米CWで10月下旬から、超常現象ファンタジー『Legacies(原題)』の放映が始まった。本家『ヴァンパイア・ダイアリーズ』シリーズの人気を受けた、スピンオフ(『オリジナルズ』)のさらにスピンオフという珍しい位置付けのドラマだ。最強のヴァンパイア・クラウスと人狼・ヘイリーの間に生まれた娘・ホープが17歳に成長。全寮制の超能力学校の仲間とともに、ホラー寄りだったシリーズに青春ドラマの新要素を吹き込む。
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♦ようこそ、超人学校へ
本家『ヴァンパイア・ダイアリーズ』のプロデューサーでもあるジュリー・プレックの指揮の下、本作は『オリジナルズ』終結から数年後の世界を描く。身体に異変を感じている少年・ラファエル(ペイトン・アレックス・スミス)が教会に相談に行くと、そこで行われた儀式により、狼人間という真の姿が暴かれる。
彼の能力を知ったアラリック(マシュー・デイビス)とホープ(ダニエル・ローズ・ラッセル)は、その潜在的なパワーを高めるため、アラリックが運営するサルヴァトーレ校にラファエルを入学させる。教会に同行していたランドン(アリア・シャガセミ)も一緒だ。若き能力者を育てるこの学校は、ヴァンパイア、魔女、そして人狼に重点を置いた全寮制の養成機関。不運にも何の能力も持たないのに学校を訪れてしまったランドンは、記憶を抹消されることになる。しかし彼とホープとの間には、ある強い思い出が。それが彼の守り神となり、洗脳を阻むのだった。
♦シリーズに新風
ファンタジー作品として人気を博してきた『ヴァンパイア・ダイアリーズ』シリーズは、今回のスピンオフで、学園ドラマという新たな領域への船出を試みる。全寮制の超能力学校という魅力的な設定は、ハイスクール・ドラマの世界にどっぷりと浸る上でこれまでになかったような方法だ、とIGNは二つのジャンルの融合を歓迎。 学校生活が友情ドラマと恋愛のパートを一層引き立てており、さらに超能力も楽しめるという嬉しいボーナスが付く。30代の俳優が17歳役で出演するような無理のあるドラマとは違い、本作では実年齢に非常に近い役者たちが揃う点も大きなポイントだ。
ホグワーツ魔法学校のようだと述べ、『ハリー・ポッター』シリーズになぞらえて紹介するのは米Hollywood Reporter。本作にも、ほうきで飛ぶ競技「クィディッチ」に似たスポーツシーンが盛り込まれていたりと、影響が随所に感じられる。両作ともワーナー・ブラサースによる配給だが、もしそうでなければこのような大胆なオマージュは難しかったのではないか、と同誌は述べる。人気シリーズのスピンオフでありながら別作品の要素も意欲的に取り入れた、何とも贅沢な構成になっている。
♦ファン必見のスピンオフ
超人の卵たちが続々登場する本作は、多彩なキャラクターに目を奪われる。アラリックの二人の娘・ジョシー(ケイリー・ブライアント)とリジー(ジェニー・ボイド)、ポップ・カルチャーに感化されたという変わったヴァンパイアのMG(クインシー・ファウス)、悪魔のような魅力と自ら公言するペネロペ(ルール・アンタリクサ)など、興味深い面々をHollywood Reporterは紹介している。
これらのキャストは、実は前作『オリジナルズ』から大きく刷新されている。とはいえ、あらすじを要所要所で振り返る親切な進行のおかげで、たとえシリーズ初見であっても問題なく観ることができる、とIGN誌は述べている。旧来からのファンにとっては、高校での学園ドラマという新要素が嬉しい。出だしとなる第一話から、新旧を問わずすべてのファンがシリーズに戻ってくるに足る理由を与えてくれた、と記事は述べている。
能力者たちの一風変わった青春ファンタジー『Legacies』は、米CWで放送中。本家『ヴァンパイア・ダイアリーズ』は、Amazon Prime Video、Huluで一部シーズンを配信中。(海外ドラマNAVI)
Photo:『Legacies』
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