ティーンエイジャーの魔女で、人間とのハーフの女の子といえば、全世界に根強いファンをもつ『サブリナ』だろう。原作漫画は日本でもアニメ化されたり、大人気となった実写コメディドラマ『サブリナ』を見ていた人も。そのサブリナが今回、少しダークになってNetflixに登場。製作総指揮には『リバーデイル』のクリエイターたちが名を連ねている。
■人間と魔女のハーフは第3の道を行く
主人公サブリナ(キーナン・シプカ)は、16歳の誕生日を数日後に控えた女子高校生。ボーイフレンドにも友人にも恵まれた彼女を悩ますものが一つだけある。それは16歳の誕生日の夜、自分の進路を決めなければならないこと。サブリナは魔術師の父親と人間の母親を持つハーフ。そのため、人間界に残るか、魔女の世界に行くのか、どちらかの道を選ばなければならなかった。
事故で死んだ両親の代わりに世話をしてくれている二人の叔母は魔女。そのためいったんは魔女として生きることを決めるサブリナだが、やっぱり人間の世界を切り捨てることができない。そして誕生日を迎え、真っ赤に輝く満月の下で行われた洗礼の儀式で、サブリナは第3の道を自分で切り開くことを決める。
■新しいサブリナ像を描く
本作のオリジナル版となるメリッサ・ジョーン・ハート主演の実写版『サブリナ』は、コメディに描かれていたが、Netflixオリジナルシリーズはダークなテイストとなっているのが特徴。
思慮深く少し几帳面な叔母のゼルダは、妹のヒルダの言動にイライラすると殺して埋めてしまう。サブリナは女子生徒をないがしろにする校長に思い知らせるため、校長の苦手な蜘蛛を彼の家に大量に送り込む。唯一のコメディ要素は明朗快活なヒルダの言動で、ドラマにかわいらしく笑いのスパイスを与えている。
『サブリナ:ダーク・アドベンチャー』を、「不気味」だと書くのは米Variety。魔女たちは人間を生贄にしたり、たまに食べたり、家族で鑑賞することができた昔の同名ドラマとはまったく異なることを、全体を通して度々思い出させられるとしている。一方で、古めかしい屋敷や60年代のような衣装で彩られた各シーンは、ほかのどのTVドラマにも見られない本作独特の世界を作り出すことに成功していると評価している。
また米USA Todayも、観ているうちにドラマの時代設定を忘れてしまいそうなタイムレスで時間の概念を超えるような感覚があり、ほかのドラマにはないシリーズ独特の個性を生み出していると書く。そして、次のエピソードへのフリや早めのストーリー展開は観る者を引き付け、最も評価するポイントとして、一つのエピソードにおけるストーリーのまとまりだという。
ときどき血が飛び散り、悪魔がささやき、墓の周りには幽霊が。やや恐ろしげなシーンが続く中、ちらほらと悪魔を意識したジョークやビンテージ写真から抜け出したような雰囲気もあるNetflixオリジナルシリーズ『サブリナ:ダーク・アドベンチャー』は、Netflixにて独占配信中。(海外ドラマNAVI)
Photo:『サブリナ:ダーク・アドベンチャー』
(c)Courtesy of Netflix