Amazon『トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン』、これまでとは違うジャックに注目!

8月31日(金)からAmazon Prime Videoにて配信中の『トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン』は、スパイ・スリラーの名手であるトム・クランシー(『レッド・オクトーバーを追え!』『今そこにある危機』)の小説を映像化した、Prime Originalドラマシリーズ。豪華製作陣が贈る本作は、人間ドラマの織りなす緊張感が好評だ。

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■デスクワーク専門のCIA職員、中東の最前線へ
データ分析を得意とするジャック・ライアン(ジョン・クラシンスキー)は、内勤専門のCIA分析官。いつものようにコンピュータに向かって資金と武器の流れを確認していたところ、不審な送金パターンを発見する。どうやらカネの行き着く先は、中東の活動家スレイマン(アリ・スリマン)。以前は無名だったものの、イスラム帝国の再興を理念に掲げ始めた彼は、次期オサマ・ビンラディンになろうかともいわれる危険な存在。

最近部署にやって来た新しい上司のジェームズ(ウェンデル・ピアース)とCIA本部長のネイサン(ティモシー・ハットン)は、ジャックの発見に懐疑的な見方を示す。しかし、訝しがる上司とともに調査を進めるうちに、アメリカとその同盟国を標的としたテロの危険が迫っていることが判明。分析技術を活かして見事スレイマンの居場所を絞り込んだまではよかったが、なんとデスクワーク専門のジャックに、現地への出向命令が下りてしまう。一介の分析官だったジャックは戦闘訓練を経て、ヨーロッパと中東を跨いだ大規模なミッションに駆り出される。

■ゼロから始めるチーム・ビルディング
尋問、チェイス、テロ攻撃の予兆など、緊迫したシーンの連続で楽しませてくれる本作。しかし、キャラクター劇こそ本シリーズの真骨頂だと米Hollywood Reporterは断言。部署のヘッドに就任したばかりの上司ジェームズは、スキャンダルで以前の地位を追われたことも影響し、ジャックと信頼関係が全くない状態。ともにスレイマンの足跡を辿り、その残虐な狙いを追うなかで、二人は不安定な絆を少しずつ確かなものにしてゆく。

軍医のキャシー(アビー・コーニッシュ)とジャックの関係に米Varietyは注目する。おとなしい性格にもかかわらず前線でタフな任務に就いているジャックを気に入った様子のキャシー。二人はやがて親睦を深め、オフの時間を一緒に過ごす関係になる。キャシーはジャックのことをわかりやすすぎる性格だと捉えているが、作戦の口外を許されていないジャックが身分を偽っていると気づいた上でのことだろうか。信頼できる仲間探しと、駆け引きのスリルにも注目したいシリーズだ。

■著名クリエーターが集結
原作小説は繰り返し映像化されてきたが、本作でも一流の製作陣とキャストが顔を揃える。これまで主役ジャック役は、アレック・ボールドウィンやハリソン・フォードなどの卓越した俳優が演じてきたが、近年ではより若手の男優が演じる傾向にあるとVarietyは指摘する。今回の配役もこれに沿ったもので、ホラー映画『クワイエット・プレイス』の監督・出演で一躍有名になったジョン・クラシンスキーが演ずる。どこか怯えたようなジョンは、内勤から突如現場に放り出されたCIA分析官の役にぴったりのイメージだ。

製作はカールトン・キューズとグレアム・ローランド(共に『LOST』)、パイロット版監督はモルテン・ティルドゥム(『パッセンジャー』)、本編監督はダニエル・サックハイム(『Xファイル』)と、スクリーンの裏側も粒揃い。

国境を越えたテロを題材にしたアクション作品は『24 -TWENTY FOUR-』x『HOMELAND』などの人気を追う形で量産されてきたが、なかにはB級との感想を禁じ得ないものもある、とHollywood Reporter誌は述べる。多くの場合、スターを起用しないことが原因で安物の印象に終わっていた。本作はブランド認知に秀でる才能が集結していると同誌は述べ、スパイ・スリラーという分野の中でも差別化に成功した作品だと評価している。

『トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン』はAmazon Prime Videoでシーズン1全8話を、独占配信中。(海外ドラマNAVI)

Photo:Prime Originalシリーズ『トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン』