イギリス生まれの長寿ドラマ『ドクター・フー』で15代目ドクターを務めてきたンクーティ・ガトワが降板した。英BBCほか複数のメディアが伝えている。(※この記事は、2005年から始まったリバイバル版のシーズン15フィナーレに関するネタバレを含みますのでご注意ください)
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15代目ドクター、降板について語る
遠い宇宙からやってきて時空を自在に旅する異星人のドクターが、電話ボックスに見えるタイムマシーン「ターディス」を操り、コンパニオンと呼ばれる仲間たちとともに先々で起こる奇妙な事件を解決していく姿を描く『ドクター・フー』。もともとは英BBCで1963年にスタートしたSFドラマで、放送中断や制作形体を変更しながらも続いている。
主人公のドクターは、『007』シリーズのジェームズ・ボンドのように俳優が代替わりする形でこれまで10人以上が演じてきたが、2023年に就任した15代目のンクーティが、今年5月31日(土)にリリースされたシーズン15のフィナーレで降板。シーズン2第8話「The Reality War(原題)」で世界の危機を前に巨大な敵と戦ったドクターは、幼い少女の命を救うために自ら犠牲となる。
ドクターとしての役割を2年で終えたンクーティが、降板について次のように語った。「(ドクター役に)キャスティングされた時、いつかは(ドクターのアイテムである)ソニック・ドライバーを返さなければならないことも、すべてが終わりを迎えることも分かっています。とはいえ、その瞬間に向けて心の準備ができるわけではありません。本作での経験は私にとって決して忘れがたいものであり、この役は永遠に私の一部となるでしょう。ドクターとして配役されること、60年以上も続き世界中の人々に愛されている象徴的な役として迎え入れてもらったことがどんな気持ちなのかを言い表すことはできません」
「この作品にとってファンは不可欠なキャラクターであり、鼓動を刻む心臓です。私を迎え入れてくれ、こんなにも感動的な体験をさせてくれたフーニバースとフーヴィアンには感謝してもしきれません。あらゆる瞬間が本当に大好きでしたが、今は愛すべき青いボックスの鍵を次の誰かに託す時です。その人が、私と同じくらいこの役を楽しんでくれることを願っています。この役のことを恋しく思うでしょうし、ずっと感謝の気持ちを抱き続けます。私の旅路に関わってくれたすべての人に、感謝しています」
SPOILERS! Watch the moment we said goodbye to the Fifteenth Doctor and hello to… #DoctorWho pic.twitter.com/QP0KWoj7vQ
— Doctor Who (@bbcdoctorwho) May 31, 2025
なお、ンクーティ演じるドクターが再生する過程で新たに姿を見せたのはビリー・パイパーだったこと(上記動画参照)も大きな話題を呼んでいる。ビリーといえば、1963年から1989年までで一旦終了した『ドクター・フー』が、2005年にリバイバル版として復活した際、その初代となる通算9代目ドクター(クリストファー・エクルストン)と、それに続く10代目ドクター(デヴィッド・テナント)のコンパニオン役、ローズ・タイラーを演じていたことでおなじみだ。2013年を最後にローズ役として姿を見せたことはなかったビリーが、再生の瞬間になぜ、どうやって戻ってきたのかは、まだ明らかになっていない。
この驚きの展開について、クリエイターのラッセル・T・デイヴィースはこう語る。「ビリーは2005年、テレビそのものを変えてしまった。そして今回、再びそれをやってのけたんです! 彼女をターディスに迎え入れるのは名誉でもあり、とても楽しいことです。でも“誰が、なぜ、どうして”なのかは、まだ語られていない物語。62年経っても、ドクターの冒険はまだ始まったばかりです!」
『ドクター・フー』復帰について、ビリー本人はこう述べている。「私がこの作品をどれくらい愛しているかは、みんな知ってるわよね。ずっと“またフーニバースに戻ってきたい”と言い続けてきたから。ここには私の最高の思い出が詰まっているから、もう一度ターディスに乗るチャンスをもらえるなんて断れるはずがないの。とはいえ、“誰が、どうして、いつ、どのように”については…先のお楽しみよ」
なお、BBCは元ドクターとなったンクーティの撮影終了後のスピーチ映像を投稿。キャストやデイヴィースが見守る中、彼は感動的な言葉を綴り、最後は共演者たちと写真撮影を行っていた。ンクーティも自身のInstagramを更新。番組のオフショット画像とともに、コンパニオン役のミリー・ギブソン(ルビー・サンデー役)、ヴァラダ・セス(ベリンダ・チャンドラ役)ら共演者に感謝している。
『ドクター・フー』シーズン1~13はHulu、シーズン14~15はDisney+(ディズニープラス)にて配信中。(海外ドラマNAVI)
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