「ピカードという役は声優・麦人の原点」『スター・トレック:ピカード』オンライントークイベント

3月3日(水)にブルーレイ&DVDリリースとなる『スター・トレック:ピカード』。『新スター・トレック』の名艦長ジャン=リュック・ピカードが劇場版シリーズ以来、約20年の時を経て復活した同作のリリースを記念し、日本語吹替版でピカードを担当する麦人が登場してのオンライントークイベントが開催された。

2月26日(金)に実施されたこの生配信に、麦人は黒いシャツ姿で登場。その姿が背後にあったパネルのピカードと外見が似ていることから、MC役の有村昆(映画コメンテーター)が「まさにピカード」と表現した。

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TV映画『新スター・トレック』シリーズの最終章『ネメシス/S.T.X』の20年後が舞台となる本作では、演じる俳優と同様に歳を重ねたキャラクターたちのその後を追う。ピカードをはじめ、おなじみのキャラクターがオリジナルキャスト、そして声優陣もおなじみの顔ぶれが再集結したことについて、有村が「まさに正統派続編と呼ぶにふさわしい作品」と語ると、麦人は「何とも言えず、懐かしい気持ちで僕も見ていました」と胸中を明かした。

『スター・トレック:ピカード』をイッキ見したという有村が、『スター・トレック』シリーズはそもそも当時のポップカルチャーが詰め込まれていたり、SFに置き換えつつ現代的なテーマを積極的に取り入れた作品だと指摘。すると麦人は「このシリーズの神髄をちゃんと受け止めてくださっているという感じがしますね。僕自身、『スター・トレック』というのは非常にヒューマンな、人種だったりといった差別がないような、そういう要素を一つひとつ散りばめた作品だと感じていました」と賛同した。

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なお、ピカード復活の話を麦人が最初に聞いたのは2019年の春で、収録が開始したのは同年の9月。コロナが起きる前だったので、アフレコはみんなで一緒に行えたという。今回は一話完結でなく連続ものであることに対して、麦人は「観る人の気持ちを次につなげていかないといけないと大変だなという気がしましたが、第1話がすごく面白かったのでこれはいける!と思いました」と当時を回想。そして20年ぶりにピカードを再び演じることには、ピカード役のパトリック・スチュワートが自分より4歳上の80歳なのに元気なので「負けていられないな!という思いはあります」と、刺激を受けていることを明らかに。

さらに麦人はピカードこそが「理想のリーダー」と語り、「人間的な弱い面、正義感の強い面と、清濁両方持っていて、なおリーダーシップを発揮できる人。綺麗ごとだけでないところがいい」とその理由を説明。

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ここで、データ役の大塚芳忠のコメントが紹介された。

「30年前、信じられない大抜擢で、「データ少佐」という役に出逢いました。この役を演じ、得た、多くの経験が、血となり 肉となって、今の私を支えてくれています。

今回、『スター・トレック』に再び参加できたことで、またひとつ、大きな財産が私の中にできました。ピカードとのウイットに富んだ会話のやり取り、深くお互いを想う心、二人だけが理解し合える、ちょっと寂しいような、悲しいような、淡い感情の交錯。全てがあの頃のままでした。二人の友情に何も変わりはありませんでした。改めて『スター・トレック』に巡り会えた幸せを思い、胸が熱くなります。

とにかく、麦人さんの至極の演技をじっくりお楽しみいただきたい! 人間ピカードの全てを表現できるのは、人間麦人さんしかいない。まさに、麦人さん自身の人生を、ピカードの姿を借りて語っているかのよう。

作品全体に溢れる圧倒的なスケール感とともに見どころ満載です」

この大塚芳忠からの賛辞を受けて、「持ち上げすぎていて、穴があったら入りたい」と麦人。有村から二人の関係がデータとピカードそのままと指摘されると、笑いながら「彼とは本当に仲が良くて、助けてもらったことがいっぱいありましたし、こういうコメントをいただけて嬉しいです」と語った。

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続けて、ライカー役の大塚明夫のコメントが紹介された。

「みなさん、こんにちは! ライカー役の大塚明夫です。

再び『スター・トレック』シリーズに参加できたことを非常に嬉しく思います。若かりし日々の思い出が一気に甦って、「楽しい」の一言に尽きます。

毎週、息を盗んだジョナサンと会うことができたのも、感動です。想像した通り、他人とは思えなかった。旧知の親友と会えたような錯覚を覚えました。

皆さんありがとう! ピカード艦長の勇姿と心ときめく物語にご期待ください!」

麦人はこの大塚明夫の発言を受けて、「ピカードの次にリーダーシップを発揮した副艦長を演じているので、明夫自身もものすごいライカーには思い入れがあると思いますね。新しいシリーズでもまたピカードを助けるようなことがあるのではないかと思いますので、お楽しみに」と、気になるコメントも飛び出した。

そんな大塚明夫と同じく、麦人もこの役には並々ならぬ思いがあるという。ピカードに関する思いを聞かれ、「ピカードという役が今の声優・麦人という立場を築いてくれたし、ここまで仕事をやらせてもらっているすべて、原点だと思います。これに代わる持ち役はありませんし、とにかく自分としてはピカードに足を向けて寝られません。演技上のことも演じているパトリック・スチュワートさんを通して教わりましたし、そういう存在です」と熱弁をふるった。

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最後には、ファンに向かってメッセージ。「歳を取って引退していたピカードがまた宇宙へ飛び出していくという再チャレンジをぜひみなさん応援してください。コロナ禍の今、続けて見ていただければより楽しんでいただけると思いますのでぜひよろしくお願いいたします」

そしてラストはピカードの決めゼリフ、「発進!」を、指の仕草もちゃんとつける形で再現し、イベントは幕を閉じた。

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『スター・トレック:ピカード』商品情報

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ブルーレイBOX(12,300円+税)/DVD-BOX(9,300円+税)...3月3日(水)発売
<レンタル>
DVD Vol.1~5...3月3日(水)レンタル開始
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント

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Photo:

『スター・トレック:ピカード』
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