主演クリス・エヴァンスが語る『ジェイコブを守るため』、原作とドラマの違いとは【ネタばれ】

マーベル映画『キャプテン・アメリカ』や『アベンジャーズ』シリーズでスーパーヒーローを演じるクリス・エヴァンス主演のサスペンスドラマ『ジェイコブを守るため』。Apple TV+によるミニシリーズは5月29日(金)に最終話の配信を終えた本作の曖昧な結末について、クリスとクリエイターが語っている。英Digital Spyが報じた。(※本記事は、『ジェイコブを守るため』の原作小説とドラマ版の結末に関するネタばれがあるのでご注意を!)

2012年に出版されたウィリアム・ランディによる同名ベストセラー小説をドラマ化した『ジェイコブを守るため』の主人公は、クリス演じるマサチューセッツ州の地区検事補アンディ・バーバー。彼が、地元の公園で殺害された少年の事件を捜査するうちに、自分の息子ジェイコブ(『IT/イット "それ"が見えたら、終わり。』のジェイデン・マーテル)が殺人容疑で逮捕され、息子の無実を晴らすためにアンディが奔走する姿が描かれる。

小説では重大な隠蔽があったことを知り、自分の息子の無実に疑念を持つようになったアンディの妻ローリー(『ダウントン・アビー』のミシェル・ドッカリー)が、ジェイコブを乗せたまま車を壁に激突させて彼が即死して終わっている。

しかし、ドラマ版では曖昧なエンディングとなっていて、登場キャラクターも視聴者もジェイコブが有罪なのかどうかわからないまま幕を閉じているのだ。

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米Hollywood Reporterのインタビューでクリエイターのマーク・ボンバックは、最初からジェイコブが無実なのかどうかといった真実よりも、息子が殺人事件の容疑者となったアンディとローリーの、親としての主観的な体験を描く方に関心があったと述べている。

そして、息子のジェイコブが無実なのかどうかという点について、ボンバックはアンディもローリーも後ろ髪を引かれるような疑いを抱き続けると思うともコメント。また、自分が作り上げた疑念に捕らわれてしまう悲劇を、ドラマ版で一番描きたかったとも付け加えていた。

続けて、ドラマ版の結末についてクリスは、ミニシリーズでは誰もが恥と罪悪感に対処する方法が異なり、厳しい現実を知ったときにどのように生き抜くことができるかという観点で描く方が、さらに深く考えられると思うと語っていた。

二人の意見からして、ジェイコブが無罪なのか有罪なのか確かな答えが出ない結末だからといって、Appleは本作をミニシリーズとして製作しているため、シーズン2へ更新される可能性は低そうだ。

Appleはデータを公表していないが、米Deadlineによると、4月24日(金)に配信スタートした『ジェイコブを守るため』は、Apple TV+のシリーズプレミアのトップ3にランクされ、翌週も視聴者が増え続け、最初の10日間(4月24日から5月3日)で視聴者が5倍に増えたという。Apple TV+が2019年11月にサービスを開始してから最も急成長したシリーズのひとつにランクされたと報じている。

『ジェイコブを守るため』はApple TV+で配信中。(海外ドラマNAVI)

Photo:『ジェイコブを守るため』 © 2020 Apple Inc. All rights reserved.