中年になった『ビバヒル』出演者たちが愚痴三昧? リブート版『BH90210』は自虐たっぷりコメディ

米FOXが8月上旬から放送している『BH90210(原題)』は、『ビバリーヒルズ高校白書/青春白書』で輝いていたキャストたちのその後を追ったコメディ・ドラマ。ちなみにタイトルの90210は、ビバリーヒルズ一角の郵便番号から。すっかり大人になった懐かしのメインキャストたちが一堂に会するが、ともに過ごした青春の日々とは何やら雰囲気が違うようで...。

出演者のその後を追うメタ・コメディ

本作はモキュメンタリーと呼ばれる、まるでドキュメンタリーのようなタッチのフィクションでつづられる。シリーズ30周年を記念するトークショーに呼ばれ、かつてのキャストたちがラスベガスに集まったという設定だ。

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女性陣からの参加者は、トーリ・スペリング(ファッションセンスにあふれていたドナ役)、ジェニー・ガース(美人で鳴らしたケリー役)、ガブリエル・カーテリス(頭脳明晰で優等生のアンドレア役)たち。男性陣としては、ブライアン・オースティン・グリーン(年下で弟キャラのデビッド役)とアイアン・ジーリング(お調子者のスティーブ役)が久々の顔合わせに参加。しかし、皆の顔を見渡したリーダー格のジェイソン・プリーストリー(ブランドン役)は、「これはきまりが悪いな」とボソリ。キラキラしていた青春時代の面影はどこへやら、全員がすっかり中年の俳優たちになっていたのだ。

残酷な時の流れにグチは止まらず

久々のリブートの報に、往年のファンならば心ときめくような思いをしたのではないだろうか。本作の登場について米Entertainment Weeklyは、愛にあふれたファンサービスだと述べている。オリジナルメンバーが久々にテレビ画面で楽しめることとなった。

しかし、時の流れは残酷なもの。もちろん会場に詰めかけたファンたちにとっては永遠のスターだが、かつてほどの栄光を感じないことは本人たちが一番良く知るところだ。かつての花型演者たちが経験する人生の苦悩に当モキュメンタリーは迫る。司会を務めていた番組の打ち切りや、ほかの俳優との諍い、そして3度目の離婚など...。もちろんすべて劇中の架空の設定だが、スターたちの思わぬ迷いと自虐に、自然と笑みがこぼれることだろう。

不安に揺れる大物スターたち

かつての栄光とは違った一面を扱う本シリーズ。辛辣かつ愉快な作品だ、とEntertainment Weeklyは表現している。希望に輝いていた若きキャストたちは、いまや人生の不安に揺れる年代に突入。青春時代を演じたかつてのスターの変わりようを観ていると、笑いと複雑な心境が同時にやってくるかもしれない。

いまでもファンたちの前では笑顔を絶やさないキャストの面々だが、ステージを降りれば生身の人間としての生活が待っている。メンバーは実生活での別人のような生活を代わるがわるグチる、と米New York Post紙は紹介。ラッパーのまま年を重ねてしまったことを自虐気味に語ったり、学歴詐称を明かしてみたりと、久々に再会したかつての仲間たちの話題は尽きない。大物俳優だからといって決して高飛車にならないキャストたち。等身大の苦悩を抱えた彼らの姿が、温かな笑いを誘う。

往年のファン必見の『BH90210』は、米FOXにて放送中。(海外ドラマNAVI)

Photo:『BH90210』
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