『アウトランダー』シーズン4、舞台はついに新大陸へ! 二人の愛を冷酷な現実が阻む...

時を超えた愛の物語『アウトランダー』にシーズン4が登場。20世紀の看護師であるクレア(カトリーナ・バルフ)には、フランク(トビアス・メンジーズ)という夫が。しかし、タイムスリップした先の18世紀の世界で、勇敢な戦士ジェイミー(サム・ヒューアン)と運命の恋に落ちる。イギリスからアメリカに舞台を移したシーズン4が、米衛星チャンネルStarzで11月4日(日)から放送が始まった。

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♦アメリカ生活の幕開け

シーズン3でクレアは一度現代に戻るも、ジェイミーを追い求めて再び18世紀に帰還。二人はともに新大陸を目指し、命の駆け引き、政治的な策略、そして猛烈な嵐などの苦難を経て、ついにイギリスの植民地となっているアメリカに上陸した。

今シーズンで二人は自宅を建設し、現地のコミュニティの一員になろうと努力する。決して好んで大陸に溶け込んだわけではなく、アメリカの土地に馴染んだほうが将来的に得策であるという算段によるもの。クレアの冷静な判断が効いている。

シーズン冒頭では、二人の間に久々に水入らずの時間が流れる。「私が死んでも、心はずっとお前のものだ」とジェイミーはクレアに囁き、「何も失われないし何も変わらない」と付け加える。まるで熱力学の第一法則のようね、とおどける化学好きのクレア。二人はそのまま熱い愛を交わし、幸せな時間は永遠に続くと思われた。しかし粗野な現地人との生活は、盗みや裏切りとの闘いを意味するのだった。

♦「理由なんてない」愛とロマンスの世界

新大陸に生活の場を移した二人に、邪悪な影が迫るシーズン4。しかし、そこにはいつも愛という灯火がともっている、とカナダのメディアGlobe and Mailは綴る。古い歌にあるように、「愛には季節は関係ないし、理由なんてないもの」という言い回しがまさにぴったりだと例える。そしてクレアのユニークな性格にも注目。危機に陥るたびに強くなってきたクレアは、従来のラブストーリーでは描かれてこなかったタイプのキャラクターだと分析している。タフなハートを持った科学者気質のクレアが、リーダータイプだが愛するものには忠実なジェイミーと惹かれ合うという、ユニークな愛の物語になっている。

そんなクレアを演じるのは、もはや役と一体化したとも言えるカトリーナ。思慮に満ちたワクワクさせるような演技だ、と米RogerEbert.comは述べている。日常のさりげない動作を通じてクレアの暮らしを表現している、と同メディアは評価。ヤギに餌をやったり、患者の世話をしたり、夫に愛情を注いだりといった、細かな仕草にも注目したい。

♦苦難の先に待つ「とびきりの理由」

冒頭では二人だけの時間を楽しむクレアとジェイミーだが、その幸福は長くは続かない。シーズン半ばまでを先行して視聴したRogerEbert.comは、今シーズンも二人を混沌が襲い、その多くは死とトラウマに由来するものであると予告している。美しい宣材写真のイメージを裏切るかのように、そこに漂うのは漆黒の闇の気配。あるときはジェイミーと甥のイアン(ジョン・ベル)が性的暴行によるトラウマを克服するため、深夜の墓地への外出を強いられるくだりも。ほかにもシーズンを通じて悲しみと喪失感に満ちたストーリーになっている。

こうした精神的な痛みに加え、Globe and Mail紙は物理的な暴力を取り上げている。ジェイミーとクレアを取り巻く人物たちはみな粗暴で、盗みや裏切りなどは日常茶飯事。彼らの品性は残虐な公開処刑のシーンが象徴している、と同メディアは評する。クレアとジェイミーは泥にまみれ、雨に打たれ、そして貧しさと絶望に試される。しかし暗闇の先には輝かしい愛の物語が待ち受けているものだ、とも語る。「愛には理由なんてないもの」というセリフを受け、とびきりの理由に満ちた愛が待っているはず、と明るい結末に期待を寄せている。

18世紀アメリカに舞台を移したロマンス『アウトランダー』シーズン4は、米Starzで放送中。日本ではNetflix、Huluなどでシーズン1から3までを視聴可能。『アウトランダー』過去シーズンの見どころはこちら。(海外ドラマNAVI)

Photo:『アウトランダー』シーズン3
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