「ユミコが日系なのは大きな意味があるの」『ウォーキング・デッド』エレナー・マツウラ（ユミコ役）インタビュー

シーズン9後半がFOXにて2月11日（月・祝）から始まる『ウォーキング・デッド』。シーズン前半で6年の歳月が経ったり、"囁く（ささやく）者"という新たな脅威が現れたりする中、シリーズを通して大きな転換点となった第5話「清算」で初登場したキャラクターの一人、ユミコを演じるエレナー・マツウラを直撃！　クロスボウの使い手であり冷静沈着なキャラクターの魅力や役作り、シーズン9後半の見どころについて語ってもらった。

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――本作出演にあたってオーディションテープを作って送り、その後ショーランナーのアンジェラ・カンとスカイプで話したそうですね。テープの内容はどんなものだったのですか？　そしてアンジェラとはどんなことを話したのですか？

送ったテープは本作とは何の関連もないシーンだったの。『ウォーキング・デッド』のストーリーラインというわけではなかったけれど、キャラクター（ユミコ）の要素は含まれていたわ。それがアンジェラたちに気に入ってもらえて、私がロンドンにいたから、スカイプミーティングを行うことになったの。

アンジェラはシーズン9でスコット（・M・ギンプル）からショーランナーを引き継いだんだけど、本作がこれから向かう先、リックが去った後、新しいキャラクターたちとともにどんなことがしたいかを教えてくれたの。私が演じることになるキャラクターについても、それまでのバックグラウンドなどを説明してくれたわ。そして、このキャラクターにどんなものをもたらしてほしいと思っているかも。細かいところまで話し合って、とても素晴らしいミーティングになったわ。

――ユミコはどんなキャラクターですか？

彼女は戦士であり保護者よ。そして思慮深くもあるし、冷静さを失わないの。恋人であるマグナ、そして仲間に対してとても忠実よ。彼らのことを家族と思っているから。長い間、行動を共にし、力を合わせて生き延びてきたから、ユミコは彼らを守るためなら何でもするの。戦いの最前線にも身を投げ出すし、必要であればルールを破ることも厭わないのよ。

――原作コミックのユミコについてリサーチしましたか？

コミックに出てくるキャラクターになれるなんてとってもクールよね。もちろん原作は読んでみたわ！　ただ実のところ、原作とドラマにおけるキャラクターたちの人生は大きく異なっているのよね。撮影が進めば進むほどドラマ独自のキャラクターとして作り上げられていくので、最近は原作を読んでいないの。でも、コミックの世界がどうなっているのかをチェックしてみるのは今でも楽しいわ。

――本作に出る俳優はみんなアクション技能を必要とされるでしょうし、ユミコに関してはさらにクロスボウの使い手でもありますが、そうした肉体的なタスクのためにどんな準備をしたのですか？

役を得た後、すぐに撮影地であるジョージア州のアトランタへ向かったの。あまり時間がなかったから、着いたらすぐ仕事にかかったわ。武器について指導してくれる素晴らしいコーチがいて、クロスボウのクールな使い方などいろんなことを教わったの。今も学んでいる途中よ。私自身はクロスボウのエキスパートとは言えないけど、ユミコも同じで、アポカリプスの間にクロスボウを見つけて独学で使い方を学んだんじゃないかしら。だから私の訓練は、エキスパートになるためというよりもクロスボウに慣れるためのものなの。

――原作コミックではあなたのキャラクター、ユミコは日系アメリカ人ですが、ドラマ版のユミコは英国のアクセントでしゃべっているので、日系英国人だと思われます。本作に出てきた他の英国人俳優たち、例えばリック役のアンドリュー・リンカーン、ジーザス役のトム・ペインなどはアメリカ英語を話していましたが、あなたのキャラクターはどういう経緯で英国人になったのですか？

ユミコの出自についてはアンジェラとかなり話し合ったわ。ユミコが日系であるというのは、コミックにおいてもドラマにおいても大きな意味があるの。私自身が日系英国人なんだけど、アンジェラは私のそのバックグラウンドやアクセントにとても興味を持ってくれて、それを維持することになったわ。

ユミコとともに登場した新キャラクターのマグナ、コニー、ルークたちはそれぞれ別のところから来ているの。マグナ役のナディア・ヒルカーがドイツ出身でそのアクセントで話しているように、アンジェラは私たちを国際的なグループにしたいと考えたのよ。番組をより進化させるためにね。だから私も英国のアクセントで話すことになったの。

アメリカ英語ももちろんいいけど、そういう考え方はクールだと思うわ。『ウォーキング・デッド』には英国俳優が何人も出ているけれど、英国訛りでしゃべる人は稀だったので、今回英国人として出演できて良かったと思う。

――あなたは過去に『SHERLOCK／シャーロック』や『ダ・ヴィンチと禁断の謎』『バッドランド　～最強の戦士～』などのTVドラマに出演していますが、世界中で大人気の『ウォーキング・デッド』に出たご感想は？

すごくクレイジーだった。実は『ウォーキング・デッド』を見たことがなかったから、出演が決まった後で4週間かけて過去8シーズンをイッキ見したの。いろんな人がこの作品の素晴らしさや愛される理由について語っているけど、実際に参加することになってその人気の高さを実感したわ。私は幼い子がいる母親だし他にも仕事があるので何度か英国に戻っているんだけど、とても楽しかったし、すごく勉強になったので、もっとやりたいわ。

――シーズン9の後半が2月上旬から日米で始まりますが、今後の見どころを可能な範囲で教えてもらえませんか？

ネタばれは禁止されているんだけど、シーズン9の前半ではたくさんの新キャラクターが登場して、それまでとは違った方向へ進んでいったでしょ？　後半も期待を裏切らない出来よ。とても魅力的なキャラクターたちが出てくるわ。演じる人たちも凄いの。サマンサ・モートンがアルファという役で登場するわ。とても重要な役よ。彼女が素晴らしい俳優であるだけじゃなく、すごく怖い役なの！　今後の展開は信じられないくらいダークでかつ素晴らしいから、ぜひ楽しんでほしいわ。

エレナー演じるユミコらの活躍も気になる『ウォーキング・デッド』シーズン9後半は、FOXにて2月11日（月・祝）22：00より日本最速放送。