2017年8月にアメリカでスタートしたFacebookの動画サービス「Watch」の利用者が、全Facebookユーザーの5パーセントであることが明らかとなった。米Varietyが報じている。
Facebookが発表した統計によると、世界における4億人以上ものユーザーが、これまでに最低1分はFacebook「Watch」を視聴したことがあるとのこと。世界規模で「Watch」のサービスが開始される前に、米国内における同サービスの利用者が5000万人だったことを考えると、かなりの増加だと言えそうだ。
さらに"毎日"となると、7500万人が1日に最低1分は「Watch」を開き、平均で約20分鑑賞していることも明らかになっている。とはいえ、毎日Facebookにログインしているアクティブ・ユーザーは15億人にもなり、7500万人は全体の5パーセントにしか相当しない。
公式の軽量版アプリ「Facebook Lite」もリリースされ、今年8月に「Watch」の世界展開開始を発表したFacebookにとって、コンテンツの充実が今後の課題だろう。グローバル・クリエイティブ戦略部門で責任者を務めるリッキー・ヴァン・ヴィーンは、米MTVのリアリティ番組『Real World(原題)』をリブートさせ、アメリカとメキシコ、タイでご当地版を製作すると発表。また、ペットのコンペティション番組『World"s Most Amazing Dog(原題)』を含む、オーディション番組の企画も進めているという。
脚本が存在する番組とリアリティ番組を委託し、19名から成るチームを監修しているヴィーンは、「我々は、現在取り組んでいる企画を倍増させていくつもりです」とコメント。ヴィーンによると、シーズン2へ更新が決定したケリー・ワシントンが手掛ける『Five Points(原題)』と、エリザベス・オルセン主演『Sorry for Your Loss(原題)』、ヤングアダルト作家、ステファニー・オークズの処女作をドラマ化した『Sacred Lies(原題)』、美容ブランド"Huda Beauty"のCEOとなったカリスマ美容家フーダ・カタンの素顔を描くリアリティ番組『Huda Boss(原題)』の視聴者数に現時点では満足していないとのことだが、番組の配信によりコミュニティを築くことを目指しているという。
「更新した4シリーズには、ユーザーを結ぶ基盤があります。これらの番組は、Facebookで配信されているからこそ良いのです。陳腐に聞こえるかもしれませんが、Facebookはソーシャルメディアです。よって、SNSで結ばれる要素を入れることで、番組にまつわる会話に火をつけてコミュニティを築きくことが鍵となるのです」と、Facebook「Watch」が狙うところを明確にしている。
そして、夫を亡くした主人公が悲しみを乗り越えていく『Sorry for Your Loss(原題)』でクリエイターを務めるキット・ステインケルナー(『ゼルダ ~すべての始まり~』)は、「Watch」で番組を製作する特異性を実感しているようだ。「シリーズに感情移入した視聴者が書き込んだコメントや投稿を見ることは、私の人生において最も意義ある体験になっています」と、SNSで配信される番組だからこそ、よりユーザーや視聴者が結びつき合えると述べている。
続けて、カルト集団から逃げ出した少女を描くサスペンスドラマ『Sacred Lies』でショーランナーを務めるラエル・タッカー(『トゥルーブラッド』)は、「何千人もの人がネット上で、これほど一緒になってポジティブに応援してくれる現象を見たことがありません」とコメントしている。
さらに「Watch」の番組ラインナップは、若年層にアピールするコンテンツを揃えるよう考えられているとのことで、三兄弟をプロバスケ選手に育てた父親ラバー・ボールを追うリアリティ番組『Ball in the Family(原題)』のターゲットは35歳以下のユーザーに。そして、前述の『Huda Boss』は、18歳から24歳者層に狙いをつけているそうだ。
その他にも『GOTHAM/ゴッサム』のジェイダ・ピンケット=スミスのトーク番組『Red Table Talk(原題)』や、メジャーリーグ・ベースボールのライブ中継など、番組は多岐にわたっている。(海外ドラマNAVI)