『TRUE DETECTIVE』シーズン3、マハーシャラ・アリの役は当初白人俳優で設定されていた

ニック・ピゾラットが書き下ろした渾身の脚本と、主演したマシュー・マコノヒー&ウディ・ハレルソンの演技が高い評価を得たシーズン1となる『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』。そのシーズン3で主人公ウェイン・ヘイズ刑事を演じるのは、映画『ムーンライト』でアカデミー賞助演男優賞に輝いたマハーシャラ・アリだが、なんとこのヘイズ刑事は白人俳優向けに書かれたものだったという。

米Varietyのインタビューに答えたマハーシャラは、このシーズンの主軸となるアーカンソー州のヘイズ刑事が白人で、もう一人の刑事がアフリカ系という設定だったことを理解していた上で、ショーランナーを説得しアフリカ系である自分がヘイズ刑事を演じることになったと語った。

「脚本を読んだんだよ。最初の4話分に目を通したんだが、素晴らしくて仰天したよ。二人目の刑事、つまりアフリカ系の刑事の方を演じることもできたんだが、心の中でこう思ったんだ。"助演はもう長年ずっとやってきた。主演はやったことがない"とね。その時40歳だったし、"今主演をやらないと、この先ずっとできないかもしれない"と思ってね。それに私の祖父は、州警察の警官だったんだ。そしてこの作品の主人公は州警察の二人だ。だから、いとこや親戚に電話をかけて、祖父の警察時代の制服姿の写真を送ってもらったんだ」と、その写真をショーランナーのピゾラットに送り、"見てくれよ。60年代も70年代も、アフリカ系の州警官は存在したんだよ。これはアーカンソーだよ"とメッセージしたという。

「"いい脚本だけど、もし主演のヘイズ役がアフリカ系だったらもっとストーリーが良くなると思うんだ"とニック(ピゾラット)に言ったんだよ。人種差別は、差別用語だけではないだろう。それよりも、目を見てくれない、ささっとありがとうと言って逃げ出していくというような日常の些細な人々の行動が差別的なことでもあるんだ。だから、例えば白人の容疑者が、アフリカ系の刑事に質問されても目を合わせず、サブの白人の警官の方の目を見て答えるというようなことが起こりえて、そういう方が面白い内容になると言ったんだよ。そしたら、数日してからニックが、"いいよ、やろうじゃないか"と返事をくれたんだ」と、元は白人のキャスティングの予定だったが、熱意を持ってアフリカ系の自分の変えてもらえるようにショーランナーを説得して得た役だったことを語った。

そんなシーズン3は、3つの異なる時代が同時に進行する形で、年を追うごとに深まる事件の謎が描かれるという。マハーシャラのほかに、もう一人の主人公となるアメリア・リアドン教師役にカーメン・イジョゴ(『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』)、二人目の州警察ローランド・ウェスト刑事役にスティーヴン・ドーフ(『ブレイド』)がキャスティングされている。

『TRUE DETECTIVE』シーズン3は、米HBOにて2019年1月13日(日)より放送スタート。日本では、『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』と『TRUE DETECTIVE/ロサンゼルス』がAmazon Prime Videoで配信中。

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(海外ドラマNAVI)

Photo:マハーシャラ・アリ
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