
2023年5月、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(以下WBD)は動画配信サービスの名称を「HBO Max」から「Max」へと変更したが、それから2年が経ったタイミングで元の名称へ戻すことが発表された。なぜ、2年という短い期間で再び元に戻す決断を下したのだろうか?
ジョン・スノウの蘇りになぞらえる
米Varietyによると、動画配信サービスの名称の再変更は、ニューヨークで行われたWBDの広告担当者向けプレゼンテーションにて発表された。最近、WBDはMaxのロゴをHBOを思わせる白黒デザインへと変更、そして今夏、名称をかつて使用していた「HBO Max」に戻す予定だ。
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— Max (@StreamOnMax) May 14, 2025
2022年にワーナーメディアとディスカバリーが合併した後、CEOのデヴィッド・ザスラフはディスカバリーの番組をワーナー・ブラザースとHBOの豊富なコンテンツと統合するため、改革の一環としてHBO MaxからMaxにリブランドした。その変更は、HBOが視聴者に提供できるコンテンツの豊富さを示すためだったと言われているが、この度の名称再変更はWBDがNetflixほど幅広いサービスを提供できていない事実を認める形となったとも言える。
WBDはプレスリリースにて、「HBOブランドをHBO Maxとして復活させることでサービスを前進させ、加入者が期待できる独自性をさらに高めることが可能です」と説明。また、ストリーミング事業の成長を力強くアピールしたWBDは、過去2年間で同事業の収益性を30億ドル(約4350億円)近く改善し、過去1年間で2200万人の加入者を増やしたと指摘。同社によると、2026年末までにストリーミングサービスの加入者数は1億5000万人以上に達する見込みだという。
しかし、動画配信サービスのブランド名が二転三転したことで、消費者の間で少なからず混乱を招いたことは否めない。WBDのソーシャルメディアチームは、名称がHBO Maxに戻ったというニュースがインターネットで話題になることを自覚し、先手を打って自虐キャンペーンを展開している。
Maxの公式X(旧Twitter)はプロフィールに、「一連のブランド名変更が私を殺そうとしている」と表示。そして夏の名称変更に向けて新たに作られたHBO Maxの公式Xは、HBOの人気ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』で一度死んだジョン・スノウが蘇るシーンの動画に、「一度死者となればもう死ぬことはない。HBO Maxが今夏カムバック。アプリは同じだが名前は新しい」と、コメントを添えて投稿している。
What is dead may never die. HBO Max coming this summer. Same app, new-ish name. pic.twitter.com/XVQSby8qjE
— HBO Max (@hbomax) May 14, 2025
名称がMaxからHBO Maxに戻ることで同ストリーミングサービスがどのような発展を遂げていくのか、注目したい。(海外ドラマNAVI)
Photo:『ゲーム・オブ・スローンズ』Game of Thrones © 2016 Home Box Office, Inc. All rights reserved.HBO® and related service marks are the property of Home Box Office, Inc. Distributed by Warner Bros. Entertainment Inc.