スティーヴン・キング「ザ・スタンド」、幼少期に恩恵を受けた『きっと、星のせいじゃない。』の監督によってドラマ化へ

"モダン・ホラーの帝王"とまで言われるスティーヴン・キングの原作が続々と映像化されて人気を博している昨今。映画『IT/イット "それ"が見えたら、終わり。』や、ミステリー・スリラードラマ『ミスター・メルセデス』に続き、新たなキングの世界がTVドラマ化されることがわかった。米Deadlineが報じている。

今回の新作は、キングが1978年に発表したホラー小説「ザ・スタンド」を原作とするドラマ『The Stand(原題)』。米CBSの配信サービスCBS All Accessが10話構成で製作する。

同作は、カリフォルニアにある米軍の細菌兵器研究所が舞台。そこで実験されていたあるウイルスが流出してしまい、研究所を抜け出した門番によって世界に広まってしまう。感染率99パーセントという恐るべきウイルスの蔓延する世界で、人間の善と悪が入り乱れる。そんな中で人類の運命は、108歳のマザー・アバゲイルと彼女の周りに生き残りに人間たちの腕にかかってくるというストーリー。

ジョシュ・ブーン(『きっと、星のせいじゃない。』)とベンジャミン・カヴェル(『SEAL Team/シール・チーム』)の二人が脚本と製作総指揮を務め、ブーンが監督も担う。

キングは、今回のドラマ化について、以下のようにコメントを発表した。「「ザ・スタンド」に新たな命を吹き込まれることをとても嬉しく思っています。脚本はとてもダイナミックで、製作関係者スタッフは、何をどうするべきか本当によくわかっておられます。ドラマ版は記憶に残る、スリリングなものとなるでしょう。視聴者の皆様はきっと、"こんな世界にならないでいてほしい"と思うようになるでしょう」

また、ブーンは本作に対する意気込みと自身の幼少期について述べた。「12歳の時にベッドでこっそり「ザ・スタンド」を読みました。でもキリスト教バプテスト信者の両親は、その本を見つけたとたん、暖炉でそれを燃やしたのです。激怒した私は、父のフェデックスアカウント番号を盗み、キング氏にファンレターを送りました。すると数週間後、メイン州から何かが我が家に届いておりました。郵便受けには、キング氏本人から手書きメモ付きの小説がいくつも入っていたのです。キング氏は、何かを書くことを私に奨励し、そしてファンでいてくれてありがとうと書いてありました。私の両親はそんな彼の好意を目の当たりにして、その日からキング作品を読んでもいいことにしてくれたのです」

続けて、「私の最初の作品には、キング氏にカメオ出演してもらいました。「ザ・スタンド」に関しては5年ほど製作の構想を練っています。そしてCBSとカヴェル、キング氏という素晴らしいパートナーらと共に、彼の最高傑作のドラマ化を計画しているのです」とコメントした。

ブーンが言うように、このプロジェクトは何年もの間、構想が練られていた。1994年に『ザ・スタンド』のタイトルで、TVミニシリーズとしてゲイリー・シニーズ(『CSI: ニューヨーク』)やキャシー・ベイツ(『アメリカン・ホラー・ストーリー』)、エド・ハリス(『ウエストワールド』)出演ですでに映像化されている。

CBSオリジナルコンテンツのジュリー・マクナマラ上級副社長は、「世界中で400万冊以上も刊行した、現代最高の小説家スティーヴン・キングの「ザ・スタンド」は、彼の著書の中でも最高傑作と言われているものです。多くのファンが、現代風にアレンジされた同作を待ち望んでいることでしょう。キング、ブーン、カヴェルらと共にこの素晴らしい原作を映像化できることを光栄に思っています」と述べた。

CBS All Accessは、『The Good Fight/ザ・グッド・ファイト』やリバイバル版『トワイライト・ゾーン』、そして『スター・トレック:ディスカバリー』など多くのオリジナルコンテンツに力を入れており、同サービスの加入者数も伸びているという。『The Stand』の詳細に関して、新たな情報が入り次第、お伝えしていきたい。(海外ドラマNAVI)

Photo:キング作品に頻繁に登場する架空の町が舞台の『キャッスルロック』
(c)Warner Bros. Entertainment Inc.