『グッド・ワイフ』の政界版!働くママが頑張る『マダム・セクレタリー』

専業主婦だったものの州検事の夫が逮捕されたことから弁護士に復帰して奮闘することになる女性の姿を描いた人気リーガルドラマ『グッド・ワイフ』は、日本でもリメイクされたため知っている人も多いだろう。同作が好きな人にぜひオススメしたいのが、その政界版とも言える『マダム・セクレタリー』だ。

本作の主人公は、かつてCIAでエリート分析官として働いていたエリザベス・マッコード(通称べス)。あることを機に政界から去り、夫や子どもと一緒に穏やかに暮らしていた。しかし、国務長官が事故死したためCIA時代の元上司でもある大統領から後任に指名され、予期せぬ形で政界へ戻ることに。突然の復帰、しかもアメリカ合衆国政府の中枢で大役を任されたことから政治的な駆け引きや任務上の慣習に戸惑ったり悩みながらも、ベスは持ち前の正義感と強い信念で様々な外交問題を解決していく...というストーリー。

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素質はあるもののブランクがあり、家庭との両立に苦労する点は、『グッド・ワイフ』の主人公アリシアに通じる。また、一話完結型で毎回多彩な問題を扱い、それぞれの案件がリアリティと人間ドラマに満ちているところも同じだ。ただし、主人公を裏切っていた『グッド・ワイフ』の夫に比べて、伴侶が頼れる存在なのは大きな違い。ベスの夫ヘンリーは大学教授で、機密ゆえにすべてを話すわけにはいかない妻の仕事に理解を示し、陰から支えている。ベス役のティア・レオーニ(『ディープ・インパクト』)とヘンリー役のティム・デイリー(『プライベート・プラクティス』)は本作での共演をきっかけに交際するようになったが、それも納得の理想的なカップルだ。

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ベスと彼女のチームが対処する問題は、シリアでのアメリカ青年拘禁や、中東のアメリカ大使館攻撃など、実際に起こり得るものばかり。それを『HOMELAND』の脚本家でもあった本作のクリエイター、バーバラ・ホールが現実味たっぷりに映像化している。政治ドラマとしては『ザ・ホワイトハウス』でバートレット大統領がスタッフと協力しながら様々な問題に対処していた様子にも似ているが、本作の特長は何と言っても、型にとらわれず、独自の人脈や母親としての経験を生かして事態を打開していくベスの手腕とその飾らない人柄。あまり政治に興味がない人も気軽に楽しめる作品となっている。

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また、海外ドラマでおなじみの顔ぶれが脇を固めているのも見逃せない。『ボディ・オブ・プルーフ 死体の証言』のジェフリー・エアンド、『ゴシップガール』のエリック・バーゲン、『24 -TWENTY FOUR-』のジェリコ・イヴァネク、『グッド・ワイフ』のビービー・ニューワース、『ハウス・オブ・カード 野望の階段』のセバスチャン・アーセラス、『アメリカン・ホラー・ストーリー アサイラム』のキャスリン・ハーザー、『ジェシー!』のエヴァン・ロー、『デクスター ~警察官は殺人鬼』のキース・キャラダインなどが出演している。

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ちなみにベスの役職、国務長官とは国務省のトップで、日本の外務大臣に相当する。実務的には大統領に次ぐナンバー2と称されるほどの権限を持ち、時には外交のみならず通商や国家行事も統括する存在だ。バラク・オバマ時代はヒラリー・クリントンとジョン・ケリーが務め、現在のドナルド・トランプ体制下ではマイク・ポンペオが担っているポジションと言えば、よりイメージが沸くだろうか。全米で現在放送中のシーズン5では、ベスの"前任者"である本物の元国務長官たち、マデレーン・オルブライト、コリン・パウエル、ヒラリー・クリントンの3人が本人役でゲスト出演している。なお、タイトルの「マダム・セクレタリー」は、アメリカ連邦政府および州政府における女性長官の敬称だ。

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『マダム・セクレタリー』は、同作公式サイトにて4月3日(水)16:59まで第1話が無料公開中。4月3日(水)22:00よりFOXで放送スタートとなる。

Photo:

『マダム・セクレタリー』
(c) 2014 CBS Studios Inc.