人気ドラマ『9-1-1:LA救命最前線』シーズン10の撮影現場で、エバン・“バック”・バックリー役のオリヴァー・スタークを含む4人がスタント関連の負傷を負った。これにより、制作の安全プロトコルが再び厳しい目にさらされているという。
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『9-1-1』長時間勤務後に亡くなったスタッフの死因が明らかに
2018年に米FOXにてスタートし、今年3月からは新たな放送 …
事前リハーサルの甲斐なく負傷、手術する事態に
米Deadlineによると、4人のパフォーマーが数ヵ月間にわたりスタント関連の負傷を負った。それぞれの事故に関連性はないようだが、この不幸なタイミングは、スタントが多用される『9-1-1』のような作品を地上波のタイトなスケジュールで制作する上での課題を浮き彫りにしている。
オリヴァーは8月下旬、スタント中に足首を骨折して手術することになった。制作関係者の話では、彼の事故後も撮影は続行され、オリヴァーはすでに現場復帰しているとのこと。彼の負傷に関する報道はオンライン上であったものの、詳しい経緯はこれまで明かされていなかった。
関係者によると、このスタントでは消防士が車からセットの一部を飛び越えるようにして飛び移り、はしご車へと移動する演技が行われた。また、リハーサル中に同じスタントを行ったスタントダブルが足首を捻挫したものの、医療処置を受けることを断ったため、制作側には負傷報告書が提出されなかったと見られる。『9-1-1』の撮影現場では通常、スタントのリハーサルはまず重量のあるバッグを使って行う。これは、スタントコーディネーターやほかのスタッフが必要な重量配分などをより正確に把握するためだ。その後、俳優本人がリハーサルに参加する前にスタントダブルを使ってセットの装置を用いたリハーサルを行い、問題点を洗い出して調整するという。オリヴァーの場合、スタントダブルが負傷した後でスタントの実施方法が変更されたが、それでもオリヴァーはそのシーンで別の出演者の上に足首をひねる形で着地してしまい怪我を負ったという。
その後、数週間のうちにさらに2件の負傷事故が発生。ある事故では、スタント担当者が金属部分が鋭くギザギザになったセットの一部で腕を負傷し、病院での縫合処置が必要になった。さらに、ここ2週間以内にもスタントの失敗により別のスタントパフォーマーが病院に搬送された。制作関係者に近い情報筋によると、地面が崩落する状況を再現するために設置された足場で不自然な着地をした結果、肋骨を骨折して軽度の肺の圧迫損傷を負い、念のため病院へ搬送された。このスタントパフォーマーがすでに仕事に復帰したか否かは、今のところ不明だ。
『9-1-1』の制作会社20th Televisionの親会社であるDisneyを含め、SAG-AFTRA(映画俳優組合・米国テレビ・ラジオ芸術家連盟)と契約を結んでいるすべての制作会社には、撮影現場で一定の安全手順を守ることが義務付けられている。また、スタントパフォーマーやスタントコーディネーターは組合加盟作品で働く資格を維持するため、一般的な安全対策および負傷防止に関する研修を修了しなければならない。
撮影現場の安全に関する基準や慣行は、Contract Servicesの業界横断的な安全委員会によって策定されている。スタントに関する一般的なガイドラインでは、制作管理者に対して「リハーサル、トレーニング、機材の準備、点検に十分な時間を確保する」よう求めており、同団体が発行した最新のスタント安全に関する通達に記載されている。また、Contract Servicesは個々のスタント作業に特化した、より詳細なガイドラインも定めている。
通常、スタントコーディネーターは脚本の確認、計画立案、実施場所の選定、準備、テスト、リハーサル、変更の検討、そしてスタントの実施に適した人員や機材の選定・推薦など、スタントに関するあらゆる準備を主導する。そして第一助監督は、スタント作業を始める前に撮影現場で安全に関するミーティングを行う責任を負う。このミーティングでは、関係者全員がスタントの一連の動きを実演形式で確認し、安全手順について詳しく話し合う。さらに、スタントに「重大な変更」が加えられた場合には改めて安全に関するミーティングを実施する必要がある。
1シーズンの撮影で負傷事故が立て続けに発生したからといって、必ずしも過失があったことを意味するわけではない。特に『9-1-1』のような迫力あるアクションを売りにする作品ではなおさらだ。しかし、地上波番組に求められる比較的タイトな制作スケジュールの中で大規模なスタントシーケンスを定期的にこなすのは野心的であり、問題が発生しやすくなる。撮影を進めなければならず、問題が発生するリスクも高まりやすい。
2年前には、スタントに使用するための管理された火災の発生作業でトラブルが起き、撮影現場での勤務時間が14時間にまで延びた。その日の仕事を終えて車で帰宅する途中、スタッフの一人が心臓発作を起こして亡くなった。それでも当時、制作関係者は『9-1-1』は「私がこれまで参加した中で、最も安全な現場の一つだった」と語っていた。
記事のコメント欄では、今回の事故に対する様々な意見が寄せられている。あるコメントでは、2年前の死亡事故と今回の事故の両方で同じファーストアシスタントディレクターが現場を監督していたことを指摘し、その責任を問う声がある。また、多くの視聴者はスタントよりもキャラクターを重視しており、スタントや爆破のような危険なシーンを減らして制作をより安全にすべきだという意見も。一方で、スタント部門で6シーズン、ハリウッドで20年の経験を持つ人物は、「この番組や厳格なプロトコルに従うほかの番組で危険を感じたことは一度もない。どの部門でも事故は起きるものだが、私たちは安全に集中し、最小限に抑えている」と制作の安全性を擁護している。
『9-1-1:LA救命最前線』シーズン1~9はDisney+ (ディズニープラス)で配信中。(海外ドラマNAVI)









