『暁に祈れ』新星ジョー・コールが放つ、これぞ狂犬の色気!"ポスト"トム・ハーディの評価も納得の熱演に迫る

人生の再起をかけて渡ったタイで薬物に溺れ、汚職や殺人が蔓延し"地獄"と呼ばれる実在のタイの刑務所に服役し、ムエタイでのし上がっていったイギリス人ボクサーの自伝ベストセラー小説を完全映画化した『暁に祈れ』が、12月8日(土)より全国公開となる。本作で、ボクサーを演じるために何か月もの肉体改造のすえ鋼の肉体を手に入れ、孤軍奮闘する主人公ビリーを熱演するのは、『ピーキー・ブラインダーズ』のシェルビーファミリーの三男ジョンことジョー・コールだ。

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ダニエル・クレイグ、コリン・ファース、ダニエル・デイ=ルイス、ヘレン・ミレンなどを輩出した名門ナショナル・ユース・シアターで演技を学び、スクリーン・インターナショナルのスター・オブ・トゥモローに選ばれた実力を持つジョーは、傑作エピソードと評される『ブラック・ミラー』シーズン4第4話「Hang the DJ」や英国アカデミー賞受賞のTVシリーズ『スキンズ』などのドラマや、『グリーンルーム』、『きみへの距離、1万キロ』といった映画、舞台出演も多数...と、途切れることなく精力的に作品出演が続く、イギリスで最も今後の活躍が期待されるキングストン出身の俳優。ちなみに、5人兄弟の長男で4番目の弟フィル・コールも『ピーキー・ブラインダーズ』に出演している。

そんなジョーが本作のビリー役に選ばれた大きな理由の一つをジャン=ステファーヌ・ソヴェール監督は「ビリー・ムーア本人にも通じる繊細さと暴力性の両方を持っているように感じられたことと、英国の中流階級のような雰囲気もあわせ持っていたからです」だと語っている。映画には刑務所でムエタイ選手としてのし上がっていくビリーの試合のシーンが度々登場するが、監督の強いこだわりにより、撮影においてジョーはじめ出演者はカットをかけられることなく実際に戦ったという。さらに、出演者のほとんどがごまかしのきかない実際の元囚人であることも、俳優として大きなチャレンジとなった。

監督は、「役者というものは、自分の演じるキャラクターに隠れてしまいがちですが、ジョーは、この現場で感情的にも肉体的にも自分の一部を捧げなければなりませんでした」と、彼の現場での並々ならぬ苦労を代弁する。その上で、「ジョーには本当に感銘を受けました。彼は私を信頼し、自分を本当にプッシュしてくれました。私がプロの俳優を起用する時は、自分が持っているものを全面的に演技に出してくれることを期待しますが、それは、試合に臨むボクサーも同じかもしれないですね」と最大級の賛辞を送っている。

そんな繊細かつ激しいアクションという"全身全霊"の熱演を見せつけ、本作で2018年英国インディペンデント映画賞の主演男優賞にもノミネート(結果発表は12月2日)。また、本作を観た女性ライターたちからも、その"色気"にノックアウトされたという声も少なくないジョーは本日11月28日で30歳を迎える。俳優として飛躍の30代、『ピーキー・ブラインダーズ』新シリーズでの続投や、トム・ヒドルストン主演『ハイ・ライズ』などの鬼才ベン・ウィートリー監督の新作「Happy New Year, Colin Burstead(原題)」など、意欲的な作品への出演が続く今後のキャリアに注目したいが、まずは『暁に祈れ』でその圧倒的な男の狂気に触れてほしい。

『暁に祈れ』は、12月8日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷&有楽町、シネマート新宿ほかにて全国公開。(海外ドラマNAVI)

Photo:『暁に祈れ』
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