『ザ・ボーイズ』クリエイター、新スピンオフの裏話やトランプ銃撃事件との類似について語る

Amazon Prime Videoの人気ドラマ『ザ・ボーイズ』でクリエイターを務めるエリック・クリプキが、新作スピンオフや本家のファイナルシーズン、さらにトランプ銃撃事件との類似点などについて語った。米Varietyが伝えている。

『SUPERNATURAL』版のポケモンを集めてる?

先日当サイトでもお伝えした通り、『ザ・ボーイズ』の新作スピンオフ『Vought Rising(原題)』の制作が明らかに。その作品では、本家にすでに出てきたソルジャー・ボーイ(ジェンセン・アクレス)とストームフロント(アヤ・キャッシュ)が主人公になるのだが、このスピンオフのアイデアはかなり前からあったという。

7月26日に開催されたサンディエゴ・コミコンのパネル出演後にVarietyの取材に応じたクリプキが、「スピンオフの提案をするためAmazonに行った時、実は『ジェン・ブイ』と『Vought Rising』の二つを持って行ったんだ。その時、“まずは『ジェン・ブイ』から始めてみて、それがうまくいったら『Vought Rising』をやろう”と言われた」と経緯を説明。「人がどのように今の自分になったのかという過程に惹かれる」と話す彼は、「中折れ帽とかトレンチコートとかをクラシカルに使って『L.A.コンフィデンシャル』のスーパーヒーロー版みたいなものをやるのは、それだけでとにかく楽しいだろう」と『Vought Rising』の方向性について述べている。

ザ・ボーイズ

ジェンセン演じるソルジャー・ボーイは、このスピンオフシリーズで主役を張るだけでなく『ザ・ボーイズ』ファイナルシーズンにも帰ってくることが正式に発表された。「シーズン5で彼はかなりたくさん登場するよ」と話すクリプキ。「彼にはビッグなキャラクターになってほしいんだ。彼と息子であるホームランダーの間には良い親子の感情がいっぱいあるけど、これまでは実際に描く機会がなかったから本当に興味を持っている」と劇的な親子関係が描かれる可能性を示唆した。

そんなクリプキは本家のシーズン4解禁前に、主演作が打ち切られたことで時間ができた盟友ジャレッド・パダレッキにシーズン5への出演を持ちかけ、話し合いをしているとほのめかしていた。クリプキとジャレッドの代表作でもある『SUPERNATURAL スーパーナチュラル』のファンは今もなお根強く、同作で一緒に仕事をしたジェンセンやジェフリー・ディーン・モーガンの『ザ・ボーイズ』出演でも大いに沸いたが、ここに来て浮上したジャレッド出演説でさらに盛り上がりが加速。『SUPERNATURAL』キャストのリユニオンを期待する声が強くなっている。その後の状況についてクリプキは「ジャレッドと連絡を取り合っている。一話だけのゲスト出演になるのか、もっと大きい役になるのかはまだ分からない。彼にとって最高の役を見つけようと頑張っているところ。みんなが言うんだ。“『SUPERNATURAL』版のポケモンを集めてるんだろ”って。でも実のところ、単に彼のことが大好きで、大好きな人と一緒に仕事をしようとしているだけ。そうしたら仕事がもっと楽しくなる。ただ彼らのことが大好きなんだ」と述べている。

また、『ザ・ボーイズ』シーズン4の最終話は7月18日に解禁されたが、その5日前にドナルド・トランプ前米大統領を狙った銃撃事件が発生。次期大統領と次期副大統領双方の暗殺計画をめぐるシーズン4の最終話タイトルはもともと「暗殺実行」だったが、事件を受けて「シーズン4フィナーレ」に改題されることに。

銃撃事件を受けてAmazon Prime Videoと番組公式SNSは声明を発表し、2023年に撮影されたこのエピソードと似通った出来事が起きたことは偶然であること、現実世界におけるあらゆる暴力にも断固として反対していることを表明。クリプキは「我々が作っているのはスーパーヒーローの番組でフィクション。これはある視点を持った政治的な番組だから、恐ろしい偶然がいくつか起こるかもしれない。でも、現実世界での暴力に対しては可能な限り強い言葉で非難し、反対する」と改めて強調した。

ファイナルシーズンへと続くシーズン4で確かな手ごたえを感じたに違いないクリプキ。これから本格的にファイナルシーズンの準備に取りかかることになる彼は、「すべてをやり遂げるにはやるべきことがたくさんある。現場で撮影をしている時、そして最後の撮影を終える時は、大変なことになるだろう」とコメント。本家の終了は寂しいものの、新たなスピンオフ企画も複数進行しており、ますます拡大する『ザ・ボーイズ』ユニバースが楽しみだ。

『ザ・ボーイズ』シーズン1~4はAmazon Prime Video(アマゾンプライム)にて配信中。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Variety

Photo:『ザ・ボーイズ』© Amazon MGM Studios/© Amazon Content Services LLC