『スター・トレック』デュラス姉妹のラーサ役バーバラ・マーチが65歳で死去

1966年に始まった『スター・トレック/宇宙大作戦』を皮切りに、現在もジャン・リュック・ピカード艦長のその後を描くスピンオフ『Star Trek: Picard(原題)』が製作されるなど、何十年にもわたって世界中で愛されているSFの金字塔『スター・トレック』シリーズ。その映画版で1991年製作の『ジェネレーション/クリンゴン帝国の危機』や1994年製作の『ジェネレーションズ/STAR TREK』などにクリンゴンのデュラス姉妹の一人、ラーサ役で出演していたバーバラ・マーチが逝去したことが明らかになった。米Comicbookが報じている。

現地時間の8月11日(日)に、亡くなったという。享年65。生前バーバラは、がんを患っていたという。彼女の夫で、俳優のアラン・スカーフ(『リーサル・ウェポン3』『スターゲイト:アトランティス』)は自身のFacebookで次のようなメッセージをファンに伝えた。

「40年以上にわたり全てにおいてパートナーだった最愛のバーバラは、昨晩がんとの壮絶な戦いを終え、永久へのゲートをくぐりました。彼女は賢く、思いやりがあり美しい人で、彼女の輝き、優しさ、そして鋭さは多くの人の心に触れました」

「またみなさんは『スター・トレック』で彼女が演じたラーサというキャラクターに驚かされたことでしょう。彼女は独創的なアイデアが泉のように溢れる人で、ユニークな理解力の深さを持ち合わせていました。娘のトシア、リック、ジョン、そして私と彼女の家族や友人、全員がとても残念に思っています。ですが私にはわかっています。バーバラはやっと今、本当に自由に踊れるようになったことを」

1953年カナダのトロントで生まれたバーバラはウィンザー大学で学び、アメリカのミネアポリスの劇場やカナダのシェイクスピア・フェスティバルなどでパフォーマンスを重ねた。そして、1979年にアランと結婚。アラン自身も『新スター・トレック』にゲスト出演している。

1994年の『スター・トレック』に関するインタビューでバーバラは、「ラーサとベトール姉妹がこんなに人気になるなんて驚いているのよ。人気の理由の一つは、彼女たちのパワーだと思うわ。それに感情豊かで強いの。彼女たちのようになんでもやりたいようにコントロールしようとする女性キャラクターは、テレビではなかなか見ることがないわよね。それから私とベトールを演じたグウィ二ス・ウォルシュとのケミストリー。お互いキャラクターについてたくさん話し合ってきたし、そういう全ての側面から見て人気が出たのだと思う。典型的な女性キャラクターではないラーサを『スター・トレック』が生み出してくれたことは素晴らしいわ」とキャラクターに対する思いを語っていた。

25年以上も前に強い女性戦士を演じ、世界中でインパクトを残したバーバラのご冥福を心より祈りたい。(海外ドラマNAVI)

Photo:『スター・トレック』バーバラ・マーチ