ドイツ作品に大きな影響を与え、革新的な存在の歴史大作ドラマ『バビロン・ベルリン』

ドイツ史上最大の規模で製作され、圧倒的なビジュアルでナチス台頭前のワイマール共和国を描く『バビロン・ベルリン』が、ついに日本に上陸を果たした。ヨーロッパ映画賞で初めて設立されたTVフィクション・シリーズ部門で作品賞を受賞し、高い評価を得ている本シリーズについて紹介することにしたい。

2017年よりドイツで放送開始された『バビロン・ベルリン』は、1929年のワイマール共和国時代のドイツを舞台に、地下シンジケートのポルノ犯罪を捜査するゲレオン・ラート警部と警視庁の記録係シャルロッテ・リッターを主人公に、二人が次第に革命と金塊が絡む巨大な陰謀に巻き込まれていく姿を追う歴史エンターテイメントだ。

今年、ヨーロッパ映画賞は配信サービスが人気を博している時代を反映して、初めてTVフィクション・シリーズ部門を設立し、『バビロン・ベルリン』が作品賞を受賞。栄誉ある作品となった。

そんな、革新的な存在とも言える本シリーズはドイツの作品に大きな影響を与えた。エンターテイメント業界のアナリストであるガイ・ビッソンは、5~10年前にドイツ語のコンテンツを製作しても市場はドイツとスイス、オーストリアしかなかったが、『バビロン・ベルリン』のような作品で状況が変わったと分析。しかし、やはり本物のチャンスは英語を言語とし、英語圏で製作された作品だともコメントしている。

確かに、ハリウッドの英語作品が注目を集めやすくヒットにつながる可能性が高いことは否めないが、配信サービスの普及により、スペインのドラマ『ペーパー・ハウス』やスペイン版ゴシップガールとも言われている『エリート』、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』と比較されることが多いドイツのドラマ『DARK ダーク』など、非英語圏の作品が口コミで話題となりヒットしている。斯くして日本でもそのような作品が視聴できる機会は増えつつある。

また、『バビロン・ベルリン』のシーズン3は中国を含む35カ国以上で購入されたとのことで、アメリカとカナダ、オーストラリアではNetflixが配信を続け、スペインとフランス、ノルウェーをはじめとする北欧数カ国でも放送・配信がスタートする予定だ。1900年代初頭を描く歴史大作シリーズのシーズン3は、非英語圏のドラマシリーズとして最も製作費が高い作品となっている。

すでにシーズン4へ更新が決定しているシリーズのクリエイターの一人トム・ティクヴァは、Netflixの人気ドラマ『センス8』でエピソード監督を務め、トム・ハンクスが主演した映画『王様のためのホログラム』では音楽・脚本・監督を担当。『パフューム ある人殺しの物語』『パリ、ジュテーム』では脚本・監督を手掛け、世界を舞台に活躍している。

主人公の一人ゲレオンを演じるのは、『君がくれたグッドライフ』『ゲーテの恋 ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~』などに出演しているフォルカー・ブルッフ。その他、シャーロット役にはSFミステリードラマ『カウンターパート/暗躍する分身』でグレタ役を演じたリヴ・リサ・フリースや、ブルーノ役に『ヘビー級の心』のペーター・クルトがキャスティングされている。


ついに日本にも上陸した『バビロン・ベルリン』。世界中が注目する歴史エンターテイメント大作は、BS12 トゥエルビにて毎週金曜日に2話ずつ放送中。本作の視聴記録やレビューは、【海外ドラマNAVI作品データベース】をチェック!

※参考にしたメディア Variety, Screendaily

(海外ドラマNAVI)

Photo:

『バビロン・ベルリン』