『iゾンビ』インタビュー【2】ロバート・バックリー(メイジャー・リリーホワイト役)「ゾンビ対策? 電池とガムテープをたくさん用意してメイン州に行くことだ」

蒸し暑い日々が続いていますね。そんな時にはやっぱりホラーでスカッとするのが一番。そのラインナップとして、ちょっと毛色の違う『iゾンビ』はいかがでしょう? タイトルの通りゾンビ作品ですが、ゾンビの主人公が死体安置所に運ばれてきた死体の脳を食べて、それによって得られた情報をヒントに事件の謎を解いていくという斬新な犯罪捜査ドラマです。

今月初めにセカンド・シーズンのDVDがリリースされた『iゾンビ』より、キャストたちのインタビューを5回に分けてお届け! 第2回は、主人公リヴの元婚約者で、ひょんなことからゾンビとの戦いに巻き込まれていくメイジャー・リリーホワイトを演じるロバート・バックリー

(本記事は、第1シーズンのネタばれを含みますのでご注意ください)

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――ゾンビはお好きですか?

大好きだよ。ありがたいことに僕を職にありつかせてくれているからね(笑) 冗談はともかく、若い時からずっとホラー映画が楽しみで、ゾンビもそのカテゴリーに入っているよ。最近ゾンビが復活を果たしてきているのも僕には嬉しい限りだね。

――第1シーズンから第2シーズンにかけてのメイジャーの推移や、第2シーズンの終盤でどのような展開になるのかといったことについて教えてもらえますか?

メイジャーが辿ってきた軌跡は、彼がスタートした時点からどれだけ変わったかということを考えると特に興味深い。第1シーズン第1話の脚本を読んだ時、彼は単に元フィアンセを溺愛する恋愛対象だった。当初、実はそれが僕の懸念だったよ。彼は自分自身の人生を持つことができるのか?単なる付属品のような存在でしかないのか、それとも彼自身のストーリーが展開していくのか?ってね。そんな僕の疑問に対して、(企画・製作総指揮を務める)ロブ・トーマスとダイアン・ルッジェロ=ライトは、「彼は自分の人生を歩んでいくし、独自の冒険を経験することになる」と即答してくれたんだ。

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前シーズンの最初の3話を見てくれればわかるように、初めはヒロインの元フィアンセということ以外はあまり出てこないけど、まもなくメイジャーのために新たに進路を作ってくれる過渡期のような時期があったと思ったら、ジャーン! ヘルトン・シェルターで世話している若い子たちに何が起きているのかを解明するという彼自身の探求が始まるんだ。前シーズンの後半、キャンディマンのことや、何が起きているのか、誰が少年たちを誘拐しているのかということを捜査しようとしたメイジャーが、自分の能力の程度を示すところを僕らは目にすることになる。それが彼にとっての限界点を迎えてちょっとした狂乱状態に陥る第1シーズンのフィナーレに続いていくわけなんだ。

でも、彼は幸いなことに生き残るし、あれは必要なことだったのだと思う。面白いことに、メイジャーはコテンパンにやられたわけだけど、今度は彼が苦しみから解放されて救われるの?とファンからよく聞かれたんだよね。ここで答えさせてもらうと、そういうことにはならないんだ。今の段階ではこの第2シーズンも彼にとって楽な状態にはなっていない。幸か不幸か、メイジャーはとても好奇心が強い。詮索好きで、不幸なことにそれで窮地に陥ってしまう。彼は、多くのことを発見するものの、それは深刻な結果をもたらしてしまうんだ。

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――今では彼もリヴがゾンビだという秘密を知ったので、捜査の手伝いをするなどしてストーリーに関わってくるようになるのでしょうか?

前シーズンの終わりに、メイジャーはリヴとついに話し合って、彼女が実はゾンビであることを知ったわけだよね。それの素晴らしいところは、彼が捜査の手伝いをする立場になり得るだけでなく、二人が互いに正直になれる状況になる点だと思う。彼らはどちらも多くのことを隠してきた。コミュニケーションが最低限、あるいはまったくない時、正直さが欠けていたら人間関係を築くのは非常に難しくなるからね。いまだに相手のことを忘れられない彼らが、そういう状況に置かれてその関係がどう変化してくるかは注目だよ。それまでは秘密や二重生活のせいで二人がうまくいく可能性はなかったけど、今はその可能性が出てきたわけだ。

二人はうまくいくかもしれないけれど、両者はそれを望んでいるのか? もしそうなら、ゾンビが人間と交際するというのはどういう関係になるのか? 第2シーズンでは、そういう二人の関係の意味を探求していくことになるんだ。カップルになれるのか? 手を握り合えるのか? 性的関係を持てるのか? 前シーズンの間中、彼らがよりを戻すことを応援していた僕としては、そういうことを考えるのはすごく楽しいんだ。僕は根はロマンチックなんだよ。だからスタッフが「オーケー。じゃあ、試しによりを戻してみよう」と決めたことを支持していたし、どういうことになるのか、問題が出たらどうなるのかを見守っていきたいと思ったんだ。

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――本作の舞台はシアトルですが、同地でなくバンクーバーで撮影するのが最適だったと思われますか?

自分勝手なことを言わせてもらえば、僕にとってはバンクーバーで良かったな。美しい街だし、住むには最適なところだ。シアトルの代役としても素晴らしいしね。天候の点でも(どちらも雨が多いという点で)自然だし。シアトルに撮影スタジオがあれば同地で撮影することもできるだろうけど、バンクーバーですべてがうまくいっているから、シアトルで撮らなければいけない理由は思い当たらないな。

――バンクーバーのどんなところが素晴らしいのですか?

僕ら全員そうなんだけど、この街をすごく楽しんでいるんだ。僕の場合、ここで仕事をしながらいろいろなことができるし、家に帰りたくなればロサンゼルスまで数時間だしね。ビジネスの点から言っても、たくさんスタジオがあるから撮影がやりやすいんだ。そういう理由でバンクーバーは良い選択だと思う。

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――本作はコメディでありホラーでもありますが、どのようなトーンを持っていると思われますか?

トーンを定めるのは脚本家たちの仕事だけど、僕が第1話の脚本を読んだ時にとても感心したことがあるんだ。第1話では、そのドラマがどのような作品なのか見極めようとしているところがあるのが普通だ。登場人物たちがはっきりした意見を持っていないことは珍しくないし、その段階ではまだ俳優によって演じられていないから登場人物を置き換えることすら可能だし、成長して人格を形成させる時間もない。でもロブとダイアンは、その時点からそれぞれのキャラクターにはっきりした意見を持たせることに成功していたし、犯罪の最中やハラハラドキドキするシーンの最中に、場違いな陽気さが盛り込まれていたり、心和むラブストーリーがあったりしている。ということで、最初に渡された脚本の時点ですでに作品のトーンは出来上がっていたんだよ。

この作品の、いろいろなことが起きている状況の中でバランス良くユーモアを織り交ぜるところがとにかく好きなんだ。リヴを中心とした主要な物語の皮肉っぽく辛辣で自己を認識したようなトーンは最高だね。それに自分を重ね合わせることができるし、楽しめるから。彼女が経験することはありえないぐらい不条理だから、そう感じるのはおかしいんだけどね。それを笑う気持ちになるかならないかは人それぞれだけど、脚本家たちが決めたトーンのもとで僕らは日々取り組んでいるところだよ。

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――本作の原作はDCコミックスですが、例えば『THE FLASH/フラッシュ』の原作ほどは知られていません。そういう意味で、脚本家や俳優はある程度、登場人物たちに自分たちの好きな方向性を持たせることができるのでは?

その通りだと思うよ。僕はこのプロジェクトに関与することになった時にまず、馴染みのコミックブックストアに行って、原作コミックの最初の数巻を買い、メイジャーを探そうと夢中になってページをめくったのだけど、もちろん無駄だった。メイジャーは原作にはいないキャラクターだからね。じゃあラヴィをチェックしてみようと思い、再びページをめくってみたけど、彼も存在しない。実は原作ではグウェンとして知られるリヴ以外は誰も原作に出てこないんだよ。だから、僕らは自分の好きなように演じる余地がたくさんあるわけで、僕はそれが気に入っている。ページをめくっていって"わぁ、原作のメイジャーはこんななんだ"と思えたら素敵だろうけど、存在していないから、脚本家たちと僕とでこの人物を形作って生命を吹き込んだんだよ。

――本作と『ウォーキング・デッド』のどちらがお好きですか?

そんなのすぐ答えられるよ。『iゾンビ』の方がはるかに好きだ。『ウォーキング・デッド』は怖すぎるからね。

――もしあなたがゾンビが襲来する世紀末にいるとしたら、どういう準備をしておきますか?

諸君、電池をいっぱい用意しておくことだ。ガムテープもたくさん。そして、そんなところに居ないで、メイン州にでも行くことだ。どこか遠い場所へ行くんだよ。

<『iゾンビ』インタビューリレー>
【1】ローズ・マクアイヴァー(オリヴィア・"リヴ"・ムーア役)「毎週毎週食べる脳みそについて考えてるの」
【3】ラフル・コーリ(ラヴィ・チャクラバーティ役)「ラヴィにはダースベイダーのようにはなってほしくない」
【4】マルコム・グッドウィン(クライヴ・バビノー役)「ジョークを言わないのは実はすごく難しいんだ」
【5】デイヴィッド・アンダース(ブレイン・デビアス役)「あなたは大嫌いだけど死んでほしくない、とよく言われる」

『iゾンビ<セカンド・シーズン>』は、ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメントからDVDリリース中。
公式サイトはこちら

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Photo:『iゾンビ<セカンド・シーズン>』
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