「これは面白くて、意地の悪い作品」『アガサ・クリスティー 蒼ざめた馬』主演インタビュー

英BBCで今年2月に放送されたアガサ・クリスティー原作のドラマ化最新作『アガサ・クリスティー 蒼ざめた馬』が、本日12月20日(日)22:30よりAXNミステリーにて独占日本初放送となる。本国放送時に大きな反響を呼んだ本作について、主演のルーファス・シーウェル(『女王ヴィクトリア 愛に生きる』)が語るインタビューをお届けしよう。

クリスティー作品の中では珍しくオカルト的な要素がある「蒼ざめた馬」を、これまでも多くのクリスティー作品を手掛けてきた脚本家サラ・フェルプスが大胆に脚色。ルーファス以外のキャストはカヤ・スコデラーリオ(『メイズ・ランナー』)、バーティ・カーヴェル(『女医フォスター』)など。

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ある日、マーク・イースターブルックのもとに警察から連絡が来る。ジェシー・デイヴィスという女性の遺体が発見され、彼女の靴の中からマークを含めた複数の人間の名前が記された謎のリストが発見された、というものだった。やがて、リストに記されている人が一人、また一人と死んでいく。最初は相手にしなかったマークだが、身の危険を感じ始め独自に調べていくと、〈蒼ざめた馬〉という館に住む謎めいた3人の女性の存在に行きつく。実はそこには、ジェシーのほか、マークの亡くなった妻も生前訪れていた。そして、リストに記され亡くなった人と同じようにマークの髪の毛も抜け始める...というストーリーだ。

主人公マークを演じるルーファスが、役柄と作品について語っている。

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――あなたが演じるマークはどんなキャラクターですか?

マーク・イースターブルックはその時代らしい男性だよ。恵まれた家柄の出身で、裕福な暮らしに慣れていて趣味もいい。ハイエンドなアンティークを扱うディーラーで、街のしゃれた一角に大きな店を構えている。速い車が好きで、とても社交的だ。そして自信家だね。すごく若い頃に美しい女性と結婚した。

彼がすることはすべて、いい人生を送っているように見せるためのものだけど、実際に見た目通りなわけではない。他人には見せない部分があるんだ。

――脚本のどんなところに惹かれたのですか?

悪質でドライでウィットに富んでいて嫌味なところが気に入った。驚くような展開があるしね。ジャンルが一つに絞れない作品だよ。展開がガラッと変わる場面には僕自身とても驚かされた。アガサ・クリスティーの映像化作品を見るのは昔から好きだけど、一度も出たことはなかったんだ。だから、この脚本が送られてきた時は嬉しかったね。

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――特に印象的だったシーンは?

デヴィッド・アーディングリー役のヘンリー・ロイド=ヒューズとのシーンだね。彼と共演した場面では、僕が演じるマークの別の側面が見られるし、二人で出かけて楽しかった。ほかの場面とは全然違っていて、演じていてとても面白かったよ。共演者は全員素晴らしかった。ハーミア役のカヤもデルフィーヌ役のジョージナ(・キャンベル)も、魔女を演じた3人の女性もね! ザカリア・オズボーン役のバーティ・カーヴェルもすごく良かったよ。彼はマークとはまったく違うキャラクターだから。

――よくある犯人捜しゲームではない本作についてどう思われますか?

『17歳の肖像』と『ウィッカーマン』と『ジェイコブス・ラダー』を組み合わせたような作品だよね。このストーリーにある要素は実に驚きだ。ヒッチコックが自分のある作品について言ったことを思い出すよ。「これは面白くて、意地の悪い作品だ」というね。

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『アガサ・クリスティー 蒼ざめた馬』(全2話)は、12月20日(日)22:30よりAXNミステリーにて放送。

Photo:

『アガサ・クリスティー 蒼ざめた馬』
(c)Mammoth Screen 2019