真田広之「全シーンが見どころ。すべてが宝物」『SHOGUN 将軍』ジャパンプレミア

戦国の日本を描いたジェームズ・クラベルの小説を元に、米FXが制作した戦国ドラマ『SHOGUN 将軍』が2月27日(火)よりDisney+(ディズニープラス)の「スター」にて独占配信となる。それに先駆けて、2月19日(月)に都内でジャパンプレミアが開催され、真田広之をはじめとしたキャスト&スタッフが集結した。

現場で一丸に取り組んだ情熱の結晶

徳川家康をはじめとした歴史上の人物にインスパイアされた同作は、「関ヶ原の戦い」前夜、1600年の日本が舞台。ハリウッド製作の連続ドラマ初主演となる真田は、窮地に立たされる戦国一の武将・吉井虎永を演じ、プロデューサーも兼任する。

そんな真田に加えて、虎永の領地へ漂着する英国人航海士・按針(あんじん)/ジョン・ブラックソーン役のコズモ・ジャーヴィス、“謀反人の娘”の宿命を背負うキリシタン・戸田鞠子役のアンナ・サワイ、虎永と天下の覇権を争う敵・石堂和成役の平岳大、虎永に長年仕える忠実な腹心・戸田広松役の西岡徳馬、亡き太閤との子を守る母・落葉の方役の二階堂ふみ、ジャスティン・マークス(エグゼクティブプロデューサー/ショーランナー)、レイチェル・コンドウ(エグゼクティブプロデューサー)、原作者の娘であるミカエラ・クラベル(エグゼクティブプロデューサー)も登壇。8年以上前から進められてきたという本作に対する思いや同作にまつわるエピソードを披露した。

SHOGUN 将軍

満員の観客から熱い拍手で迎えられた真田は、一言目に「長い旅路の果てにようやく日本の観客の皆さまにお披露目できる日が来たことを嬉しく思います。ここにいる、そしてここにいない多くのスタッフやキャストの情熱の結晶を見ていただける日が来て嬉しいです」と発言。

真田演じる虎永とともに熾烈な戦いに身を投じていくジョン・ブラックソーン(のちの按針)を演じたコズモは、「コミュニケーションのバリアなどいろいろ挑戦や苦労はありましたが、逆にそれはブラックソーンの物語や彼への道のりに近いことでもあったので、役に立ちました。そういう形にしていくことで、本格的なリアルさが得られましたし、真田さんとは最初は目だけでコミュニケーションを取っていましたが、お互いのことを知るにつれてコミュニケーションも深まっていきました。何かあればそこにいてくださいましたし、仕事に対する姿勢という意味で見習いたくなる存在でした」と真田との思い出も交えて振り返った。

主君である虎永から信頼を寄せられる鞠子役のアンナは、思い出に残るシーンをネタバレ抜きで挙げてほしいというリクエストに対して、「すべて重要なシーンなので一つ選ぶのは難しいのですが…鞠子のある決断で分岐点になるようなシーンがあるのですが、そのシーンを演じてる時に役に入り込んでいて本気でやりすぎて長刀が途中で半分に折れてしまったり、家に帰って鏡を見てみて歯がちょっと欠けていることに気づいたり…というのはありました(笑)」と、アクシデントに見舞われていたことを明かしている。

虎永の権力に終止符を打つためなら手段を選ばずに突き進む曲者・落葉の方を演じ、ハリウッドデビューを果たした二階堂は、「撮影するシーンが長かったり、着つけやヘアセットなど、時間がかかる撮影だったので、美味しいドーナツとコーヒーのカフェカーが憩いの場所だったんです。いつの間にか私を呼び込みしてくださるスタッフの方が、私の顔を見る度に“ドーナッツ?”と言っていただけるようになって(笑)、そういう本当に朗らかな瞬間もある素敵な経験をさせていただきました」と、和やかな現場のエピソードを披露。

「いやー、楽しかった! 素晴らしかった!」と作品を振り返ったのは、真田とこれまで何度も共演してきた西岡。「50数年俳優をやっていて、こんなに素晴らしい日本を描いた作品はないこれはもう、明言できます。素晴らしい作品に出来上がりましたので、ぜひご堪能ください」と太鼓判を押した。オーディションを受けた際には虎永を誰がやるのか知らなかったが、真田がやると聞いてぜひとも参加したいと思ったという。

本作では、ハリウッドの制作陣と日本人のスタッフやキャストが一丸となって制作し、脚本の執筆から衣装デザイン、美術の構想などに対して徹底した時代考証が行われ、動きやセリフの一言一句まで妥協を許さず“本物の日本”が追及された。真田は自身の出番のありなしにかかわらず朝早くに出向き、美術小道具チェックをした後で役者を迎え入れてリハーサルを確認してから、自身の扮装に入るという徹底ぶり!

そんな真田のプロフェッショナルぶり、熱いエピソードを平や西岡も証言。「倒し甲斐のある敵役を作りたいと思って演じました」という平は、「(真田さんは)出演がないシーンでも毎日、最初から最後まで現場にいて、エキストラの人の衣装やヘアを直したりとか、頭が下がることばかり。バンクーバーですごく寒い夜に僕が撮影していた際、馬の上に乗って家臣と会話するシーンで、監督は温かいベースから出てこない中、僕に対しての監督からのダメ出しをなんと真田さんが監督と僕の間を行き来して伝えてくれるので、僕は馬上からどうしていいのか分からず(笑)芝居どころじゃなくなるくらい、お世話になりました」と感謝。一方の西岡は、真田と本作にかける思いをぶつけ合った時のことを回想し、「日本の時代劇こんなものか、と恥をかかないような作品にしようと。武士道スピリットをこのドラマで見せたいと伝え、ぜひそれをやろう!と固く誓って完成させました。彼は本当に素晴らしかった。(新型コロナウイルスの時期だったので)マスクを二重にしてゴーグルも着けて、万全の態勢で全シーンの現場に行って…彼の俳優スピリットに感動しました!」と吐露していた。

SHOGUN 将軍

共演者たちがこうした賛辞を口にする度、当の真田は恥ずかしそうにしたり、その時のことを思い出したのか笑ったり、共演者が熱い思いのあまりネタバレをしそうになると手を伸ばしてなだめたりしていた。そんな真田はこの作品を見てもらえることについて聞かれ、「感無量で何からしゃべったらいいのか分からないくらいなんですけども。先程、興奮し過ぎていて、自分の役について話すのをすっ飛ばしましたね(笑)」と、最初のコメント時に、作品に込めた思いを語ったのみだったことを詫びる場面も。

続けて真田は、この作品の持つ意義に言及。「なぜこの役を演じるのか、(虎永の)モデルである徳川家康公の功績、戦乱の世を終わらせて長きにわたる平和な時代を築いた役を演じることは、まさに今この時代だからこそ求められているヒーロー像なのではないかという思いで取り組みました。そしてプロデューサーとしては、原作になるべく忠実に描きながら、歴史上のことはもちろん重要なんですが、このオリジナリティをどうクリエイトするかが一番重要でした。あとは、勇気をもって飛び込んでくれたキャスト、時代劇のスペシャリストのクルーの才能をいかに最大限に引き出すかが自分の役目だと思って、常に現場で一緒に闘ってきました。世の東西の壁を乗り越えて一緒に創り上げたことこそが、一つの世界へのメッセージだと思っています。常に日々楽しくて、現場を離れるのが寂しいくらい楽しくて、本当に素敵な経験をさせていただきました」

最後に見どころを聞かれると、「見どころは全シーン、毎カットすべてと言いたいですね。すべてのエピソードが宝物です。参加した人たちの思いを汲み取りながら見ていただければと思います。回を増すごとに濃く、激しく、ドラマチックに盛り上がっていきますので、最後まで堪能していただければと思います」と、作品に対する思いがあふれたコメントを返している。

SHOGUN 将軍

キャスト、スタッフが撮影現場での真田の姿勢とスピリットに感動し、信頼してともに撮影を乗り越えた末に完成した『SHOGUN 将軍』(全10話)は、2月27日(火)よりDisney+(ディズニープラス)の「スター」にて独占配信スタート。初回は2話配信、その後は毎週火曜日に一話ずつ配信される。(海外ドラマNAVI)

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Photo:『SHOGUN 将軍』2024年2月27日(火)からディズニープラスの「スター」にて独占配信 ©2024 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks