今見るべき一押しドラマ!
『iゾンビ』インタビュー【1】ローズ・マクアイヴァー(オリヴィア・"リヴ"・ムーア役)「毎週毎週食べる脳みそについて考えてるの」

蒸し暑い日々が続いていますね。そんな時にはやっぱりホラーでスカッとするのが一番。そのラインナップとして、ちょっと毛色の違う『iゾンビ』はいかがでしょう? タイトルの通りゾンビ作品ですが、ゾンビの主人公が死体安置所に運ばれてきた死体の脳を食べて、それによって得られた情報をヒントに事件の謎を解いていくという斬新な犯罪捜査ドラマです。

今月初めにセカンド・シーズンのDVDがリリースされた『iゾンビ』より、キャストたちのインタビューを5回に分けてお届け! 第1回は、脳を食べることによって相手のビジョンが見えたりその人の能力・性質が自然と身についてしまう主人公のリヴを演じるローズ・マクアイヴァー

(本記事は、第1シーズンのネタばれを含みますのでご注意ください)

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――ゾンビ役を演じるにあたって、どのような準備をされましたか?

実は、ゾンビであるという部分についてはあまり何もしなくて、エピソードごとに食べる脳みそについての準備の方が主だったわ。ゾンビを演じるにあたっては言い伝えとか歴史とかいった若干の要素を参考にしたけど、時間をかけたのは毎週毎週食べる脳みそについて考えることだったの(笑)

毎回まったく違う特性を真似なければならなかったし、その人間の持つ特性なら何でもありだったから。例えば、嘘をつくこととか。真似するのは身体的な特性のこともあるし、歌ったり、あるスポーツをしたりと行動的なものもあるわ。ドラマは撮影がどんどん進んでいくから、そういうことを準備するのが大変なの。参考になるビデオをいろいろ見たり、スタントをする必要があればスタントを習ったりといったことはできるんだけど、毎週違う特性を真似るための準備には苦労しているわ。

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――そうしたことを習う時間はどれぐらい取れるんですか?

それがねえ、次のエピソードの準備をするのは、その前のエピソードを撮影している間なのよ。それが心配になることもあるわ。例えば、カンフーの達人か何かを演じている時に、チアリーダーの脳みそについて準備しなきゃいけない、って感じなの。でも、そういうまったく別のものが撮影現場で混じっちゃマズいでしょ。うまくいかなくなっちゃうもの。そういう風に各週各週やってるのよ。

――あなたが演じるリヴについて説明してください。

インスピレーションになったのは、強くて、人を惹きつけるタイプでありながら傷つきやすいところもあるという、性格づけに奥行きを持たせた女性の主人公だったと思うわ。強い女性の登場人物を創り上げる際、困難な状況から立ち直るのが早い強靭な人物を作ろうとするあまり、何事にも影響されないという面白味や現実味に欠けた人物になってしまうこともあるでしょ? だけどその点、本作の原作コミックの作者であるクリス(・ロバーソン)とマイケル(・オールレッド)は、陰影があって多層的で興味深い人物をうまく創り上げているわ。私たちはそんなヒロインを映像化しようとしたの。

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――人気の高いDCコミックスの映像化作品に出るのはいかがですか?

すごくワクワクする気持ちだわ。以前にも熱心なファンのついているプロジェクトに出演したことがあるの。『パワーレンジャー』とかね。すごく情熱的で自分のアイデアを寄稿したいと願っているファンと交流する時は、いつだってワクワクするし、応援してもらえて嬉しいわ。

コミコンでリヴの格好をした人たちを見たのも素晴らしかった。第1話を作る時に、(企画・製作総指揮の)ロブ・トーマスに言われたの。「僕は、このドラマを作ることで、小さな女の子たちがハロウィンにリヴの格好をしているのを見たいんだ」って。第1シーズンが放送されていた年のハロウィンは、とてもワクワクしたわ。Twitterでリヴに仮装した人を探していたんだけど、そこには男の子も女の子もいたわ。ありとあらゆる人がリヴに親しみを感じてくれていて嬉しかった。今ではリヴの格好をしている子を見かけることがもっと多くなったわ。ファンなしではこのドラマは成り立たないのだから、とてもありがたいわ。

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――ゾンビが出てくる番組は非常に多いですが、ゾンビというコンセプトが観客を惹きつけるのはなぜなのでしょう?

よくわからないわ。その質問は以前にも聞かれたことがあるけど、はっきりとした答えは出せていないの。急にかかってしまった病気、急に降ってわいた伝染病のようなものかしら。そういう病気が、自分の家族や愛する人を襲うというのはおじけついてしまう概念よね。人は、そういう脅威やそれに対する登場人物の闘争反応に興味をそそられるのだと思うわ。

私にとって興味深いのは、ゾンビの概念が年月とともに変化してきたことね。最初は一定の種類しかなかった。『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生』スタイルの映画ではある種のゾンビしか出てこないけれど、のちにそれが覆されていくのはとても興味深いわ。そうやってゾンビものジャンルは生き続けて、進化し続けていくんでしょうね。

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――本作は他のゾンビ作品と比べて、どのようにユニークなのでしょう?

私たちは本作が唯一のゾム・コム・ロム・ドラム(zom com rom dram)、つまりゾンビ・コメディ・ロマンス・ドラマ(zombie comedy romance drama)だということに誇りを持っているわ。最初から一つのジャンルに縛っていなかった点がとても気に入っているし、興味深いと思うの。過去にあった作品のようになろうとはしなかった。すでに成功した作品を薄めたようなドラマをかなり頻繁に見かけるけど、『iゾンビ』は間違いなく独自のドラマよ。かなり独創的だけど、肩に力を入れすぎているわけでもないの。大きな賭けをしてはいるんだけどね。ゾンビが出てくるし、まだ理由が明らかになっていないゾンビの大発生があるわけだけど、私たちはそれに対して自己認識を持って熟考しつつ、ユーモアのセンスも持ち合わせるようにしているの。

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――バンクーバーでの撮影はいかがですか?

雨がよく降るから、物語の舞台であるシアトルの素晴らしい"代役"になっているわ。ここではとてもよく雨が降るけど、実を言うと、ニュージーランド出身の私は雨が大好きなの。雨が降ると街がより綺麗になった気がするし、空気の質もずっと良くなるでしょ。気候や風景、そして人々の感じも故郷に似ているし。それに『ワンス・アポン・ア・タイム』に出演した時の撮影地がバンクーバーだったから、友人のコミュニティもすでにできていたし、難なく移り住むことができたの。だからここにいられて嬉しいわ。

スタッフはすごく働き者だけど、撮影現場はリラックスした雰囲気で、とても気に入っているの。バンクーバーはとても才能ある俳優とスタッフを供給してくれているわ。脇を固める素晴らしい俳優たちが他のドラマに顔を出しているのを見るのは楽しいわね。例えば本作でデイル・ボッジオを演じるジェシカ・ハーモンは、『The 100/ハンドレッド』に出演しているの。ここの人材を生かせている私たちはとてもラッキーだと思うわ。

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――第2シーズンから登場するデイルはとても面白いキャラクターですよね。彼女に何が起きるか、知ってますか?

それを私はずっと聞き続けているの。脚本家たちがバンクーバーを訪ねてくると、「クライヴとデイルはどうなってるの?」って。私が持っている大きな疑問の一つだから。そうすると彼らは「君が食べている脳みそが誰のだかは知りたくないの?」って言うから、「ハイハイ。でも、クライヴの異性関係がどうなっているか教えて」なんて、うるさい隣人みたいに聞いてるのよ。

――劇中の脳みそは何でできているんですか?

ゼラチンで作って、コーンシロップの血をくっつけてあるの。味はまあまあね。パイロット版で試作されたのよりははるかにマシよ。レシピも改善されつつあるんだけど、毎週違った調理法だからなかなか興味深いわ。料理によって味の良し悪しが全然違うの。シチューは史上最悪だった。まるで固まる前のセメントにゼラチンの小さな球が混ざっている感じだったの。逆に、先週作られた脳みそ入りターキーのコンソメスープみたいなのは美味しくて、「レシピ教えて」なんて言っちゃったぐらい。だから、全部が全部まずいわけではないのよ。

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――物を書くのがお好きだそうですが、自らゾンビとかホラーものの話を書きたいとは?

書くのは好きだけど、私は近いうちに本作の脚本家たちが詰めている部屋への立ち入り禁止を食らうと思うの。ほぼ確実に使いものにならない提案ばかりし続けているから(笑) 登場人物がどうなるべきかとか、共演して楽しかった人がいると「どうやったら、あの人を連れ戻せるかしら?」なんて言ったりしてね。そうそう、我ながらすごい提案は、みんなをゾンビに変えちゃうというものね。脚本家たちはこんなことばっかり聞かされてるの。

でも私が書きたいのは、テーマ的にもっとドラマチックだから、たぶん違うジャンルになるわね。ゾンビについてはあまりよく知らないの。ゾンビが何たるものなのかを理解するための指導を受けなければいけなかったぐらいだから。

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――リヴの髪はカツラですか?

ええ。素晴らしいヘアドレッサーがいて、カツラ全体をピンで留めてくれるの。カツラは普通ノリで付けるんだけど、私は敏感肌だから肌にノリを付けると真っ赤になってしまって。リヴ役のために白いメイクアップをしているから、真っ赤な肌だと目立ってしまうでしょ。そういうわけで、ヘアハットみたいになっているものをピンで留めて使ってるんだけど、朝このカツラを付けてメイクをするのに1時間半ぐらいかかるの。でも、普通に見えるようにメイクするのと時間としては大して違わないというのが、ちょっと引っかかるところなのよね(笑)

――ドラマ界ではクロスオーバーが流行っていますが、どちらもDCコミックスが原作である『iゾンビ』と『THE FLASH/フラッシュ』が出会うといったことはないのでしょうか?

私だけはさかんにそう言っているんだけどね(笑) 「ねえ、グラント」って。実現できたら嬉しいけど、彼らのストーリーはコミックスではまったく交差していないから難しいでしょうね。でも、脚本家たちの想像力はすごいから、どうなるかわからないわ。実現したら素敵ね。

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――第2シーズンではリヴにどんな変化があるのでしょう?

前シーズンのリヴは途方に暮れていたと思うの。彼女は最初、自分がどんな人間なのかがわかっていなかった。彼女は、私たちが20代の時に直面するアイデンティティ・クライシスをすでに経験していたのだけど、それに加えてゾンビになってしまったから、いわばダブルパンチを食らっていたことになるのよね。本当にたくさんのことと折り合いをつけていたの。家族との関係は断ち切られてしまったし、愛する人は彼女のことを本当には理解してくれない。

ただ幸いなことに、前シーズンを通じて彼女は数人を信頼できるようになり、ネットワークを広げることができた。さらに強いアイデンティティ意識と目的意識を発見することができるの。新シーズンは、マックス・レイジャーのような脅威と対戦していかねばならないけど、立ち直る力も強くなっている。支援してくれる人たちもいる。ラヴィは頼りになる友人だし、ペイトンも事情を知っている。そういう頼れる人がいるから、リヴは自分のヒーロー的な面を探求していけるのよ。新シーズンは彼女のそういうところがもっと出ていると思うわ。かつての彼女は守りの態勢になっていることが多かったけど、今は攻めの態勢であることが増えているの。

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――先程ロブ・トーマスの話が出ましたが、言うまでもなく、彼は女性主役のドラマを製作した経験が豊富です。彼との仕事はいかがですか?

興味深いことに、私は彼が手掛けた『ヴェロニカ・マーズ』の関係者を数人知っていて、一人は(ピズ役の)クリス・ローウェルなの。クリスとは映画で共演したことがあったから、本作の話が持ち上がった時に電話して「ロブ・トーマスってどんな人なの?」って聞いたの。そしたらロブもクリスに私のことを聞いていたってわけ。私たちはお互いに探りを入れていたんだけど、私は彼について素晴らしいことしか聞かなかったし、言うまでもなく彼はこの素材を余裕で扱えているわ。

女性が主役のドラマを目新しいだけで作っているのではない人と一緒に仕事をするのは、とにかく嬉しいわ。そういうドラマを作るのがロブにとっては第2の天性のようになっているから、女性が主役ということを越えた次元を探求していけるのよね。さっきも言ったように、リヴには傷つきやすいところがあるけど、私はそれこそが最も興味深いことだと思うの。脆弱性の中にも強さは存在するはずだし、キャラクターを傷つかせながらも彼女が置かれている状況に影響されつつも弱い人間にしないようにすれば、掘り出せるものはもっとあると思うわ。それに、ロブとダイアン・ルッジェロ=ライトの書くセリフってすごくおかしいの。座って脚本を読んでいるととにかく笑えるけど、同時にそれをどうやって体現したらいいのかということも考えるわ。

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ダイアンは、ゾンビに関して面倒をよく見てくれているわ。ロブはゾンビについてそれほどよく知らないけど、ダイアンはこれこれのドラマのこのエピソード、これこれの映画、これこれの本の中で、一人ひとりのゾンビが何を着ていたかなんてことまでスラスラ言えるのよ。本当にすごいの。

――この役のオーディションはどうでしたか?

ペイトンとのシーンだったと思う。うまくいったし、楽しかったわよ。それまでいろんなジャンルのドラマに出演してきたけど、部屋の中にいる人たちを笑わせるコメディのオーディションはとても楽しいわ。やりがいがあるわね。シリアスなジャンルのオーディションだと、演じ終わった後もみんなはそこに黙って座ったままだから、こっちは「オーケー、じゃあね」って退室するだけなの。その点、コメディはみんなが笑っているところで退室できて、家に帰ってからも「あー、うまくいった」って思えるから。

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――コメディはシリアスなドラマよりも難しいですか?

それぞれで必要な技能がまったく違うのよ。片方がもう一方より難しいかはわからないわ。日々演じていて楽しいのはコメディね。でも、自分が演じたシリアスな作品を見返すのも、すごく満足感を得られるし、とても興味深いの。だから両方とも好きよ。自分に制限をかけたりしたくはないしね。

<『iゾンビ』インタビューリレー>
【2】ロバート・バックリー(メイジャー・リリーホワイト役)「ゾンビ対策? 電池とガムテープをたくさん用意してメイン州に行くことだ」
【3】ラフル・コーリ(ラヴィ・チャクラバーティ役)「ラヴィにはダースベイダーのようにはなってほしくない」
【4】マルコム・グッドウィン(クライヴ・バビノー役)「ジョークを言わないのは実はすごく難しいんだ」
【5】デイヴィッド・アンダース(ブレイン・デビアス役)「あなたは大嫌いだけど死んでほしくない、とよく言われる」

『iゾンビ<セカンド・シーズン>』は、ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメントからDVDリリース中。
公式サイトはこちら

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Photo:『iゾンビ<セカンド・シーズン>』
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