グレッグ・ターザン・デイヴィス、撮影は「トム・クルーズの『ミッション:インポッシブル』学校に通うような体験」

トム・クルーズ演じるイーサン・ハントが数々の不可能なミッションに挑む大ヒットスパイ・アクションシリーズ『ミッション:インポッシブル』。シリーズ第8作となる『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』が本日より劇場公開される。このたび、イーサンを捕らえる任務を請け負うCIAエージェント・ドガを演じるグレッグ・ターザン・デイヴィスにインタビュー! 本作への思いや、撮影の舞台裏について話を伺った。

【インタビュー】『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』グレッグ・ターザン・デイヴィス

――本シリーズに参加するにあたり、どのような準備や肉体づくりをしましたか?

『ミッション:インポッシブル』シリーズの撮影では、全てがリアルなので、その世界を生き、キャラクターとして存在するようになります。なので撮影が始まる前に、この映画に必要なスキルを身に着けるため、昼夜問わず集中的なトレーニングが必要でした。身体を鍛えるだけでなく、トムがこの映画の準備として共演者に課すプログラムのようなものです。つまり僕の役作りは、いわば「トム・クルーズの『ミッション:インポッシブル』学校」に通うような体験だった、ということです。

――そのプログラムは、どれくらいの期間あったのでしょう。

みっちりトレーニングをしたのは、たしか2ヶ月ほどです。撮影期間中も、せっかく作った身体を落とさないように、体型を維持するためのトレーニングを続けました。スケジュールの都合で、会話中心のシーンを撮り、その1~2か月後に大きなアクションシーンが待っているということもあります。なので、アクションシーンに備えてまたトレーニングを始める、というサイクルの繰り返しでした。

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』グレッグ・ターザン・デイヴィス
©2025 PARAMOUNT PICTURES.

――『トップガン マーヴェリック』にはコヨーテ役で出演していますが、その頃からトム式のトレーニングを続けてきているんですか?

最初に、これだけは言わせてください。トムと最初に出会ったのは『トップガン マーヴェリック』よりもだいぶ前なので、彼のトレーニングプログラムにはもう7~8年ほど参加していて……。そろそろドーナツが食べたい! 甘いものが恋しいんです(笑)

彼のプログラムに参加できたことは、本当に良かったと思っています。これは単に肉体的な試練を乗り越えるだけでなく、自分自身を信じ、何でもできるようになる、という精神的な旅でもありましたから。そして、トムと一緒にスカイダイビングやダートバイク、マーシャルアーツなど、今まで一度もやったことのないことに挑戦しました。彼のおかげで、あらゆることに挑戦できたんです。そして今、クレイジーなことに果敢に挑むのが好きでいることを、嬉しく思っています。

『トップガン マーヴェリック』の撮影後に、パイロットの免許も取得したんです。そういうクレイジーなことは何でもやってしまうんですよ。

――『ミッション:インポッシブル』シリーズはトムがすさまじいスタントに挑戦することでお馴染みですが、いつかそういったスタントに挑戦したいと思いますか?

絶対にやらないとは言いませんが、まあ今すぐ「やります!」とは言えませんね(笑)先ほども話したように、トムの熱意や自信は伝染するんです。あの人といると、自分は何でもできるって気にさせられます。だからって、自分から「飛行機の翼にぶら下がろうぜ!」なんて積極的にやりたいかって言うと、そんなことはないです。でも、もし将来的に「やらなきゃダメだ」ってことになったら、やりますよ。

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ
©2025 PARAMOUNT PICTURES.

――長い期間、同じキャラクターを演じるなかで、役への理解やアプローチなど、何か変化はありましたか?

前作の撮影が始まった2020年から、5年近くドガと共に生きる機会を得ました。それが、この作品の理解を深める上で本当に役に立ったんです。スクリーンで完成したものを見るのと、実際にその世界の中で生きるのとでは、全く違うことですからね。

長い年月が経った分、役柄に対する自分の理解や解釈が深まったという意味では、役者としてすごく冥利に尽きますし、役作りをしっかりやっていけるのはとても恵まれているとも思います。この映画を通して、僕たちがこの4~5年の間にどんな道のりを歩んできたか、皆さんにご覧いただけるのが楽しみで仕方ありません。

――本作では、AIによってもたらされる危機が描かれていますが、脚本を読んだ際にどんな感想を抱きましたか。

エンティティという存在にまつわるAI関連の話などの、みんなが話題にしていることが反映されていて面白いと思いました。

ただ、クリストファー・マッカリー監督とトムが目指しているのは、観客を純粋に楽しませたいということです。壮大なスケールやAIが象徴する概念とは別に、これは「正しいことをしようとする人々」についての物語でもあります。

登場人物はみんな自分が正しいと信じていて、僕が演じたドガもそういった人物の一人です。自分は正しいことをしていると思っているけれど、もしかしたら全く間違っているのかもしれない。僕たちが下した決断が正しかったのか、それとも間違いだったのかは、終わってから分かるものですからね。そういった点が僕にとってとても興味深かったです。

個人的には、膨大な数のロケーションが脚本の時点で出てくるので、「ここすべて行けるのか!」とワクワクしました。あと、僕が演じるドガは、イーサンを追う立場から彼の味方へと立場が大きく変わります。そういった展開にも強く惹きつけられました。

グレッグ・ターザン・デイヴィス

――今作は世界中の美しい景色も見どころの一つですよね。特に思い出のある国やシーンがあれば教えてください。

撮影で訪れた場所の中では、ノルウェーのスヴァールバル諸島が印象的でした。世界の頂上のようなところで、とにかく寒かったです。確か気温はマイナス30度に達したと思います。そこで、ホッキョクグマを間近で見ることができたんです! 『ミッション:インポッシブル』をやっていなかったら、絶対にこんな経験はできなかったでしょうね。

――今回、初めての来日ですよね。SNSですでに様々な食事を楽しんでいる様子を拝見しました。

日本はずっと訪れてみたかったので、今回この映画のプロモーションで初めて来ることができて、本当に嬉しいです。

初日の夜にお寿司屋さんに行ったのですが、本当に素晴らしかったです。魚市場にも足を運んだんですが、あそこも最高でしたね。それと、まだラーメンを食べていないので、これから行くつもりです。

あとは、ファミリーマートで「ファミマの一押し」と言われた「たまごサンド」を食べました。それがとんでもなく美味しくて! TikTokにあげたら大反響でした。

――本作を視聴しましたが、まさに映画館で見るべき作品だと感じました。コロナ禍以降、映画館に足を運ぶ観客が年々減ってきていると言われていますが、俳優としてこの現状についてどのように考えていますか?

子どもの頃は毎週末、母が映画館に連れて行ってくれたおかげで、僕は映画が大好きになりました。母と一緒に笑ったり泣いたりした記憶が何度もあります。だから、映画館が衰退の一途を辿っているといった話を聞くと、映画業界に属する一人として悲しくなりますね。

『ミッション:インポッシブル』のような映画は、できるだけ大きなスクリーンで、できればIMAXで見てほしいです。当然、観客の方やファンの方も、なるべく大きなスクリーンで見たいと思ってくれる作品だと思います。

そういった意味で、僕は微力ですが、俳優や裏方、監督、プロデューサーといった映画業界の作り手側が、とにかく質の高い、素晴らしい映画を作れば、皆おのずと「映画館で見たい」という話になってくると思うんです。そうすると、少しは観客も回復してくるのではないか、と僕は願っていますし、信じています。この映画がそういったきっかけになればうれしいです。

――最後に、日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

僕たちが全身全霊で作り上げた壮大な冒険の旅を、ぜひ大きなスクリーンで体験していただきたいです。皆さんを楽しませるために注ぎ込んだ僕たちの努力を、心ゆくまで楽しんでいただければと願っています。

そして、皆さんの感想を聞くのが待ちきれません! 映画を見終わったら、ぜひ僕のSNSに感想を投稿してください。皆さんからのコメントにお答えします。皆さんと直接お話しできるのを、楽しみにしています!

グレッグ・ターザン・デイヴィス

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』公開情報

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は本日5月23日(金)より公開。