ポム・クレメンティエフ、トム・クルーズは「最高のメンター」【インタビュー】

トム・クルーズ演じるイーサン・ハントが数々の不可能なミッションに挑む大ヒットスパイ・アクションシリーズ『ミッション:インポッシブル』。シリーズ第8作となる『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』がいよいよ公開となるが、本作で冷酷無慈悲な暗殺者・パリスを演じるポム・クレメンティエフにインタビュー! 演じるキャラクターの魅力や、トムとのエピソードについて語ってくれた。

【インタビュー】映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』ポム・クレメンティエフ

――カリスマ性のあるヴィランからイーサンの味方へと立場が変わっていく役どころですが、そんなパリスにどんな魅力を感じながら演じましたか?

パリスは、敵を倒すための高いスキルを持って誰にも恐れず容赦なく攻撃し、いつでも全てを破壊する覚悟を持つ側面がある一方で、心の奥底ではすごく傷つきやすい部分も抱えています。そういうところがすごく好きですし、彼女の魅力だと思います。

ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング
©2025 PARAMOUNT PICTURES.

――初めて脚本を読んだ際はどんな感想を抱きましたか。

普通の映画は脚本が届いて、それに沿って撮影が進むと思いますが、この作品は違うんです。常に物事が変化し続けるので、臨機応変に対応しなければいけなくて。変化を繰り返すので、私が「きっとこうなるだろう」と思っていても必ずそうならないところが、すごくワクワクさせられる作品です。

――北極圏やイギリスのミドルトン鉱山、南アフリカのドラケンスバーグ山脈、ブリュッセルなど、様々なロケーションで展開される本作ですが、訪れた中で最も印象的だったのはどこなのでしょう?

北極圏のスヴァールバル諸島がやはりすごく印象的でした。とても美しかったのはもちろん、撮影以外ではトムがスノーモービルを運転してロケーションハンティングをしていたのも印象深いです。私はトムの後ろに乗って移動しましたが、その時の景色は息をのむほど美しかったですね。

あと、ものすごく気温が低かったので…。あまりの寒さに鼻がもげるかと思いました(笑) 「撮影を中止しなければ」と言われて「鼻の感覚がないんです」と返すと、「暖まらないと凍傷になりますよ」って。そういった厳しい状況にも対処する必要があったこともとても印象的でした。

ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング
©2025 PARAMOUNT PICTURES.

――ポムさんはアクションができる俳優というイメージが強く、元々マーシャルアーツの経験もおありですよね。今回のシリーズに参加するにあたり、どんなトレーニングや準備をしましたか?

前作から継続しているトレーニングをたくさんやりましたね。例えばピラティスは、正しい姿勢を保ち、体幹や膝・足首を強くし、怪我をしないようにするために行っています。また、インターバルトレーニングは、素早い動きの切り替えを維持するのに役立ちますし、姿勢にも良いんです。こうしたトレーニングで、早朝から深夜まで撮影を続けるためのスタミナをつけました。

そのほかにも、スタントチームと一緒にキックやパンチを使用したファイト・コレオグラフィーとファイト・トレーニングの練習や特定のシーンのための細かい動きの練習を徹底的に行うなど、とにかく様々な準備をしました。撮影の途中でも「これをやってみたらどうだろう」というアイデアが出ることもあるので、それにすぐ対応できるように準備しておかなければならないんです。

――『ミッション:インポッシブル』シリーズは、トムのすさまじいスタントが見どころの一つだと思いますが、彼のようなスタントに挑戦してみたいですか?

トムと自分を比べるつもりはありません。トムは唯一でとても素晴らしい存在ですから。ですが、もちろん、私が実生活で好きなことを映画に取り入れるのを実現したいと思っています。例えば、スカイダイビングはすごく好きなので、いつか映画の中でやってみたいです。あとは、映画で馬に乗りたいですし、バイクに関連したことも何かやってみたいですね。

――トムとの共演で、なにか影響を受けましたか?

誰かと長い時間を過ごすと、その人に触発されるものですよね。それが、以前よりも危険なことにも挑戦してみよう、という気持ちにさせてくれたと思います。ただ、それは常にトレーニングを尊重し、自分より優れた人から少しずつ学んでいく姿勢があってのことです。私は危険で無謀なやり方をしないように、トレーニングを欠かさずに行い学んでいます。そして、その過程を常に尊重しています。

そうすることが好きですし、学ぶことが大好きなんです。もともとそういう気質は自分の中にあったのですが、トムと長い時間を過ごしてさらにそれが強くなった、という感じです。

あと、今までは私が何かをやろうとすると「危ないからやめろ」と止められることが多かったのですが、トムは、私が「スカイダイビングを学びたい」と言うと「やればいいじゃないか!」と背中を押してくれるんです。私のことを信じてサポートしてくれるところが、私にとって本当に最高のメンターのような存在でした。

ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング
©2025 PARAMOUNT PICTURES.

――今回の来日を非常にうれしく思います。Instagramのストーリーズで、日本の滞在を満喫されている様子を拝見しました。

花の動画を撮るのが大好きなので、散歩して美しい花をたくさん見ました。公園で散歩していた時に凧で遊んでいる子どもを見かけたり、おいしい日本食をたくさん食べたり…日本は何でもすごく綺麗ですね。

あと、『攻殻機動隊』の展示を見に行きました! すごくかっこよくて、Tシャツも買っちゃいました。

――ポムポムプリンも…?

そう! グッズを買いすぎて、追加のスーツケースも買いました(笑)

――本作はまさに映画館で見てこその映画だと思いますが、ポムさんにとって映画館での映画体験のメリットは何だとお考えですか?

やはり、周りの人と同じリアクションを肌で感じながら見られることです。観客が息をのんだり、一斉に笑ったり、感動して泣いたりする。そういった経験をみんなで分かち合えることが大きいですね。そして、大きなスクリーンで圧倒されるので、自分の記憶にも長く残ります。携帯電話などの小さな画面で観るのとは全く違いますよね。

――最後に、本作を楽しみにしているファンにメッセージをお願いします。

観客はみんな、この映画に衝撃を受けるでしょう。本作は、『ミッション:インポッシブル』シリーズ全ての要素が組み合わさった、集大成になっています。この映画自体に面白い要素が満載なのはもちろん、これまでに登場したキャラクターや細かいネタも散りばめられています。ファンにとってはたまらないはずです。ぜひ楽しみにしてください!

パリス役ポム・クレメンティエフ

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』公開情報

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は5月17日(土)〜22日(木)から先行上映、5月23日(金)に公開。