サム&ディーン・ウィンチェスター兄弟が活躍する大ヒット超常現象アクションドラマ『SUPERNATURAL/スーパーナチュラル』のクリエイターとして知られるエリック・クリプキが、シーズン5で降板した決断をふり返っている。米Entertainment Weeklyが報じた。
『スーパーナチュラル』にシーズン1から脚本家として関わり、シーズン6&7ではショーランナーを担当。現在はNetflixのサイコ・サスペンスドラマ『YOU -君がすべて-』でクリエイターを務めるセラ・ギャンブルが、自身のYouTubeチャンネルで配信しているシリーズ『Writer Q&A』でクリプキにインタビューした。
最初の5シーズンで脚本・ショーランナーを担っていたクリプキは、そのバトンをギャンブルに受け渡したのだが、なぜシーズン5で同職から降りたのかを問われて次のように答えている。「一シーズンで22話を製作することがどんなものなのか、みんな完全には理解していない。『スーパーナチュラル』を大好きな人が、その作品を視聴者に届けるために現場で起きているカオスのことを知ったら、恐怖におののくんじゃないかな」と笑いながらコメント。毎年のように20話以上で構成される長いシーズンを製作するために、どれだけ多くの仕事をこなさなければならないかという苦労を明かしたものの、番組を去ったのは仕事量だけが理由ではないという。
「最初の4シーズンはクリエイティブな面で苦労はなかった。シーズン5が大変だったと言いたいわけではないが、あのシーズンはこれまでになく(クリエイティブな)感覚が鈍ってしまったと感じたんだ。それで怖くなったんだよ」と発言。できる限り最高のものを作り出すのが自分の責務だと考えていたものの、あのシーズンではとにかく数をこなすことが最優先になっていたと打ち明けている。
スランプを克服できなかったらと思うと不安になったクリプキが製作スタジオのワーナー・ブラザースにその旨を告げると、ワーナーからシリーズは更新し続けると伝えられたそう。そこでクリプキは、自分と同じぐらい作品を愛する誰かに任務を託そうと思ったと話を続け、「その人の名前はセラ・ギャンブルだったんだ」と締めくくっていた。
スランプに苦しんだというクリプキだが、シーズン5といえば日本でも人気が高いエピソード「異次元へのチャンネル」(シーズン5第8話)が生まれたシーズンでもある。同話は10周年記念試写会でファン投票により1位に輝いたほか、サム役の内田夕夜が印象深かったエピソードの一つとして挙げており、キャストが選んだお気に入りエピソードにも入っていた。
クリプキは『スーパーナチュラル』降板後、サバイバル・アクションドラマ『レボリューション』とタイムトラベルをテーマにした『タイムレス』を手掛け、現在はAmazonの異色スーパーヒーロードラマ『The Boys ザ・ボーイズ』のクリエイターを務めている。
『スーパーナチュラル』は、ファイナルとなるシーズン15が新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により製作が中断されているが、年内に残りのエピソードの撮影が再開される予定だ。ファイナルシーズンのうち最初の10話は、10月9日(金)よりDVDレンタル開始。(海外ドラマNAVI)
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『SUPERNATURAL/スーパーナチュラル』シーズン5
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