通の人間なんだ。TVや映画に出て、ハリウッドで活動しているけれどね」

これが2度目の来日になるそうで、「東京に来るのは2011年に続いて2度目になるんだ。『クリミナル・マインド』の"プリティ・リッキー"ことドクター・スペンサー・リードと一緒に来たんだよ。みんな、リードのことが大好きだろ? スキニー・ボーイとブラウン・シュガー、どっちが好きだい? 今夜はブラウン・シュガーを選んでくれよ。明日になったらスキニー・キッドを選んでいいから」と笑いながら言うと、客席から「ブラウン・シュガー」という大合唱が。

「ずっと前から日本のことは聞いていて、いつか来たいと思っていた」シェマーは、実際に訪れてみて好印象を抱いてくれたとのこと。「みんなが本当にフレンドリーで親切で、温かく穏やかな心でもてなしてくれているよ。日本は本当に美しい。都市も建築も、そこに住む人々もね。美術館や浅草に行って、そこからもエナジーをもらったよ」

ここで自分のルーツについて説明。「僕は母親が白人で父親が黒人なんだけど、僕の名前は両親の名前を組み合わせたものなんだ。父親がシェラード(Sherood)で、母親がマリリン(Marilyn)だから、シェマー(Shemar)なんだよ」 シェマーはさらに、日本に腹違いの弟妹がいることも明かしてくれた。

大学卒業後、ファッションモデルを経て、1994年に米CBSの長寿ドラマ『The Young and the Restless(原題)』に起用されたのが俳優としての始まりだったシェマー。「24年間もハリウッドで俳優という仕事をすることができて、僕は本当に恵まれていると思う。みんなは『クリミナル・マインド』のシーズン10を観たところだと思うけど、シーズン11は僕が演じるデレク・モーガンの最後のシーズンになるんだ。『S.W.A.T.』は素晴らしい作品なのでみんなも気に入ってくれると思うけど、どうか『クリミナル・マインド』も応援し続けてほしい。なぜなら..."プリティ・リッキー"はまだ出ているからね(笑)」と、キャリアを振り返りつつ、『クリミナル・マインド』へのメッセージも送ってくれた。

また、『S.W.A.T.』への出演が決まった経緯についても語っている。「『クリミナル・マインド』を去ったのは、キャリアの新しい一歩を踏み出すためだった。その時点で『S.W.A.T.』への出演が決まっていたわけじゃない。当時はとにかく自分の時間が欲しかった。仕事から離れてリラックスし、家族や友人と一緒に過ごしたり旅行したりしたかったんだ。するとCBSから連絡があって、新番組の『S.W.A.T.』でボスのホンドー役がきみにぴったりだと思う、と言われ、キャラクターやストーリーについて説明されたんだ」

そんな本作は彼にとって「夢の仕事」だそうで、「すごく特別な作品で、楽しい上に心のこもった人道的なドラマだ。ワクワクする内容でアクションもすごいしね。そんな作品でチームのリーダー役になれるなんて感激だよ」と感激した様子で述べた。さらに、『S.W.A.T.』に合わせて左腕に入れた鷲のタトゥーも披露している。

シェマーが『クリミナル・マインド』で演じたデレク・モーガンも現場突入で先頭に立つようなタフガイだったが、『S.W.A.T.』のホンドーはさらにタフなキャラクターのようだ。「ホンドー役のために体重を増やす必要があったから、長い時間ワークアウトして、たくさん食べたよ。といっても、別にデレクがホンドーより劣っているといった話ではないよ。ホンドーは別のレベルにある、というだけなんだ。ホンドーはいわば"ステロイドを使ったデレク・モーガン"だからね(笑) ホンドー役のために12~15ポンド(約5~7kg)増やしたので、デレクの時よりも大きく見えると思う。デレクの時は185ポンド(約83kg)だったけど、今は205ポンド(約90kg)くらいあるからね。今はちょっと体重が増えちゃってるんだけど、撮影が始まる時には200ポンドに戻すよ。なぜならホンドーは強くて速くないといけないからね。この役のために様々な銃器の使い方を学ぶ必要があったように、ホンドーはデレクよりも戦う機会が多い。だから、もしデレクとホンドーが戦ったら、デレクはコテンパンにされるだろうな(笑)」

とはいえ、体を鍛えたのは決してテレビ向けというわけではない。「トレーニングと食事で筋肉を作ったわけだけど、僕らはあくまでもリアルに見せるためにトレーニングを受けたんだ。撮影前に3ヵ月、そして撮影が始まってからもロサンゼルスとサンディエゴのS.W.A.T.チーム、S.E.A.L.のチーム6(S.E.A.L.チームの精鋭部隊)からトレーニングを受けたよ。僕らは俳優だから演じているだけだけど、実際のS.W.A.T.の隊員たちは本物の銃弾が飛び交う現場で誰かの命を救うために自らの命をかけて戦っているんだ。そんな彼らはみんな本当に鍛え上げられた素晴らしい肉体をしていた。だから、僕もベイビー・ガールのためにセクシーに見せるためでなく、もちろんそのためにもセクシーでいたいけど、ホンドーとしてS.W.A.T.たちのストーリーをちゃんと伝えられるよう、彼らへの敬意を込めて肉体作りをしているんだよ」

また、トレーニングを一緒に受けたこともあって『S.W.A.T.』の現場は非常に仲が良いそう。「本作の素晴らしいところは、みんなが友達ってことだね。本当にみんな仲が良くて、一生懸命働く人たちばかりだ。嫌な奴なんていなくて、キャストもスタッフも最高だよ。毎日現場に行くのが楽しみで、いい作品を作るためにみんなで努力しながら、時には冗談を言い合ったりしているよ」と教えてくれた。

ここで突如、「ベイビー・ガールたちのために」と、シャツのボタンを外して鍛え上げられた腹筋を披露! ファンからはいっそう大きな歓声が沸き起こった。

そんな「タフガイ」シェマーに合わせて、現WBA世界ミドル級王者であるプロボクサーの村田諒太、日本を代表するアクションスターの武田梨奈というゲストが登場。するとシェマーは村田に「会えて光栄だよ。ドラマの中で僕はタフガイだけど、君は本物のタフガイだからね。僕らは二人とも夢のために頑張っているわけだけど、彼がやっていることは世界でほんの数人にしかできないことで、その中でチャンピオンになったんだ。そんな人が僕に会いたいと思ってくれるなんて恐縮してしまうよ。チャンピオンベルトを手に入れるまでには多くの努力と犠牲が必要だったと思う。夢を諦めないこともね。僕は自分がスターだとは思わない。世界一になった彼のような人こそがスターだ。だから、尊敬の念も込めておめでとうと言わせてもらうよ」と、そのプロフェッショナリズムを称えた。

その村田から、『S.W.A.T.』でサンドバックを殴っているシーンについて聞かれると、「僕もボクシングが好きなんだ。あのスポーツの技術や美が気に入っている。体型を保つ上でも最適だしね。僕の場合はサンドバックが相手で、それだと殴り返される心配がないから大丈夫なんだ。君の相手は同じボクサーだから激しい戦いになるけど、僕は俳優でカッコ良くいないといけないからね(笑)」とジョーク。

一方の武田には、花束を差し出された際に「ありがとう。結婚するかい?」と冗談を言っていたシェマー。空手のチャンピオンだと聞いて「こんなに綺麗だから信じられない」と半信半疑の様子だったが、実際にその場でパフォーマンスを見せられて考えが変わったようだ。「実は奇遇なことがあるんだ。君の名前は梨奈だよね? 『S.W.A.T.』の特徴の一つがタフな男性たちに交じって二人の強い女性が登場することなんだけど、そのうち一人はホンドーが付き合っているボスで、もう一人のS.W.A.T.の隊員のクリス、演じる女優の名前が同じく「リナ」なんだ」と面白い偶然を指摘するとともに、「よければロスに来たら? リナのアクションシーンをやってくれたら、彼女の役がとってもカッコ良く見えると思うよ」と武田を"スカウト"していた。

最後、ファンに向けて熱いコメント。「今夜はとても特別な夜になった。なぜならみんなが『クリミナル・マインド』、そして『S.W.A.T.』のためにこうして集まってくれたんだからね。今から君たちが観るのは、僕が夢見ていた仕事だ。『クリミナル・マインド』よりもいい番組と言いたいわけじゃない。全く違う作品なんだ。すごく楽しいよ。『クリミナル・マインド』での僕らは頭脳を駆使するタイプで、リサーチして現場に行って捜査していたけど、『S.W.A.T.』は警察に所属するエリートたちで、ほかの警察やFBIでは手に負えない相手に対処する、ヤバい奴らなんだ。作品を観たらすごく楽しいはずだよ。おなじみのテーマ音楽(ここでテーマソングを歌う)が流れて、ホンドーが登場するんだ! アクションたっぷりでワクワクする作品だよ」

「それと同時に非常にリアルでもある。アメリカをはじめとした世界で起きていることを取り上げているからね。ワクワクと緊張感のある作品で、心にも訴えかけるような、ヒューマニズムにあふれた作品だ。キャストは非常にダイバーシティが取れているし、アメリカのドラマは普段作らないようなものに挑戦しているんだよ。僕らはこの作品を通して変化をもたらしたいと考えている。人々に争うのではなく力を合わせるよう呼びかけたいんだ。そして楽しんでもらえればと思う」と、深いメッセージがこめられていることも強調。

「アリガト、トウキョウ! 『S.W.A.T.』ミテネ!」という彼のコメントとともにバズーカが発射され、金色のテープが舞い散り興奮冷めやらぬ中、ジャパンプレミアは幕を閉じた。

シェマー主演の新作ドラマ『S.W.A.T.』はスーパー!ドラマTVにて6月22日(金)22:00より独占日本初放送。

Photo:
『S.W.A.T.』ジャパンプレミア
『S.W.A.T.』
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