Disney+(ディズニープラス)にて日米同時配信されているマーベル・スタジオ"初"のオリジナルドラマシリーズ『ワンダヴィジョン』。ホームコメディでありながら、毎週様々なミステリーを残している本作だが、今改めて気になるのは、そもそも主人公のワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ(エリザベス・オルセン)の力はどんなものなのかということ。米Entertainment Weeklyが彼女の歴史を振り返っている。本記事は『ワンダヴィジョン』の重要なネタばれを含みますのでご注意ください。
コミック版とマーベル映画版をそれぞれ見ていこう。
◆コミックでは
マーベルの歴史を通して一貫した答えのないのが、ワンダの力だ。1964年の「X-Men #4」に初登場したときには、物事の確立を自分に有利になるように働かせる能力として"ヘックス"が説明された。誰かに指を向けるだけで、その人物がしていることを台無しにしたり、物を落とすことなどができた。そのため、当時の彼女の能力は世界を破壊するほどのものではなかったが、それでも、この時の"ヘックス"からワンダの能力が形成されていったと言えるかもしれない。
その後、スカーレット・ウィッチとクイックシルバー(彼女の双子の片割れ)がアベンジャーズでの活躍のために、テロ軍団のブラザーフッドを去ったあとに、彼女の力は"カオス・マジック"と再定義された。魔女のアガサ・ハークネスの訓練を受け、突然変異能力が強化されたのだ。しかし、最大のアップデートは、2000年代に発表された「アベンジャーズ・ディスアセンブルド(原題:Avengers: Disassembled)」で起きた。ここで、ワンダが"現実改変"の能力を持っていることが初めて明かされた。
2004年の「ハウス・オブ・M(原題:House of M)」では、ワンダの能力によりミュータントと人間の立場が逆転する世界へと現実が書き換えられた。ワンダはすべてのマーベルヒーローたちの心の欲望を叶えることで新しい世界を安全なものにしようとしたが、最終的に目を覚ましたヒーローたちは世界を元の姿に戻すために戦うことに。結果としてワンダは世界を元に戻すことにしたが、マグニートー(ワンダの父)やクイックシルバーを含むミュータントの9割が力を失い、普通の人間になった。この出来事が、後に残ったミュータントによるクラコア島でのミュータント独立国家設立へと繋がっていく。
さらに、別のエピソードではワンダはミュータントではなく科学者ハイエボリューショナリーの実験体であったという事実が描かれており、スカーレット・ウィッチのソロコミックでは、魔女としてのワンダの物語が始まっている。
◆MCU映画では
先述の通り、マーベルコミックでは数十年にわたり様々な形でワンダの能力が定義されてきたため、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)では、映画ごとに彼女の能力を変えることに。ワンダが最初に登場した『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』では、マインドコントロールやテレキネシスが発揮された。テレキネシスは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』にも引き継がれたが、マインドコントロールは『ワンダヴィジョン』にて久しぶりに使用された。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』では、彼女の能力が最大限まで引き上げられることに。物語の核となるインフィニティストーンはいくつかの映画をわたってその力がいかに強力かを描かれていたが、ワンダは片手でマインドストーンを破壊し、反対の手で他の5つを抑えるという偉業を見せつけたのだ
現在配信中の『ワンダヴィジョン』は、晴れて夫婦となったワンダとヴィジョン(ポール・ベタニー)の結婚生活をホームコメディとして描いているが、ここまで述べてきた通り、その生活自体が彼女が書き換えたものであり、ワンダの目に見えない力によって導かれている可能性もあるようだ。それとも、全てはアガサの仕業なのか? 残りのエピソードでどこまで謎が明らかになるか楽しみだ。(海外ドラマNAVI)
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Photo:
『ワンダヴィジョン』© 2020 Marvel