1990年より、10シーズンにわたって放送された人気ドラマ『ビバリーヒルズ高校/青春白書』(以下『ビバヒル』)で、シーズン6をもって降板したディラン・マッケイ役の故ルーク・ペリーは、なぜ番組を去った後にシーズン9でレギュラーとして復帰したのだろうか。
一度降板を決めたルーク・ペリー
ディラン役で大ブレイクを果たしたルークが、人気絶頂だったシーズン6で番組を去ったのは、より成熟した役を求めていたからだという。1994年にルークは、実在のカウボーイを描いた主演映画『エイト・セカンズ/伝説の8秒』についてEntertainment Weekly のインタビューを受けた際、『ビバヒル』がシーズン5で終了したら「俳優として原点に戻れる」と語っていた。「自分にとって最高のシナリオは、俳優として原点に戻ることです。つまり、人々がこのTV番組(『ビバヒル』)の先入観に縛られていなくて、酷い映画に出演した僕を観ていない地点ということです」
ディラン役のイメージを払拭するために番組を降板したルークは、その当時、異なるタイプのプロジェクトに挑んでいた。アニメシリーズ『Mortal Kombat: Defenders of the Realm(原題)』では悪役サブゼロの声を担当し、『ボディ・リップス』や『アメリカン・バイオレンス』などの映画にも出演。リュック・ベッソン監督のSF大作映画『フィフス・エレメント』ではビリー役を獲得したが、『ビバヒル』を超える成功は手に出来なかった。
結果としてルークは、シーズン9で『ビバヒル』に復帰し、ファイナルシーズンまでディラン役を演じ続けた。その後にルークは、犯罪ドラマ『OZ/オズ』シーズン4~5の10話で牧師のジェレマイア役を演じ、『クリミナル・マインド FBI行動分析課』や『レバレッジ ~詐欺師たちの流儀』など数多くの人気ドラマシリーズにゲスト出演。人気青春ドラマ『リバーデイル』では主人公アーチーの父親フレッド役で3シーズンにわたりレギュラー出演し、クエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』では俳優ウェイン・モウンダー役を演じ、鮮烈な印象を残した。
ルークが望んでいた成熟した役を演じて評価され、第二の成功の波に乗り始めていた矢先に亡くなったことが、何とも惜しまれる。
ルークの代表作の一つとなる『リバーデイル』全シーズンは、Netflixにて配信中。
Photo:Instagramアカウント@dylanlovesbrendaより