『ジ・アメリカンズ』のマシュー・リスが主演を務めるApple TVのオリジナルシリーズ『ウィドウズ・ベイ』は、ホラーとコメディが交錯する野心作だ。本作を語る上で、伝説的な『LOST』や『フロム -閉ざされた街-』との共通点に触れないわけにはいかない。視聴者はすぐさま、それらの作品に通ずる濃密なミステリーの気配を察知することになる。
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『LOST』が残した空白を埋める、新たな「ミステリーボックス」の誕生
『LOST』がその長い歴史に幕を閉じてから、すでに15年以上の月日が流れた。しかし、今日に至るまで、同作は最高の「ミステリーボックス型SFスリラー」の一つとして、多くのファンの記憶に刻まれている。最終シーズンの展開については賛否が分かれ、その遺産をわずかに汚してしまった感は否めないが、テレビ界における影響力は今なお色褪せていない。
これまで、多くの番組が『LOST』が残した空白を埋めるべく、そのフォーミュラを模倣し、正当な後継者になろうと試みてきた。だが、MGM+の『フロム -閉ざされた街-』のように、登場人物たち自身よりもはるかに巨大なミステリーの中に閉じ込められるという、あの陶酔的な感覚を再現できた作品はごくわずかだ。そして今、Apple TVの『ウィドウズ・ベイ』がその系譜に名を連ねようとしている。
隔離された島、そして「逃げ出せば死ぬ」という残酷な呪い
全盛期の『LOST』がそうであったように、『フロム -閉ざされた街-』は視聴者を画面に釘付けにする独創的な手法を駆使し、次から次へとミステリーの深淵へと誘っていく。序盤の3エピソードを終えた時点で、『ウィドウズ・ベイ』もまた同じ道を歩んでいるように見える。その設定やテーマ性は、先述の2作品に極めて近い。
そんな二作と同様に、本作の舞台は隔離された閉鎖空間だ。この逃げ場のない設定は、キャラクターたちが説明のつかない超自然的な恐怖に常に対処せざるを得なくなる圧力鍋として機能している。特にキャラクターたちの境遇に注目してほしい。彼らには島を離れる物理的な能力があるが『LOST』や『フロム -閉ざされた街-』の登場人物たちがそうであったように、彼らもまた故郷を離れることに苦悩する。なぜなら、その島で生まれた者は、岸辺をあまりに長く離れると死に至るという、恐ろしい「呪い」に縛られているからだ。
『LOST』や『フロム -閉ざされた街-』が持つ神話的なレイヤーは、『ウィドウズ・ベイ』が独自の超自然的伝承を確立する過程で、見事に作品の血肉となっている。

ロッテン・トマト97%。独自の恐怖を刻む『ウィドウズ・ベイ』の真価
物語が進むにつれ、地元の住人たちの奇妙な迷信から、主人公が直面する直接的な超自然的遭遇に至るまで、あらゆる要素が視聴者を恐怖の中へと没入させていく。多くを語ることを控えているが、一つひとつの発見がより大きなパズルへと繋がっていることを示唆する。この「ミステリーボックス」的なアプローチは極めて巧妙だ。『フロム』における夜間のルールといった設定と同じく、『ウィドウズ・ベイ』もまた、初期エピソードにおいて独自の内部論理を構築しつつある。恐怖の全貌はまだ霧の中だが、そこに「何か良からぬもの」が潜んでいることだけは明白だ。
スティーヴン・キングの影響を感じさせる独自の伝承によって、本作はすでに独自のアイデンティティを確立している。それゆえ、単に『LOST』や『フロム -閉ざされた街-』の代わりと呼ぶのは不公平かもしれない。しかし、わずか3エピソードで、ホラー・ジャンルにおける現代の傑作であることを証明してみせた。批評家からの評価も高く、米批評サイトのロッテン・トマトでは97パーセントというパーフェクトに近いスコアを叩き出している。
新たな謎、逃れられない呪い、そして洗練された恐怖。ミステリー好きなら、『ウィドウズ・ベイ』が仕掛ける罠に足を踏み入れない手はないだろう。
『ウィドウズ・ベイ』はApple TVで独占配信中。(海外ドラマNAVI)




