米HBOの人気SFドラマ『ウエストワールド』シーズン3で、同放送局が製作した大河ファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』とのクロスオーバーが実現した。その経緯についてクリエイターが明かしている。米Hollywood Reporterが報じた。
『ウエストワールド』は、デロス社が運営するテーマパークに設けられた架空の世界で人間のゲストを迎えて楽しませるはずの人工知能を持つホストたちに自我が芽生えて人間を襲うようになる...というストーリー。
先日放送されたシーズン3第2話では、同社のプログラム責任者であるバーナード・ロウ(ジェフリー・ライト)とセキュリティ責任者のアシュリー・スタッブス(ルーク・ヘムズワース)がテーマパーク内で未踏だった‟バーク4"と呼ばれる区域に足を踏み入れるのだが、そこは『ゲーム・オブ・スローンズ』を彷彿とさせる、王やお妃、剣を持った騎士たちがいる世界だった...というくだりがある。
さらにデナーリス・ターガリエンの子どもである三頭のドラゴンの一頭、ドロゴンらしきキャラクターまで姿を見せる同エピソードでは、『ゲーム・オブ・スローンズ』でクリエイターを務めたデヴィッド・ベニオフとD・B・ワイスの二人が研究所の技術者としてカメオ出演している。
このエピソードの放送に合わせて、HBOは公式Instagramにデナーリスとドロゴンの画像を投稿。そこには「私の治世は始まったばかり」というメッセージが添えられている。
ついに実現したHBOの人気作同士のクロスオーバーがどうやって生まれたのかについて、『ウエストワールド』のクリエイターであるジョナサン・ノーランが語っている。「ダン(ワイス)とデヴィッドという素晴らしい人たちとは友達なんだ。僕らが『ウエストワールド』を製作し始めて以来、彼らは信じられないぐらい協力的で友好的だった。ジョージ・R・R・マーティン(『ゲーム・オブ・スローンズ』の原作者)もね。ジョージは頻繁にクロスオーバー・エピソードのアイディアを出してくれた。そんなわけで、ルークとジェフリー演じるキャラクターがメサ(テーマパークを管理する施設)をさまよう時がやってきた際、僕らは『ゲーム・オブ・スローンズ』とクロスオーバーさせずにはいられなかったんだ」
ノーランによれば、今回登場した"ウェスタロスワールド"(『ゲーム・オブ・スローンズ』の舞台ウェスタロス+ウエストワールド)は、本作の元ネタである1973年の同名映画の中に出てきたテーマパークの一つにも関連しているが、『ゲーム・オブ・スローンズ』に対する思いは特に強かったようだ。「今回は、映画版に出てきた中世だけでなく、僕らに本作を作る機会を与えてくれた『ゲーム・オブ・スローンズ』にもオマージュを捧げるチャンスだった。あの作品は、並外れた野心と高い品質、驚くべきストーリーでテレビの概念を変えた。そんな彼らに敬意を示したかった。ダンとデヴィッドは親切なことに出演を快諾してくれて、セットで一晩僕らと一緒に過ごしてくれたんだ」
なお、両作のコラボは厳密に言えば、これが初めてではない。『ウエストワールド』シーズン2第1話では、『ゲーム・オブ・スローンズ』のアリア・スタークが飼っていた大狼〈ダイアウルフ〉のナイメリアに似た生き物が登場。そしてシーズン2最終話では、『ゲーム・オブ・スローンズ』オープニングタイトル冒頭や知識の城〈シタデル〉の図書館に出てきた回転儀が、ドロレスたちの訪れた図書館に飾られていた。
『ゲーム・オブ・スローンズ』とのクロスオーバーも見逃せない『ウエストワールド』シーズン3は、BS10 スターチャンネルにて毎週月曜10:00より世界同時放送中。(海外ドラマNAVI)