米NBCが贈る法廷コメディ『Trial & Error(原題)』に、シーズン2が登場。大都市ニューヨークからサウスカロライナの田舎町に赴任した新米弁護士が、殺人のかどで起訴された地元のお嬢様を弁護する。贈賄、喫煙、記念写真と、法廷でもマイペースな被告人が印象的な、脱力系シチュエーション・コメディ。
■世間知らずのレディ、被告人席にご登場
弁護士のジョシュ(ニコラス・ダゴスト)は、サウスカロライナ州のとある町にやってきた新米弁護士。シーズン1で殺人事件の弁護のため赴任し、そのまま町に定住している。今シーズンでは、地元で有名なお嬢様ラヴィニア(クリスティン・チェノウェス)の車のトランクから夫の死体が。殺人罪で起訴された彼女をジョシュが弁護する。
2度目の殺人裁判に張り切るジョシュだが、彼の弁護団は残念すぎる顔ぶれ。アシスタントのアンネ(シェリー・シェパード)は肝心な時に薬の副作用で頼りにならず、警官のドウェイン(スティーヴン・ボイヤー)の頭のキレは肝心な時でなくとも鈍い。そして依頼主のラヴィニアは、法廷でパイプをふかし、弁護団を誘惑し、判事に現金を手渡すという自由すぎるご令嬢。彼女を追い詰める検察官のキャロル(ジェイマ・メイズ)は妊娠しており、その相手はジョシュかもしれないということで事態はさらに複雑に。次々と有罪の証拠が挙がるなか、空回りするジョシュとすれ違う関係者たちが何ともコミカルな人気シリーズ。
■チープなジョークに抱腹絶倒
『Trial & Error』の特徴を一言で言い表すなら、本気で作り込まれたおバカな世界。『THIS IS US』などの感動作品を連発するNBCにおいて、もっとも風変わりなドラマだと米Entertainment Weeklyはコメントしている。駄洒落やギャグなど体の力が抜けてしまうような笑い満載の本作。その人気の秘密は、入念に構成された脱力系ユーモアにあると指摘する。質の高い低俗なジョークという、不思議なスタイルを確立。また、風変わりな法廷コメディとしての顔が目立つが、その裏で、殺人事件にまつわるミステリーとしてもきちんと成立している。ラヴィニアがその手を血に染めたかは明かされておらず、視聴者はジョシュとともに真相を追うことに。
コメディ作品としての出来栄えには、米USA Todayも納得。昨今、重いテーマやダークな進行の作品が多いなかで、気軽に楽しめるシリーズだとしている。製作のジェフ・アストロフとマシュー・ミラーは、間抜けなジョークをスマートに仕立て上げる天才肌。プールで覗き見をするような使い古されたコメディシーンも、二人の手にかかれば笑いが絶えないと同誌は評価している。お馬鹿なくだりを不思議なバランスで仕込む製作陣こそ、この作品の原動力なのだろう。
■キャストはまさに、はまり役
シーズン1で登場した老紳士に代わり、今作では富豪のレディであるラヴィニアが被告人席に。個性派女優・クリスティンが演じるが、USA Today紙はまさに彼女のために作られたかのような役だと絶賛。クリスティンは小柄な体格を活かした笑いと愛らしさを振りまき、時に大げさに気絶し、時に机に横たわって陪審員たちと記念写真を撮るなど、自由すぎるお嬢様として個性を爆発させる。
前シーズンからジョシュ役を続投するニコラスも、大型の事件に奮起するフレッシュな弁護士を自然に演じている。誠実な態度と控えめな言動が目立つが、失敗を気にしない根っからの楽観主義者としての一面もみせる。ニコラスの繊細な演技はメディアから高く評価されている。
気軽に楽しめる法廷コメディ『Trial & Error』は、米NBCで現在シーズン2が放送中。(海外ドラマNAVI)
Photo:
クリスティン・チェノウェス(C)NYKC
ニコラス・ダゴスト(C)PF/FAMOUS