緊迫感あふれる人気スパイドラマ『ザ・アメリカンズ』のラストで、KGBスパイであるジェニングス夫妻が捕まるのかどうか、米Entertainment Weeklyが解説している。
(以下、ネタバレがあります)
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夫婦はソ連へ帰還するが…
米FXで2013年から2019年まで放送された本作は、マシュー・リスとケリー・ラッセル演じるフィリップ&エリザベス・ジェニングスを主人公に、1980年代のワシントンD.C.郊外で暮らす一見平凡な夫婦の姿を描く。だが彼らの正体は、15年以上にわたり潜伏してきたKGBの諜報員だ。
物語が動き出すのは、新たに越してきた隣人スタンがFBI捜査官だと判明した瞬間だ。シリーズでは6シーズンにわたり、国家への忠誠と家族への愛という二重生活が、次第に互いを蝕んでいく過程が描かれた。
最終シーズンで、ついにフィリップとエリザベスは追い詰められる。KGBの協力者である神父アンドレイがFBIに拘束され、夫妻の素顔を見ていたことが致命傷となったのだ。さらにゴルバチョフ政権に対するクーデターの噂が浮上し、二人はソ連への帰還を決断する。
その過程で、彼らは息子ヘンリーをアメリカに残すという残酷な決断を下す。娘ペイジは両親の正体を知っているが、ヘンリーは何も知らないからだ。別れの電話はぎこちなく、彼はそれが最後の会話になるとは気づいていない。
物語のクライマックスとなるのが、スタンとの対峙だ。ペイジの寮の駐車場で、ついにスタンは銃を向けてフィリップを問い詰め、観念した彼は自分たちがスパイであることを認める。スタンは親友であるはずのフィリップに裏切られて激昂するが、彼は最終的に引き金を引かない。夫妻からヘンリーを託されたスタンは、二人を逃がす。
この場面についてスタン役を演じたノア・エメリッヒは、「善悪や政治を超えて、人間性が勝った瞬間だったと思います。スタンとフィリップ、そして家族の間には深い絆があり、そのすべてを壊すことは彼にはできなかったのです。正当化される行為だったとしても、彼はそれを選べなかったのだと思います」と語っている。
一方、ペイジは国境で列車を降り、アメリカに残ることを選ぶ。両親は彼女がいないことに気づいた時、すでに列車は走り出していた。ペイジが向かったのは、かつての隠れ家だった。
最終的にフィリップとエリザベスは、捕まることなくソ連へ帰還。モスクワの灯りを前に、二人は失われた年月と、置いてきた子どもたちのことを思う。祖国に戻ったものの、そこはもはや知っている場所ではない。
『ザ・アメリカンズ』の結末は逃亡の成功でも逮捕でもなく、「代償」とともに生きる夫婦の姿だった。その余韻こそが、本作を屈指のスパイドラマたらしめていると言えるだろう。
『ザ・アメリカンズ』全シーズンは、Disney+(ディズニープラス)で配信中。(海外ドラマNAVI)





