ニュース

ベネディクト・カンバーバッチの“脆い”父性が胸を打つ!最新映画『The Thing with Feathers』

2025年10月7日 ※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます

ベネディクト・カンバーバッチ『The Thing with Feathers(原題)』

ベネディクト・カンバーバッチが主演を務める新作映画『The Thing with Feathers(原題)』での熱演が、いま批評家から大きな称賛を集めている。本作は、妻を突然亡くした父親が、深い絶望のなかで二人の息子を育てようとする物語である。主人公は、耐えがたい悲しみと向き合うなかで、「カラス」と呼ばれる不思議な生き物の幻覚に苦しめられることになる。

モモ
【映画レビュー】「モモ」映画版、マーティン・フリーマンが「時間」を操る!

「ネバーエンディング・ストーリー」の作者として知られるミヒャ …

悲劇を乗り越える新しい男らしさ:ベネディクト・カンバーバッチ主演作の衝撃

マックス・ポーターのベストセラー小説「Grief is the Thing with Feathers」を原作に、ディラン・サザーン監督(『ノー・ディスタンス・レフト・トゥ・ラン ~ア・フィルム・アバウト・ブラー』)がメガホンをとった本作は、主人公と息子たちの心の絆、喪失の痛み、そしてそこから生まれる希望のメッセージを描く感動作として注目されている。

ベネディクト自身は、本作を通じて「悲劇や困難を力で抑え込むのではなく、そこから学ぶことが大切だ」と語っている。彼は、従来の“強い男”像とは一線を画し、悲しみや脆さにも正面から向き合う男らしさを体現。特に、亡き妻の遺品整理のシーンなどは自身にも強く響いたと明かし、社会的に困難に直面する人々への支援の重要性を訴えている。

望まぬ存在「カラス」がつきまとう、絶望の淵に立つ父親の孤独

物語は、突然の不幸に見舞われた父親が、心の闇に沈みつつ二人の息子と共に生活するさまを描く。心の奥底に沈む悲しみのなか、主人公はカラスという羽を持つ生き物の幻覚に悩まされるようになる。このカラスは、彼の悲しみをあざけるように、常に生活に付きまとい、望んでもいないのに心の中で鳴り響く。

予告編では、ベネディクト演じる父親が、家に現れた望まぬ存在と格闘する様子が痛々しく描かれている。当然、子どもたちも父親に異変があることに気づき始める。「お父さんは物語を語っていた。お父さんが変わると物語も変わった」という、子どもの言葉は、父親の心の変調を象徴していると言えるだろう。

スーパーマーケットの通路で取り乱す主人公に、カラスがスピーカー越しにあざけの声を浴びせるシーンなどは、彼の精神的な危機を強く印象づける。「お前は本物じゃない」と鋭く言い放つ主人公の姿は、彼がいかに現実と幻覚の狭間で苦しんでいるかを示している。

絶賛と賛否が交錯する批評:ベネディクトの「卓越した」演技

映画批評サイトRotten Tomatoesでは、批評家スコアが53%と賛否が分かれている状況だ。しかし、多くの批評家はベネディクトの「卓越した」演技を称賛。

Colliderは、本作を「喪失を経験した人にとって胸を締め付けられるほど辛く苦しいが、ある意味で浄化作用のある作品」と高く評価した。

一方で、作品の比喩的アプローチが直截的すぎる点に納得していない一部の意見も見られる。

IGN Moviesは「薄っぺらい比喩は物語から感情的な力を奪い、本来の意図とは正反対の結果になっている」と指摘し、「ベネディクトは喪失に苦しむ父親役に全身全霊で挑んでいるが、映画は彼に求めるものを大きく誤算している」と厳しく評価している。

このように、作品全体への評価は分かれているものの、悲しみと絶望に立ち向かう父親を演じきったベネディクトの演技は、間違いなく本作最大の見どころであり、観る者の心を揺さぶることは間違いないであろう。

『The Thing with Feathers(原題)』はイギリスで10月24日より劇場公開。日本での公開は未定。(海外ドラマNAVI)

参考元:Digital Spy

Photo:Instagramアカウント@thingwithfeathersmovieより

  • この記事を書いた人

海外ドラマNAVI編集部

海外ドラマNAVI編集部です。日本で放送&配信される海外ドラマはもちろん、日本未上陸の最新作からドラマスターの最新情報、製作中のドラマまで幅広い海ドラ情報をお伝えします!

-ニュース
-,