新人警官は40代! 『キャッスル』ネイサン・フィリオンの魅力全開の『The Rookie』

『キャッスル/ミステリー作家のNY事件簿』で高い人気を誇ったネイサン・フィリオンが、再び犯人たちを追い詰める。今度はミステリー作家ではなく、警察官として登場。米ABCと加CTVで放送中の『The Rookie(原題)』は、40代にして新米警官に転向した男の爽やかな警察ドラマだ。

■銀行強盗に巻き込まれ、新たな才能が開花
ペンシルバニア州の小さな田舎町。建設業に従事するジョン(ネイサン・フィリオン)が銀行を訪れたところ、強盗の現場に遭遇する。突然の出来事に一瞬慌てるものの、持ち前の機転を生かし、しどろもどろながらも強盗を説得。最近妻と別れたというジョンの身の上話に引き込まれた強盗は、次第に落ち着いた様子を見せるようになる。こうして地元警察が駆けつけるまで時間を稼ぎ、見事に身柄を引き渡した。

この出来事は、人生に行き詰まりを感じていたジョンに強烈な印象を残す。9ヶ月後、長年従事した建設業界を引退し、心機一転ロサンゼルスの街へ。真新しい制服に身を包んだ彼の胸には、ロス市警の警察バッジが輝いている。こうしてジョンは40代にして晴れてロス市警で最も年長の新人警官となった。

人生の再出発は順調で、能力を訝しむ警部(リチャード・T・ジョーンズ)からみるみるうちに警察のいろはを吸収し、やる気と応用力で活路を開いてゆく。同期には、署長の息子で成績優秀なウエスト巡査(タイタス・メイキン・Jr)と、新米婦人警官のチェン巡査(メリッサ・オニール)。ジョンのまったく新しい人生が始まる。

主演は『キャッスル』ネイサン・フィリオン

■好感度抜群の主人公
制服姿が似合うハンサムな主演俳優ネイサンは、ドラマの大きな魅力の一つ。気の利いた一言で笑いを振りまく、と米Los Angeles Timesは好感を抱く。上司である警部が「私がなぜこの仕事をしているのかわかるか」としかめ面で問うと、ネイサン演じるジョンは大真面目に「人間が好きだからですか?」と返答。ピントがずれた答えが笑いを誘う。生き生きとしたドラマであり、ネイサンの魅力は無視することができない。また、警官らしい勇敢な姿も見どころの一つ。人質の喉元にナイフを突きつける犯人を前にしたジョンは、「自分が警官になったのは人を助けるためであって、殺すためではない」と説得。犯人に向けた銃の引き金を引かせないでくれ、と語りかける。

もう一つの放送国カナダのGlobe and Mailも、ネイサンの魅力を取り上げている。好感の持てる主演男優と魅力の滲み出るストーリーにより、人気は確実だと分析する。カナダ人俳優のネイサンは、前掲の『キャッスル』のほか、コメディ・ドラマ『モダン・ファミリー』の気象予報士レイナー役でも知られている。同メディアは彼の演じる主人公の強さと才能が物語の中核になっていると讃えている。

■気軽なシリーズ
以前出演した『キャッスル』は本格派の推理ドラマだったが、本作『The Rookie』は気軽に観られる作品だ。Los Angeles Timesは、刑事ものとしてはお馴染みのシーンが多いとコメント。たびたび挿入されるボディカメラの映像や、勤務明けにカラオケになだれ込む警官たちなど、ジャンルのファンであればよく目にするであろうシーンが詰め込まれている。婦人警官の生きづらさなど、シリアスなテーマも一部導入するものの、基本的には気軽に見ることのできるシリーズだ。

あまり深遠な背景のある作品ではない、と指摘するのは米Globe and Mail。ほとんどのプロットに深いバックグラウンド・ストーリーが感じられない点を不満として挙げている。と同時に、この秋もっとも待望のドラマだとも評価。カナダの放送局CTVはかなり積極的な宣伝を展開しており、放送局としてもイチ押しの作品になっているようだ。

ネイサンの制服姿が眩しい『The Rookie』は、米ABCと加CTVで放送中。レビュー中に触れた『キャッスル/ミステリー作家のNY事件簿』に興味のある方は、HuluまたはAmazon Primeで日本でも視聴可能。『キャッスル/ミステリー作家のNY事件簿』詳細はこちら(海外ドラマNAVI)

Photo:『The Rookie』
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