大ヒット映画『プラダを着た悪魔』がなければ、『SEX AND THE CITY』(以下『SATC』)のキャリー・ブラッドショーがスクリーンに登場することはなかったかもしれない。米HBOの元トップが『SATC』映画版の製作秘話を語った。米Entertainment Weeklyが伝えている。
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『プラダを着た悪魔』の成功が企画を軌道に乗せた
HBOで1998年から2004年まで全6シーズンにわたって続いた人気ドラマ『SATC』。ニューヨークで暮らすキャリーをはじめとした女性4人の恋と友情を描いたこの作品は、登場人物たちの華やかなファッションと性に関する赤裸々な本音もあって世界的なヒットを記録した。2008年には劇場用映画も作られたが、ドラマシリーズ終了から4年かかったのには、キャストの契約や準備期間以外の理由があったという。
HBOの会長兼CEOであったクリス・アルブレヒトが、『SATC』のシャーロット役で知られるクリスティン・デイヴィスのポッドキャスト番組『Are You a Charlotte?(原題)』に登場し、映画化の舞台裏を語った。彼によれば、映画化にゴーサインが出るまでに苦労があったという。アルブレヒトは映画化のための脚本を発注したものの、当初は資金を調達することができなかったのだ。「当時のHBOは得意分野(ドラマシリーズの製作)から踏み出すことに臆病になっていた時期でもありました」と、慣れない分野(映画の製作)に二の足を踏んでいたことを回想する。
そんな中、2006年に『プラダを着た悪魔』が公開された。ニューヨークの人気ファッション雑誌で働くことになったジャーナリスト志望のヒロインが、鬼編集長にしごかれながら大人の女性へと変身していくこの映画の大ヒットが、『SATC』映画版の道を切り拓くことになったという。『プラダを着た悪魔』の成功を目の当たりにしたアルブレヒトは、ほかの役員たちに「我々の映画を先に作られてしまった」と発言。この勢いに乗り、『SATC』の映画化企画は当時のHBOの親会社Time Warnerに持ち込まれ、New Line Cinemaが製作を担うことになった。
アルブレヒトは、『プラダを着た悪魔』の成功が『SATC』の映画化を「軌道に乗せた」と認めた上で、観客に与えた体験の大きさという点では『SATC』の映画版が『プラダを着た悪魔』を「上回っていた」と主張する。「なぜなら、あの映画は6年という歳月をかけた旅の終わりとなったからです。ファンが心の底から待ち望んでいた結末を届けることができたのですから」
そんな彼の発言を証明するかのように、キャリーたちの物語の続きを描いた映画版は『プラダを着た悪魔』を超える興行収入を記録(3億2670万ドル:4億1880万ドル)。予算の6倍以上の大金を稼ぎ出し、2年後の2010年には映画2作目も作られた。
『SATC』映画化にとって突破口を開くきっかけとなった『プラダを着た悪魔』は現在20年ぶりの続編を製作中だが、続編ドラマ『AND JUST LIKE THAT…/セックス・アンド・ザ・シティ新章』の終了によりついに幕を下ろす『SATC』ユニバースも将来、何かしらの形でよみがえることはあるのだろうか。
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