消費者分析や視聴率調査を行う企業ニールセンが、リニア放送とデジタル放送を合わせた視聴率を測るゲージ調査の2月分集計結果の公開を延期すると発表し、業界団体が猛反発している。
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ストリーミングに忖度!?「誤った印象を与えかねない」
米Varietyによると、反発の背景には、ニールセンが新たなデータを導入したことで一部のクライアントがストリーミング視聴者数の低下を懸念し、その結果として2月分のゲージ発表を延期すると発表したことがある。
ビデオ広告業界団体「Video Advertising Bureau(VAB)」のCEOショーン・カニンガムは、ニールセンが2月のテレビ視聴データの公開を遅らせ、過去の算出方法に戻して視聴者数を少なめに計算していることを「不当な操作」と非難。この手法ではケーブルや地上波などの全体視聴が過小評価される可能性があり、公平で中立的な視聴データ提供者としての役割に反しているとしている。つまり、テレビ業界や広告主に誤った印象を与えかねない措置だと受け止められている。

問題となったのは、2026年初旬に導入された新データ「DASH」の適用だ。このデータは、米国の世帯がテレビにどのように接続、または動画対応デジタル機器を利用し、ストリーミングやEコマースアカウントと関わっているかを示すもので、シカゴ大学のNORC研究所と共同で行われたシンジケート調査に基づく。ニールセンは、このデータを活用するとケーブルや地上波の視聴世帯数が一時的に増加する一方で、ストリーミング全体の視聴者数は減少する可能性があることをクライアントに前もって伝えていた。
2月は米NBCや米Peacockでスーパーボウルや冬季五輪が放送されたことから、従来型テレビの視聴者数が増加した。これに対し、NetflixやAmazonなどのストリーミング企業は、自社の視聴者の成長が相対的に目立たなくなることを警戒しており、ニールセンの視聴率調査への対応が難しい状況だ。
ニールセン側は、VABの反発について「VABの会員にはニールセンの競合や広告支持型ビデオ業界の一部も含まれており、誤解が生じるのは当然だ」と説明している。批判されている変更は、すでにニールセンの広告取引用の正式指標「通貨評価」に組み込まれており、放送局と広告主の視聴率に基づく広告売買には影響しない。停止されているのは無料で公開される月次レポートのゲージのみで、業界全体への実務的な影響は限定的だとしている。
一方でカニンガムは、ニールセンの決定を「明らかな操作と業界偏向」と非難。従来型テレビの好調なパフォーマンスを示すデータ公開を遅らせることで、ストリーミング視聴が増加する時代に、あえて市場を操作していると指摘している。「スーパーボウルや米国代表活躍の五輪を含む2月のテレビ視聴者数(の発表)を意図的に遅延・抑制することは、Googleへの迎合やYouTubeブームを煽る行為というだけでなく、明らかに市場への介入行為だ」
今回の騒動は、ニールセンとメディア・クライアント間の最新の亀裂を象徴している。テレビ局は、インタラクティブTVのデータを長年のパネルに導入したことで、ケーブル局の集計、特に18~49歳と25~54歳の視聴者層の算出に問題が生じたと考えている。広告主はこれらの年齢層を、エンタメ番組やニュース番組の視聴デモとして重要視している。
今回のゲージ問題は、従来型テレビとストリーミングの勢力図、さらには広告取引の透明性に直結する業界全体にとって極めて重要な論争となっている。(海外ドラマNAVI)






