ライアン・マーフィー『POSE』が3シーズンで終わる理由

ヒットメイカーのライアン・マーフィーが製作総指揮を務めエミー賞やゴールデングローブ賞などで高く評価された『POSE』。人気の話題作が3シーズンで幕を降ろす理由を、製作陣が明かした。米Varietyが伝えている。

LGBTQのボール・カルチャーの世界をトランスジェンダー俳優を起用して描き、主演ビリー・ポーターにエミー賞をもたらした『POSE』。フィナーレとなるシーズン3は全7話とやや短めな構成だが、製作総指揮のマーフィーとスティーヴン・カナルスが5年前から話し合ってきた内容が詰まっているという。

「このシーズン、特に結末を見たら、これこそずっと狙ってきたことだったってわかるよ」とオンラインディスカッションで話すカナルス。「シーズン1に戻ると、すべてがこの最終章のために構成されているんだ。物語には始まりと中間と終わりがある。このシーズン3は僕らが紡いできた3部構成の物語の結末なんだ」

公私共に様々なドラマをもつキャラクターとボール・カルチャーの世界を描き続けることは可能だったが、それでも終止符を打った理由。それはいちテレビファンとしてのカナルスの思いがあったそう。「大のテレビ好きとして、いつも僕を苛立たせることの一つが、このシリーズは"つなぎ"を入れはじめたって気がつくことなんだ。僕が最後にファンのためにしたかったことは、シンプルに物語を紡ぐこと。狙い過ぎずにね。そうしたら終わりが見えてきた。それは、無事に着地できるってことだよね。もし、したければ。」

製作陣としての責任をまっとうしたいという思いが感じられるフィナーレ。「シーズン1で僕たちのキャラクターがはっきりと求めていたすべてを手に入れるとはどういうことなのか探求させるのは僕たち製作陣だからね。例えばブランカ(MJ・ロドリゲス)のようなキャラクターにとっては、新しい職を得て、HIV・AIDS患者としての権利のために戦うことがそれにあたるし、エンジェル(インディア・ムーア)とパピ(アンヘル・ビルマルク・クリエル)にとっては新しく、開けた関係を模索するために一歩足を踏み込むってことになる。」とカナルスは語り、キャラクターごとのドラマが丁寧に描かれるようだ。

LGBTQに関わらず、何もないところから立ち上がったファイターへの賛歌でもある『POSE』。5月2日から米FXではじまるシーズン3の反響が楽しみだ。(海外ドラマNAVI)

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『POSE』(C)2018 FX Productions, LLC. All rights reserved.