『SHERLOCK/シャーロック』クリエイター、英国版『ザ・ホワイトハウス』を作りたい!

米NBCにて1999年から7シーズンにわたって放送され、高い人気と評価を得た政治ドラマ『ザ・ホワイトハウス』。同作でマーティン・シーンが演じるジェド・バートレット大統領は当時アメリカで理想的な大統領だとして人気を博し、2020年にはアメリカの大統領選に合わせて特別版が製作されたりと、2006年の放送終了から10年以上経っても影響力を誇っている。そんな作品のイギリス版を作りたいと、『SHERLOCK/クリエイター』のスティーヴン・モファットが述べている。

根本的な意識改革が必要?

これまでのモファットは『SHERLOCK』のほか、『ドクター・フー』『ドラキュラ伯爵』『インサイドマン -囚われた者-』『きみがぼくを見つけた日』のドラマ版など、ミステリー、SF要素のある作品を多く作ってきたが、今のイギリスには『ザ・ホワイトハウス』のような政治ドラマが必要だとして、自らその脚本を書く用意ができていると、英Times紙に語った。

「我々はある問題を抱えている。イギリス人は、冷笑的であることは洗練されていることだと考えているが、それは若者の考え方だ。我々の政治に対する冷笑的な姿勢は、結果的に冷笑的な政治家を生み出している。もしも子どもに“悪い子”だと言っていると、その子は本当に悪い人間になってしまう。政治家を“あいつらはみんな自分勝手だ”という風に扱うことに、何の意味がある?」

『ザ・ホワイトハウス』が放送されていた当時のアメリカは、現職の副大統領だったアル・ゴアとの大統領選が物議を醸した末に当選した共和党のジョージ・W・ブッシュが、2001年から8年にわたって大統領を務めた。2001年の同時多発テロ事件をはじめ、アフガン侵攻、イラク戦争など様々な出来事が起きた同政権の後、民主党のバラク・オバマが8年同職を務めている。一方、イギリスではここ数年、EU離脱問題をきっかけに政界が混乱。EU離脱決定を受けて第75代の英国首相デヴィッド・キャメロンが2016年に辞任して以降、マーガレット・サッチャーの時代からある程度長期政権だったはずの首相はここ6年あまりで4人交代。首相自身も含めた政治家のスキャンダルも数多く報じられており、ここ最近ではEU離脱が間違いだったという意見も増えてきている。

そんな迷走するイギリスには、こうした政治ドラマこそ「必要」だとモファットは語る。

たしかにイギリスの政治ドラマというと、中世を舞台にしたものを別にすれば、ケネス・ブラナーが元首相ボリス・ジョンソンに扮した『This イングランド ~ボリス・ジョンソンの軌跡~』のようにリミテッドシリーズが多く、数シーズンかけてじっくり政治家の視点でその世界を描いたものはほとんどないと言えるだろう。現在はキャンセルカルチャーをテーマにした『Douglas is Cancelled(原題)』を手掛けたりと、新しいジャンルにも取り組んでいるモファットが本格的な政治ドラマに挑むのか、楽しみに待ちたい。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Deadline

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