大ヒット超常現象ドラマ『X-ファイル』のダナ・スカリーFBI捜査官役でおなじみのジリアン・アンダーソンが、女優を目指したのはある大物女優の影響だと明かしている。
米Deadlineのインタビューに応じたジリアンが、「どの映画やドラマに感化され、スクリーンで物語を伝えたいと思いましたか?」と質問され、10代の時にTVで観たメリル・ストリープ主演の映画『愛と哀しみの果て』だと回答。
その映画でのメリルの演技に感銘を受け、「これが、大人になったら私がやりたいことだ」と思ったというジリアンは、メリルがほかの出演作である『ソフィーの選択』や『クレイマー、クレイマー』でも「彼女はその瞬間にキャラクターが感じていることを確実に捉えている。難しいはずのことをたやすくこなしているように見せてしまうの」と述べている。
続いて「女優として成功を掴みつつある中、どの映画やドラマを素晴らしいと感じ、そのレベルまで自分が到達できるか自問自答したことはありますか?」と聞かれ、ジリアンはそのことで悩んだことがあると発言。
『ソフィーの選択』を観た時もメリルの演技の素晴らしさに打ちのめされたというジリアンは、メリルがその役作りのためにポーランド語を習得したことを知り、そこまでしなければ自分は良い俳優ではないのかと自問自答。どの映画かは忘れたがメリルの出演作を観て泣きながら映画館を後にし、「今の自分はここまでの才能はない」と痛感したそう。しかし、自分の至らなさを認めることは世界の終わりではなく、逆に「自分ででき得る限りの努力をしよう」という活力になり、そうでなければ俳優を続けていなかっただろうとも続けている。
また、ジリアンはNetflixの伝記ドラマ『ザ・クラウン』で英国首相のマーガレット・サッチャーを演じているが、サッチャーといえば映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』でメリルが演じた人物で、この演技で彼女は3つ目のオスカーを受賞している。
尊敬するメリルと同じ役を演じたことについてジリアンはこう描写する。「ためらいはまったくなかったわ。人生では時に、恐怖からノーと言ってしまう前にイエスと言わなければならないことがあるの。でも、撮影日が近づくにつれ、死にそうになった。これまでの人生で経験したことがないほど、心臓が早鐘を打っていたわ」
しかし、スタッフとともにリサーチなどを十分行ったおかげで、実際に演技をする時には吹っ切れていたようだ。「失敗してもこの世の終わりではないの。私は大丈夫だと分かっていたわ」と振り返っている。(海外ドラマNAVI)
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『X-ファイル』
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