『リバーデイル<シーズン1>』インタビュー【6】メッチェン・アミック(アリス・クーパー役)「アリスはまるで母ライオン」

アメリカのどこにでもありそうな田舎町リバーデイル。一見穏やかで平和なこの町で一人の高校生が殺されたことをきっかけに、主人公のアーチーとその仲間たちは、謎多き事件の真相に迫ろうとする。やがて、住民たちが抱える秘密や町を覆う深い闇が少しずつ明らかになっていき...という青春"ゴシップ"ミステリー『リバーデイル』。8月8日(水)よりDVDリリースとなった本作のキャスト、スタッフが語るインタビューを全7回にわたってお届け。第5回は、ベティの母親で新聞記者としての顔も持つアリス・クーパー役のメッチェン・アミック

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――シーズン1の終盤でジェイソン・ブロッサムを殺した犯人が明かされます。犯人の正体を知った時はいかがでしたか?

私たちキャストも視聴者と同じくらい、犯人が誰かを知りたくて仕方がなかったわ。(犯人が明かされるまでの間は)いつも読み合わせを終えて現場を出た瞬間に「誰がジェイソンを殺したか分かった!」と言い合っていたの。でもいろいろと話し合っていると、自分の説が合っているかどうか自信がなくなってくる。誰かから「でもこれはこうで、あれはああなっているから、それは間違っている」と言われてね。

犯人が明かされる回の台本を読んだ時、みんな汗をかいていたし、息を整えるように大きく呼吸をしていたわ。事前に台本をもらっていなくて直前に受け取ったから、真相を知るのがとても楽しみだった。さりげなく伏線が張られていたのよね。真相が明かされた時、"うわ!"と思ったわ。

 

――本作に登場する女性たちは誰もがいろいろな事情を抱えていますが、あなたがアリス・クーパーについて最も好きな点は?

家族のためなら何だってするところかしら。直感で即座に行動するの。一度落ち着いて考えたりはしない。"どう対処しよう?"なんて考えずに動く。でも終盤のエピソードで描かれるように、アリスの行動のほとんどには実はちゃんと正当な理由が伴っているの。彼女には様々な側面があるから、演じるのが楽しいわ。

――視聴者がアリスについて一番誤解していることは?

アリスがひどい母親だというのが最大の誤解かしら。彼女としては正しい意図があって行動しているのだけれど、どう振る舞えばいいのかが分からず、乱暴になってしまう。ただ、私自身は自分の母性本能と闘いながら演じているから難しいわ。私自身はアリスとは正反対の母親だと思うの。

――アリスのようなキャラクターをこれまでに演じたことは?

彼女はまったく演じたことのないキャラクターよ。母親を演じること自体、長いことさせてもらえなかったの。子どもを産んだ時も母親は演じられなかった。「5歳児の母親を演じたい」と言うと、製作側に「現実味がない」と言われてね。だからこう返したの。「でも私には10歳の子どもがいるのよ」ってね。アリスのように支配的な母親を演じられるのは面白かったわ。

 

――本作では子どもたちだけでなく、大人たちもいがみ合うことが多いですね。シーズン1の終盤までにアリスが一悶着する出来事はあるのでしょうか?

アリス・クーパーと言い争いをしたことがない人物なんているかしら? アリスのすごいところは、誰かと口論しないようにする、ということをいつまで経っても学ばないところ。結果的に反撃されるけれど、また別の誰かと同じことを繰り返す。その後、家に帰り、夫で鬱憤を晴らすの。

――娘たちの育て方において、アリスとロックリン・マンロー演じる夫ハルの教育方針は違う場合が多いのでしょうか?

アリスは自分がシングルマザーになった感覚で娘たちとの関係を築いていると思う。非常に横暴で、時にはコントロールが効かなくなるけど、決して意地悪をしようとしているわけじゃないわ。正当な理由があって行動しているんだけど、強引に圧力をかける方法しか知らないの。アリスはまるで母ライオンのような行動を取るのよ。

 

――当初、ハルは妻であるアリスの言いなりになっていたかのようでしたが、のちにティエラ・スコビー演じる長女ポリーに中絶を勧めていたことが明らかになります。その展開には驚かされましたか?

彼が中絶を勧めたことは、夫婦の関係に新たな一石を投じたと思う。ただの尻に敷かれた夫ではないことが分かったんだもの。ハルの心の中にも悪魔がいるし、彼もクーパー家の家族関係がねじれている一因なのよ。あのエピソードからクーパー家の過去をもっと描くようになったの。もしかしたらアリスは被害者で、支配権を取り戻そうとしているのかもしれない、ってね。アリスは過去に様々なことを経験したから、今の情緒不安定な彼女になってしまったのよ。

――アリスの優しい側面を演じるのは楽しいですか?

彼女がなぜ"モンスターママ"になってしまったのか、その理由を知ることができて良かったわ。どういう意図を持っているのかも少し明らかになったし、演じられて楽しかったわね。

――大人たちの過去を掘り下げるため、彼らの若い頃の話がフラッシュバックなどで描かれることはあるのでしょうか?

そうだといいわね。噂だけど、次のシーズンでは面白いフラッシュバックがたくさん描かれると聞いているわ。

 

――急速に、そして熱烈に『リバーデイル』のファンが増えたことについてはいかがですか?

私は、夜テレビで放送されている番組をリアルタイムで見て、その視聴率は翌日に分かる、というのが普通だった世代なの。視聴率で番組が当たったかどうかを判断していた。でも今は、視聴者の反応が分かるのにはもう少し時間がかかるの。レコーダーに録画されたり、配信されたりという形で人々が番組を見た後に、やっと視聴率が分かる。この方式に慣れないといけないけど、面白い仕組みだと思うわ。

――本作の宣伝のためにソーシャルメディアに登場するのは楽しいですか?

ソーシャルメディアは楽しんでやっているわ。でも普段『リバーデイル』を見る時は座っているし、一人の視聴者として番組に集中したいから、twitterで実況中継するのは難しいの。twitter上でファンと交流しようとしても、「ちょっと待って。分かった。でも...あ!」という感じになってしまうの。多くの場合、CMでいったん見るのをやめて、ササッといくつかツイートしちゃうわ。いつもツイートと実況を並行しようと頑張っているの。

 

――『リバーデイル』は特徴的なスタイルを持っていますよね。番組のセットやロケ場所でお気に入りはありますか?

私、ビンテージカーが大好きなの。自分で修理するし、収集もする。だから本作に登場するビンテージカーはどれも好きよ。町に雰囲気を持たせるの。ビンテージカーがあることで、町もクラシックでかっこいい雰囲気をまとっているわ。アリス・クーパーの、アボカドのような緑色で、茶色のウッドパネルが付いた小さなステーションワゴンも大好き。

――あなたが出演されていた『ツイン・ピークス』も根強いファンのいるドラマですが、同作と『リバーデイル』を比べた面白い考察をしている人もいるようです。それについてはどう思われますか?

考えもしなかったわ。『リバーデイル』の第1話を見た批評家が両方のドラマを比較し、それが話題になるまで、あの2作に似ている箇所があるなんて思わなかった。でも話題になってから気づいたの。殺された高校生がいる。捜査を進めていくと、町の秘密も明らかになっていく。古くからあるような物語だから、確かに似ている。でもリズムがまったく違うのよね。『ツイン・ピークス』はゆったりしていて幻想的だけど、『リバーデイル』はテンポが速くて、台詞も機転が利いたものが多い。そんな点で異なっているから、どちらかというとオマージュのようなものかしら。作品の中にオマージュを見つけるのは好きよ。『ツイン・ピークス』が様々な作品に影響を与えていることが分かって嬉しいわ。最高ね。

<『リバーデイル<シーズン1>』インタビューリレー>
【1】K・J・アパ(アーチー・アンドリュース役)「衝撃的な最終話になっているよ!」
【2】リリ・ラインハート(ベティ・クーパー役)「恋の四角、五角、六角関係のようなもの」
【3】コール・スプラウス(ジャグヘッド・ジョーンズ役)「ベティとの関係は培養されたバクテリア」
【4】カミラ・メンデス(ヴェロニカ・ロッジ役)「女性たちは固定観念をいい意味で壊しているの」
【5】ルーク・ペリー(フレッド・アンドリュース役)「父親業は大変だよ」
【7】ロベルト・アギーレ=サカサ(製作総指揮)「アイデアは本当に『ツイン・ピークス』から来ているんだ」

 

■『リバーデイル<シーズン1>』商品情報
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DVDコンプリート・ボックス...9,400円+税
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レンタルDVD Vol.1~7
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
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Photo:『リバーデイル<シーズン1>』
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