【ネタバレ】『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』シーズン3 ギレアド脱出なるか、続くジューンの苦悩

ゴールデングローブ賞作品賞・主演女優賞受賞のSFスリラー『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』が、待望の新章に突入した。歪んだディストピア国家で男性の所有物となったオブフレッドの苦悩が続く。シーズン3は米Huluで6月上旬から配信中。

(※本記事は、同シリーズの重要なネタバレを含みますのでご注意ください)

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ギレアド脱出の日は遠く

クーデターの勃発により、全体主義の思想を掲げるギレアド共和国がアメリカ領内に成立。厳しい身分制度を持つギレアドでは、女性たちは名も財産も奪われ、出生率回復のため男性に尽くす「侍女」などとして扱われていた。ジューン(エリザベス・モス)も例外ではなく、主人・フレッド(ジョセフ・ファインズ)の所有物を意味する「オブフレッド」の名で呼ばれ、意に反してフレッドの子をその身に宿す。

絶望に喘ぐジューンだったが、愛する夫・ルーク(O・T・ファグベンル)がカナダで生き延びていると知り、再会を夢見てレジスタンス運動に加担。フレッドに仕える運転手のニック(マックス・ミンゲラ)の手を借りて逃走を試みるも発覚し、ギレアド共和国に連れ戻されてしまう。フレッドとの子・ニコールを出産した後に再び脱出の機会を得るが、ルークとの間に設けた愛娘・ハンナがギレアドのどこかにいるとの報を信じ、逃走を見送る決断をしていた。

シーズン3でも数々の困難がジューンのギレアド脱出を妨害。監視役であるニックと淡いロマンスの関係になったことから、その気になればトラックでいつでも逃走できるはずのジューン。しかし目まぐるしく変わる状況が彼女の運命を翻弄する。

ジューンの苦悩続く

シーズン2までで散々な苦痛を味わってきたジューン。新章でも彼女の悲劇が続き、絶望に沈む場面が目立つ。徹底的に惨めで残酷なサイクルに囚われたジューン。彼女が手を伸ばすほどに未来は遠のいてゆく、と米Entertainment Weeklyは表現する。

ただし、依然としてギレアド領内に留まるジューンだが、その立場は前進している。以前は逃亡を図る目的でレジスタンスに参加していたが、今彼女が目指すのは、不遇の女性たちの解放と朽ち果てた国家の打倒だ。かつて侍女の印でしかなかった彼女の赤いマントだが、今や革命のシンボルとなった、と米Los Angeles Timesは指摘する。彼女がその手で運命を切り拓く日は近いのかもしれない。

世相を反映した衝撃作

女性が男性の所有物という衝撃的な設定の本作。世間の関心を引いているのは、それだけ女性の権利に関する問題が現実の世界に多いからなのかもしれない。中絶の全面禁止を規定する州法が続々誕生している、とLos Angeles Timesは問題の一例を提示。さらに、職場での賃金の格差もアメリカで大きな問題となっている。残酷な描写も多い『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』だが、こうした問題にまつわるカタルシスをももたらしてくれる、と同メディアは伝える。

世間の不条理に対する彼女の怒りは、象徴的なカメラワークによく表れている。前期のクライマックスではカメラが彼女の顔に迫り、怒りに燃える瞳と激しい決意を画面に映し出していた。この画面割りとよく似たカットがシーズン3でも登場する、とEntertainment Weeklyは指摘する。上空のショットからカメラが急降下し、ジューンの顔のクロースアップへ。怒りに燃えた彼女の表情は、男たちに二度と蹂躙されまいとする固い決意を感じさせる。

ギレアドから逃れられそうで逃れられないジューンの『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』シーズン3は、米Huluで配信中。日本ではシーズン2までをHuluで配信中。

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ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』
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