想像よりダーク?クリエイターが明かした『デスパレートな妻たち』誕生の理由

2004年から2012年にかけて全8シーズン放送された大人気ドラマ『デスパレートな妻たち』。絵に描いたような郊外の住宅街ウィステリア通りに住む血の気の多い妻たちの日常を追い、見る者を魅了したが、ドラマ誕生の裏側には想像以上にダークな理由があるという。米The Thingsが明かした。

2016年、母校であるカリフォルニア州立大学フラトン校で学生たちに向けて講義を行った本作のクリエイター、マーク・チェリー。2日間にわたって自身のキャリアを話した中で『デスパレートな妻たち』の起源についても触れ、コンセプトが浮かんだきっかけを明かした。

そのきっかけは、アンドレア・イェーツという女性の裁判だったという。アンドレア・イェーツとはテキサス出身の女性で、2001年に5人の子どもを溺死させた罪で問われるも、裁判の結果、精神障害を理由に無罪に。「才能の一つだと思うんだけど、思いがけないアイデアが浮かんだ時に、それがいいものかどうかが分かるんだ。いつインスピレーションが当たるかなんて絶対に分からないだろう?」

さらにこの事件をめぐる母との会話も、アイデアを深めたという。チェリーがどうやったらこんなことをするほど"デスパレート"になってしまうんだろう?と母に尋ねると、「私も同じような時があったわ」と驚きの返事が返ってきたそう。「僕はいつも母を完璧な妻であり完璧な母、主婦を志す女性として見てきたんだ。それこそ彼女が望んでいたものであり、彼女の人生だった。だから、そんな母が自暴自棄になっていたことがあったと知った時はショックだった。僕ら兄妹が小さかった時、父は学位を取るために家にほとんどいなかったから、母は5歳と4歳と3歳の動き回ってばかりの子どもたちとずっと一緒だったんだ。母がこの話を始めた時、僕の母がこうした思いをしたことがあったなら、郊外の"ジャングル"に住む女性たちもきっとあるだろうって気がついた。それこそが4人の主婦の物語を書き始めるに至ったアイデアの起源だよ」

スキャンダラスな不倫や女同士の友情で楽しませてくれる一方で、時に考えさせられるテーマを描くこともある『デスパレートな妻たち』。誕生の背景を知ってから見ると、また違った魅力を発見できるかもしれない。(海外ドラマNAVI)

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Photo:『デスパレートな妻たち』(c) ABC Studios