『イエローストーン』や『タルサ・キング』など、数多くの人気シリーズを生み出しているテイラー・シェリダン。しかし今年も、彼の作品はエミー賞の主要部門から完全に無視される結果となった。(第77回エミー賞主要部門ノミネート一覧はこちら)業界内外で高い評価を受け、Aリスト俳優たちも多数出演しているにもかかわらず、なぜシェリダン作品はエミー賞に選ばれないのだろうか。
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今年のエミー賞主要部門でも、『ランドマン』や『メイヤー・オブ・キングスタウン』、『イエローストーン』の最終シーズンなど計6作品が候補資格を持ちながら、主演俳優賞や作品賞などの主要カテゴリには一切ノミネートされなかった。
Paramount+がエミー賞突破の本命として期待していた『ランドマン』も、主演のビリー・ボブ・ソーントンがゴールデングローブ賞にノミネートされた実績がありながら、今回のエミー賞では無視される形となった。なお、アクションや美術といった技術部門でわずかに評価され、『タルサ・キング』と『特殊作戦部隊:ライオネス』がスタント部門で、『1923』が美術・衣装部門でノミネートされたが、主要部門ではない。
シェリダンがハリウッドから無視される理由
シェリダンの作品がエミー賞で毎年のように無視される背景には、いくつかの“事情”があると業界関係者は語っている。米The Hollywood Reporterは、彼の作品が保守派に強く訴える作風であることが理由の一つだと挙げている。
『イエローストーン』の主人公ジョン・ダットンによるヴィーガン活動家への説教や、『ランドマン』でのグリーンエネルギー批判など、保守的な価値観を前面に出す場面が注目され、“右寄り”のレッテルを貼られがちだからだ。
もう一つの理由は、シェリダン作品を配信するParamount+のブランド力の弱さだ。同社は設立からわずか4年で、いまだに「『スター・トレック』シリーズとシェリダン作品のチャンネル」という印象が強い。例えば、『1923』がHBOの作品であれば、エミー賞の評価はまったく違っていたかもしれない。
その他にも、シェリダン自身の“業界ウケの悪さ”がある。ロサンゼルスを離れ、テキサスの巨大牧場に拠点を移した彼は、ハリウッドの賞レースに関心を示さず、業界との距離を置いてきた。本人の姿勢や発言が物議を醸すこともあり、才能は認めつつも「好きではない」と感じている関係者も少なくないようだ。
とはいえ、エミー賞にノミネートされなくても作品の魅力は変わらない。夢中になって番組を視聴者するファンにとっては、特に大きな問題ではないと言えるかもしれない。
テイラー・シェリダン作品の配信先一覧
作品名 | 配信サービス | シーズン |
---|---|---|
イエローストーン | Paramount+ | シーズン1~4 |
タルサ・キング | Paramount+ | シーズン1 |
ランドマン | Paramount+ | シーズン1 |
メイヤー・オブ・キングスタウン | Paramount+ | シーズン1~3 |
1923 | U-NEXT | シーズン1 |
特殊作戦部隊:ライオネス | U-NEXT | シーズン1~2 |
(海外ドラマNAVI)