『メリー・ポピンズ リターンズ』リン=マヌエル・ミランダ、NYの書店を買収して救う

パメラ・L・トラヴァースの小説「メアリー・ポピンズ」を基に1964年に公開され、第37回アカデミー賞13部門ノミネート&5部門で受賞を果たした映画『メリー・ポピンズ』のその後を描く最新作『メリー・ポピンズ リターンズ』。同作で、街灯点灯夫でメリーの古くからの仲間の一人、ジャックを演じているリン=マヌエル・ミランダ(『ママと恋に落ちるまで』)が、NYの本屋を店じまいから救うために買収したことが明らかになった。米NY Timesが報じている。

ディズニーアニメ『モアナと伝説の海』では作曲&歌を、アメリカでは社会現象にまでなった大ヒットブロードウェイミュージカル『Hamilton』にて楽曲・脚本・主演を担当したリン=マヌエルは、タイムズスクエアそばのシアター・ディストリクトにある本屋「Drama Book Shop」を、『Hamilton』の友人3人と共に買収した。

買収による救済を申し出たのは、『Hamilton』ディレクターのトーマス・ケイル、プロデューサーのジェフリー・セラー、ネダーランダー劇場のジェームズ・L・ネダーランダー、そしてリン=マヌエルの4人。1917年に創業し、100年もの歴史を持つこの本屋は、楽譜や舞台関係の本を多く取り扱っており、商品の数は15万5000点以上。ファンの多いこの歴史ある書店は、マンハッタンの土地の高騰により値上がりした家賃を支払う余裕がなく、店主が高齢ということもあり、仕方なく現店舗を閉じることを発表していた。

この救済措置はNY市とリン=マヌエルらの共同事業となり、目的はこの貴重な書店が存続すること。NY市長のメディア&エンターテイメント・コミッショナーのジュリー・メニンは以下のようなコメントを発表。「"Drama Book Shop"はNY市の宝であり、文化施設です。必ず救済します」

現在の店舗を1月20日(日)に閉じ、その後はまだ住所は明らかにされていないが、ミッドタウンの新店舗で営業を続けるという。リン=マヌエルは、「高校生の時、この本屋に来てはよく本を読んでいた...買うお金はなかったんだけどね。大学を卒業して、トーマス・ケイルとこの本の地下で会って、ミュージカル『イン・ザ・ハイツ』の大部分をここで書いたんだ。ここは我が家のようだものだよ。家賃が上がると聞いた時、なんとかする時が来たと思って、救済計画を立てたんだ」と、若かりし頃から世話になった書店「Drama Book Shop」への想いを明かした。

そんなリン=マヌエル出演の映画『メリー・ポピンズ リターンズ』は前作から20年後を描いたもの。バンクス一家を救うメリー・ポピンズのように、リン=マヌエルも大事な書店を救済できそうだ。

『メリー・ポピンズ リターンズ』は2月1日(金)より全国ロードショー。(海外ドラマNAVI)

Photo:『メリー・ポピンズ リターンズ』
左からリン=マニュエル・ミランダ、エミリー・ブラント、ロブ・マーシャル監督
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