『アベンジャーズ/エンドゲーム』後の世界を舞台にしたDisney+オリジナルドラマシリーズ『ワンダヴィジョン』。幸せな結婚生活をスタートさせたワンダとヴィジョンのシットコムかと思ったら実は...という展開が話題を読んでいる本作に出演しているドッティ役のエマ・コールフィールドにインタビュー! 後編となる今回は、コロナ禍での撮影、皆が気になっているイースターエッグや出演までの準備などについて話を伺った。
『ワンダヴィジョン』ドッティ役のエマ・コールフィールドに直撃〈前編〉はこちらより。
――第2話に出てきたウサギがイースターエッグではないかとファンは話をしています。
私はそれをとくになんとも思わなかった。だからファンがその話をし始めた時、ピンと来なかったわ。「それ、(エマの出演作『バフィー 〜恋する十字架〜』の)アーニャのことを言っているの? その何がマーベルと関係あるの?」と思った。あれに何の意味があるか私もまだわかっていないの。何か過去と関係があるのかもしれない。わからない。ついさっきも(クリエイターの)ジャックにテキストメッセージを送ったのよ。私は今朝10時からずっとインタビューを受けているのだけど、質問の3つに一つはウサギに関してだったから、彼女に聞いてみようと思った。とにかく、ファンの反応には驚いたわ。私はなんとも思っていなかったから。
――パンデミックの中での仕事はどうでしたか?
私たちはパンデミックの前にスタートして、ホリデー(クリスマスシーズン)休暇があって、再開したところでCOVIDが起こり、全部が中断になったの。いつまた始められるのかもわからなかった。それから数カ月が過ぎて、やっと電話があったの。私たちのプロジェクトは、撮影再開した最初のものの一つだったわ。無事に進められるよう、これまでにないプレッシャーもあったわね。なんとしても作り続けたかったから。完成させて、視聴者に見せたかったから。仕事ができている自分たちはすごく幸運だと認識していた。こんな時期に仕事をさせてもらった私は、本当に恵まれていたわ。今もよ。まだ(パンデミックは)続いているからね。
――シットコムのスタイルの演技をする上で何が一番難しかったですか?
とくに最初のほうの回では、アクセントを正しくやることだったわね。イギリス訛りを交えてしまったりしないように。ミッドアトランティックのアクセントは、とっても、とっても(と、そのアクセントでやる)違うのよ。今、極端にやってみせたけれど、バカみたいに聞こえるというわけじゃないわ。でも、そんなふうにやらないといけないの。すごく誇張されて、また抑えめになって、さらに演技をしないといけない。そこをやった上で、内面で彼女に何が起こっているのかを表現しないといけないの。ドッティはどんな人なのか、ジョークがちゃんとわかるようにしないと、そういうこと。ほかのどんなこととも同じように、乗ってくるとできるようになるんだけれども、すごくこれまでと違ったことなのよ。あの話し方はね。一方で、ああいうのを失ってしまったのは悲しいなと思ったりもするわ。あんな話し方だったら何を言っているか誰でもいつでもわかった。
――撮影前にキャストは「シットコム・ブートキャンプ」と呼ばれる特訓を受けたそうですが、参考にした過去のシットコム作品や、ドッティのモデルにしたキャラクターはいましたか?
シットコム・ブートキャンプというのは聞いたけど、それが何なのかわからないのよ。私は招待されなかったのかしら? それを聞かれるたびに「私はどこにも行っていないわ」と思う。『奥様は魔女』とか(『メリー・ポピンズ』のバート役のディック・ヴァン・ダイクの)『The Dick Van Dyke Show(原題)』とか過去のシットコムをたくさん送ってもらって、ボーカルコーチと特訓をしたことを言っているのかしら。そのことを言っているなら、私も参加したわ。それは楽しかった。
――本作にはノスタルジックな雰囲気があります。あなたは80年代に育ちましたが、その頃について何を覚えていますか?
80年代は覚えている。デュランデュランとか『Cheers(原題)』やコスビーの番組とかね。
――どうして映画やTV番組はその時代をまた訪問したがるのだと思いますか?
あの時代はモダンだけど、今と離れているからだと思う。今やっていることとほとんど同じだけどテクノロジーがない感じ。服や音楽はすばらしかった。あの時代はすべてがキラキラしていた。ディスコとか。あの頃はまだみんな着飾っていた。アートやカルチャーへの関心が高かった。今では普通になったヒップホップやラップが開花した時代でもあった。ミュージックビデオとか。今もそれらは作られている。ファッションだってあの頃をリサイクルしている。ちょっと違った要素をプラスしながらね。なぜコルセットまで戻らないかには明らかな理由があるわよね。四角くて醜い靴も同様。膨らんだスカートも。そういうのは美しくないから。今はもう誰もそんなのを魅力的だと思わない。母と、「ジーンズの裾を折り曲げられるような時代に生きていてよかったよね」と話したこともある。ジーンズだって60年代後半くらいまでなかったのよ。そういうあの頃に人気になったものを私たちは当たり前に受け止めている。だからそういう時代をまた訪れたいのは自然だと思う。いつだってビートルズを訪れたいのと同じ。私はその世代ではないけれどもビートルズはよく知っている。何か文化で大きなことが起こると、それはDNAとして残るのよね。そしてみんなが自然にそれに魅了されるようになる。いえ、それは正しくないのかな。私は単なる俳優だからそういうことはわからないわ。
『ワンダヴィジョン』はDisney+(ディズニープラス)にて独占配信中。毎週金曜日17時に新エピソード配信。
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『ワンダヴィジョン』(c) 2020 Marvel