ベネディクト・カンバーバッチが主演し、世界中で社会現象を巻き起こすほどの大ヒットとなったドラマ『SHERLOCK/シャーロック』。本シリーズを生み出した英BBCが、名探偵シャーロック・ホームズを題材にした新ドキュメンタリー番組を製作することが明らかとなった。
アーサー・コナン・ドイルとシャーロック・ホームズの関係
米Varietyによると、『Killing Sherlock: Lucy Worsley on the Case of Conan Doyle(原題)』と題されたドキュメンタリーシリーズでは、歴史家のルーシー・ウォースリーが、小説「シャーロック・ホームズ」シリーズの原作者であるアーサー・コナン・ドイルと彼が生み出した人気キャラクター、ホームズの愛憎関係を掘り下げていくという。
ドイルは、小説シリーズを執筆するにつれてホームズに嫌悪感を抱くようになり、小説「最後の事件」でホームズを帰らぬ人にしたものの、読者からの強い希望を受け、「バスカヴィル家の犬」でキャラクターの復活を余儀なくされた。
1話60分の3話構成となるドキュメンタリー番組では、ドイルの医学生時代まで遡り、ヴィクトリア朝末期の英国における彼の薬物使用から実際に逮捕された事件など、人気作家の黒歴史に迫る。
さらにウォースリーは、ドイルの推理小説に対する幻滅感の高まりとホームズから距離を置きたいという願望を探り、長男を亡くしてスピリチュアリズムへ傾倒し、世間での人気が低下した頃のドイルの人生を反映しながら、晩年時代の闇も掘り下げていくとのこと。
「生涯シャーロック・ホームズに憧れ続けてきた」
ウォースリーはドキュメンタリー番組について、「私は、生涯シャーロック・ホームズに憧れ続けてきたので、彼の人生と死、そして復活を探求することは想像できる得る限り、最大の喜びとなりました。彼の人生と時代を探る一方で、私は男らしさ、帝国やヴィクトリア朝の価値観について、現実的で時には厄介な洞察を得ることも出来ました。彼の生みの親であるアーサー・コナン・ドイルは複雑で矛盾に満ちた、限りなく魅力的な人物だと思います」と述べている。
『Killing Sherlock: Lucy Worsley on the Case of Conan Doyle』は、英BBC TwoとBBC iPlayer、米PBSにてリリース予定。その時期は未定。
なお、アーサー・コナン・ドイルの作品については、『SHERLOCK/シャーロック』のクリエイターがドイルの短編小説「競売ナンバー 二四九」をクリスマス映画として製作し、『ゲーム・オブ・スローンズ』のキット・ハリントンが主演することも発表されたばかりだ。(海外ドラマNAVI)
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Photo:Davie BickerによるPixabayからの画像