オカルト好きが「超常現象ビジネス」を開始!ホラーとコメディが絶妙に融合『Los Espookys』

超常現象をこよなく愛する仲間たちが、ホラー体験を提供するビジネスを考案。神秘的なハプニングを求める人々に売り込むが...。各話30分、全6話のコメディ『Los Espookys(原題)』は、ホラーと笑いを混ぜた異色作。米HBOにて6月中旬から放送している。

怪奇現象、お金になるかも!?

どことなくメキシコに似た、ラテンアメリカのとある国。ホラー映画の大ファンだというレナルド(ベルナルド・ベラスコ)は、趣味が高じて超常現象ビジネスを手掛けるようになる。その内容は、呪われた邸宅を演出して訪れる人々を恐怖に陥れたり、聖職者に悪魔祓いの能力があると見せかけたりするという奇抜なもの。スプラッタと人を驚かせることが大好きな彼にぴったりの新ビジネスだ。

優しく仕事熱心なレナルドに引かれ、仲間たちもこの珍しい事業に加わることに。中性的な容貌の青年・アンドレス(ジュリオ・トレス)は、豊富な知識でレナルドを助ける。男性と付き合っている彼だが、惰性で続く関係にそろそろマンネリ気味の様子。新事業はほどよい刺激となるだろうか。さらに、職場に辟易している歯科助手のウルスラ(カサンドラ・シアンゲロッティ)も副業としてチームに参加。その妹タティ(アナ・ファブレガ)もアシスタントとして合流し、悪霊に取り憑かれた演技から雑用までをこなしレナルドたちを助ける。

ハマればハマるマニア向け

ホラーとコメディを掛け合わせるという挑戦的な趣向の本作。暗いトーンのなかにもおどけたキャラクターたちが笑いをもたらし、不条理なストーリー展開も相まって愉快なエネルギーに満ちている。金曜日の夜11時という放送枠がすべてを物語る通り、決して万人に受ける作品ではない、とHollywood Reporter誌。しかし、シリーズの奇妙な空気とぴったり波長があった人たちはとことんハマるだろうとも予想している。

ホラーとはいえ決して怖くはなく、あらゆる瞬間に笑いを詰め込んだ作品、とIndieWire誌。滑稽なシーンに切れ味鋭いジョークが潜む。マニア層に受けると読むHollywood Reporter誌とは異なり、愉快な空気感が広く受け入れられるだろうと予想している。

閉ざされた青年の心

牧師の依頼を受け、メイクとホラーの演出で怪奇現象をでっち上げるなど、奇想天外なシナリオが多く登場する本シリーズだが、ストーリーを引き立てるためか役者の演技は控えめになっているとHollywood Reporter誌は分析している。ちなみに中性的な青年アンドレスを演じるトレスは、米コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』で脚本家としても活躍する才能ある人物。本作では大真面目な青年という役だが、徹底した無表情で笑いを仕掛けるほか、疑い深い性格をよく表現している。

アンドレスについてIndieWire誌は、過去の記憶が欠落しているという一面を紹介。お菓子会社を経営する両親に養子として受け入れられ金に困らない暮らしを送る彼だが、トラウマによってこれまでの人生の記憶が封じられている。心に棲む悪霊が秘密を握っている様子だが、真の記憶を取り戻すまでには一悶着ありそうだ。

意気投合した仲間たちがホラー現象に商機を見出す『Los Espookys』は米HBOで放送中。(海外ドラマNAVI)

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Photo:

ベルナルド・ベラスコ(C) Cineberg / Shutterstock.com

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