映画『アナと雪の女王2』では、主人公・アナ役で声の出演をしているクリステン・ベル。本業の女優業では『グッド・プレイス』など数々の作品に出演し、いつも楽しいことを企んでいる天真爛漫なキャラクター性で親しまれている。彼女の出演作から8本をご紹介したい。
底抜けの陽気キャラから知性派まで
死後の世界での騒々しい毎日を描くコメディ『グッド・プレイス』では、主人公・エレノアを好演。今年1月にシリーズが完結したばかりだ。生前好き放題に生きたエレノアは、スーパーのショッピングカートにひかれて思い切り無様な死を遂げる。彼女が目覚めると、そこはまるで天国のような「いい所」と呼ばれる世界。書類の取り違えから誤っていい所に送られた彼女は、正体が判明して恐ろしい「悪い所」に転送されるのを逃れるため、その場しのぎで善人になろうと七転八倒する。最終章となるシーズン4を含め、Netflixが配信している。
ナンセンスな世界観を楽しむ同作とは対極となるが、ロジックが支配する推理作品にも出演。2004年から3シーズン続いた『ヴェロニカ・マーズ』では、強い意志を胸に秘めた高校生探偵を演じている。学費稼ぎのために始めた放課後探偵がメキメキと実力をつけ、やがて本職の探偵として元保安官の父とともに難事件を解決してゆく。こちらはAmazon Prime Videoで公開中だ。さらに映画版『ヴェロニカ・マーズ [ザ・ムービー]』が同プラットフォームで有料配信されている。昨年夏にはクラウド・ファンディングによる資金調達に成功し、シーズン4として久々の復活を遂げた。シーズン4はすでに米Huluに登場しているが、日本での配信が待たれるところだ。
映画でも元気を振りまく
チャーミングではつらつとしたクリステンの笑顔は、映画作品でも輝きを放っている。2016年に公開された『バッド・ママ』は、世のママたちの不満を代弁する痛快コメディ。小学生の子を持ったキキは、育児に家事にと忙しい日々を送る。輪をかけて面倒なPTAのイベントを押し付けられたことで、彼女の不満は爆発。意気投合したママ友のエイミーとカーラとともに、自分らしいストレスフリーな人生を生き始める。翌年には続編『バッド・ママのクリスマス』が公開されている。
2018年には、父娘の心温まる関係を描いた『パパと娘のハネムーン』で主演を務めた。結婚式当日に婚約が破談になった女性・レイチェルを繊細な演技で表現している。豪華客船のチケットをすでに手配していた彼女は、元フィアンセの代わりに久々に再会した父親と「新婚旅行」に出発することに。はじめは父を快く思わなかったレイチェルも、次第に自分の弱みをさらけ出せる心の拠り所を見つけてゆく。明るいタッチの他作品とはキャラクターを演じ分けており、心にしみるヒューマンドラマに仕上がった。本節で紹介した3作品は、すべてNetflixで配信中だ。
声優・ナレーションにも挑戦
張りのあるボイスを生かし、声の出演でも複数の作品に参加している。アニメーション作品では、『アナと雪の女王』『アナと雪の女王2』でおてんばな主人公のアナを担当。氷のように心を閉ざす姉・エルサの絶望を解こうと、不思議な仲間たちと冒険に出発する。劇中ではエルサ役のイディナ・メンゼルらとともに、「生まれてはじめて」「ずっとかわらないもの」などを圧倒的な声量で歌い上げる。
マンハッタンのお金持ち高校生たちの生活をリアルに描くドラマ『ゴシップガール』では、ナレーションを担当している。ティーンドラマと侮るなかれ、恋愛やセックス、そして友人間の駆け引きなどを赤裸々に描いた深みのあるシリーズとなっている。Huluで配信中だ。現在米HBOは同社のストリーミング・サービス用に、リブート版『ゴシップガール』の製作を進めている。クリステンもナレーションを続投することが去年秋頃に判明した。今後の活躍にもますます期待がかかるところだ。
(海外ドラマNAVI)
Photo:クリステン・ベル©Tinseltown 『グッド・プレイス』©NBC 『ヴェロニカ・マーズ』シーズン4 © 2019 HULU 『バッド・ママ』© 2016 STX Productions, LLC. All Rights Reserved. トーク番組「GOOD MORNING AMERICA」でエルサ役のイディナ・メンゼルと一緒に ©ABC/Lorenzo Bevilaqua 『ゴシップガール』 (c)Warner Bros. Entertainment Inc.